宇宙開発技術者

宇宙開発にかかわる研究開発、衛星や打上げロケットなどの開発、設計、製作、運用等を行う。

タグの基準(job tag の就業者調査から、全職業の上位・下位20%などでrokudakaが判定)

サマリー

年収の目安
612万円
2025年・平均より広い職種の数値
有効求人倍率
5.57倍
2025年平均より広い職種の数値
就業者数
79,260人
2020年より広い職種の数値

出典厚生労働省「賃金構造基本統計調査」2025年 一般労働者 職種 第1表「職種(小分類)、性別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額」 / 厚生労働省「職業安定業務統計(一般職業紹介状況)」長期時系列表 第21表「有効求人倍率(パート含む常用)」(2023〜2025年) / 総務省統計局「国勢調査」2010〜2020年 2020年 抽出詳細集計「男女,従業上の地位,職業(小分類)別就業者数(15歳以上)」(それ以前は同じ区分で集計された時系列データ)

計算年収の目安 = きまって支給する現金給与額(月額) × 12 + 年間賞与その他特別給与額。いずれも統計の平均値からrokudakaが計算。

数字で見る宇宙開発技術者

出典厚生労働省「賃金構造基本統計調査」2025年 一般労働者 職種 第1表「職種(小分類)、性別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額」 / 厚生労働省「職業安定業務統計(一般職業紹介状況)」長期時系列表 第21表「有効求人倍率(パート含む常用)」(2023〜2025年) / 総務省統計局「国勢調査」2010〜2020年 2020年 抽出詳細集計「男女,従業上の地位,職業(小分類)別就業者数(15歳以上)」(それ以前は同じ区分で集計された時系列データ) / 総務省統計局「国勢調査」2020年 抽出詳細集計「男女,従業上の地位,職業(小分類)別就業者数(15歳以上)」 / 総務省統計局「国勢調査」2020年 抽出詳細集計「男女,年齢(5歳階級),職業(小分類)別就業者数(15歳以上就業者)」 / 厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)「職業情報データベース 簡易版数値系ダウンロードデータ ver.7.00」スキル(2021年度、その職業に就いている人へのWebアンケート)

計算全職種の平均は、統計に全職種の合計がないため、「不詳」を除く144職種の年収の目安(月額×12+年間賞与、2025年)を労働者数で重み付けしてrokudakaが計算(男女別も同じ方法)。差が3%未満は「ほぼ同じ」。年齢別は推計労働者数1,000人以上の年齢階級だけで比べた。職業全体の有効求人倍率は統計の「職業計」(2025年平均)。差が0.1未満は「同じくらい」。働く人全体は国勢調査の「総数」(2020年)。増減率・女性の割合の差が5ポイント未満は「同じくらい」。年齢構成は、60歳以上・30歳未満の割合が全体より10ポイント以上多いときに記載。スキルは、全職業の平均との差が大きい順。近い職業は下の「スキルが近い職業」と同じ計算で、年収の目安がこの職業より高く、賃金の統計の区分が違うもの。

どんな仕事か

宇宙開発にかかわる研究開発、衛星や打上げロケットなどの開発、設計、製作、運用等を行う。

宇宙開発の技術は、テレビの衛星放送や天気予報の気象衛星、各種車両のナビゲーションシステムなど我々の日常生活に欠かせないものとして溶け込んでいるものや、地球観測衛星からの画像データをもとにした経済動向分析など、活用シーンは幅広い。

宇宙開発は、宇宙そのものを対象として研究を行う宇宙科学の分野と、宇宙を実用的に利用する実利用の分野に大きく分けられる。

宇宙科学の分野では、月や惑星の研究及びそのために必要な探査機や観測ロケットなどの研究開発、打上げ、運用を行っている。

実利用の分野では、人工衛星や宇宙への輸送手段であるロケットの研究開発、打ち上げ、運用のほか、宇宙環境を利用した実験、地球観測衛星による観測データを利用した研究などにより、通信・放送、気象、地球観測などの面で我々の日常生活が支えられている。

日本はアメリカ、EU、ロシアなどと共同で国際宇宙ステーション計画に参加している。また、国内外で宇宙産業全体の市場規模が拡大している。

宇宙開発技術者は、研究開発、製造、運用の各場面で、さまざまな関係者との接点を持ちながら開発業務に携わる。

研究開発場面では、宇宙機(ロケットや人工衛星)の仕様に関する検討、設計、解析などを行う。

製造場面では、試作機や実機の製造、振動や放射線の試験を行う。不具合があった場合には原因究明と問題解決を図る。また、試作機や実機の製造に際しては、宇宙環境に適合する素材や部品をメーカーと共同開発する場合もある。そのようにしてロケットやそれに搭載する人工衛星が完成していく。

打上げの運用場面として、スペースポート(宇宙港)の設計、建設、ロケットや人工衛星の最終組み立て、ロケット燃料の充?等を行うほか、打上げ後には通信による地上からの管制を行う。打上げられた人工衛星からは、画像、GPS情報、通信など様々なデータが地上に提供され、宇宙からの地球観測画像はAI人工知能でも分析され、多様な産業に有効なデータとして活用されている。

<就業希望者へのメッセージ>

最先端産業であり、世界中の国や地域に関わり、その地域振興に貢献する、これほどグローカルな仕事はないと思います。(就業者 30代)

さまざまな非宇宙産業からの進出が進んでおり、宇宙産業はビジネスとしても将来性が高いです。(就業者 30代)

よく使う道具・機材・情報技術

2025年度時点の情報

表計算ソフト(Excel等)、パソコン、プログラミング言語、CAD、各種解析ソフト

労働条件の特徴

職場は国内ではJAXA、重工業メーカー、電機製造メーカーに加え、スタートアップ企業などの民間企業等である。国際プロジェクトに携わる場合、勤務地が海外になる場合もある。

これらの企業に属する宇宙開発技術者が接する相手として、惑星探査機や観測ロケットの研究開発者、宇宙仕様の設備や機材の研究開発者、素材や部品のメーカー等のほかに、近年は、宇宙産業・ビジネスの政策的な旗振り役である政府関係者や地元自治体職員との連携も重みを増している。また、宇宙開発技術者の中には、その専門知識を生かして、宇宙産業への参入希望がある非宇宙産業系の企業等に対するソリューション、コンサルティングの仕事を主に行う人もみられる。

労働条件は勤務先の規定による。ロケットの打上げ、衛星の運用等、通常の勤務形態では対応できない場合には交代制となる。就業者は男性が圧倒的に多いが、最近は女性も増加している。

近年、宇宙開発事業は、人工衛星の打ち上げコストの低廉化や、人工衛星データをAI人工知能で分析できることによるサービスの広がり等を背景に、異業種からの進出、スタートアップ企業など民間企業の参入が多い。

JAXAの「はやぶさ2」による小惑星探査、大型ロケット「H3」の打上げなど、普段から目にする宇宙関連のニュースは多い。宇宙空間の利用も拡大傾向にあり、人工衛星からの画像データを使った新たなサービスなどが提供され、生活がより豊かなものとなっている。

スペース・トランスフォーメーション(SX:宇宙空間における活動を通じてもたらされる経済・社会の変革)が加速する中で、宇宙開発技術を活用した宇宙産業・ビジネスの世界市場規模が年々拡大している。我が国においても、「宇宙基本計画」が閣議決定されるなど(2023年)、政策面での強い後押しがみられる。空港や海港のように、宇宙港が整備されると、建設業、製造業、観光業などの経済・雇用の好循環が生み出されるなど、地域経済の活性化につながる。今後、ますます国内市場規模が拡大することが予想される。

働く環境の特徴

job tag の就業者調査で、この職業の人が答えた「仕事の性質」です。全職業の平均と比べて、特に高い項目と低い項目を並べています。

全職業の平均より高い

全職業の平均より低い:反復作業、他者とのかかわり、立ち作業

勤務のスケジュール:規則的 39%、不規則 44%、季節的 17%

出典厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)「職業情報データベース 簡易版数値系ダウンロードデータ ver.7.00」仕事の性質(2020年度、その職業に就いている人へのWebアンケート)

計算「仕事の性質」は回答の平均(値はおおむね1〜5の範囲)で、棒の縦線はjob tagの全職業(518職業)の平均。平均との差が0.3以上の項目を、差の大きい順に高いもの最大6つ・低いもの最大3つ。勤務のスケジュールは回答者の割合。

一般的な就業形態

この職業の一般的な就業形態として、job tag の就業者調査で選ばれた割合です。複数回答のため、合計は100%を超えます。回答した人の数が少ない職業もあるため、目安として見てください。

禄高(給与)

より広い職種の数値統計に「宇宙開発技術者」だけの区分がないため、「他に分類されない技術者」全体の数値を表示しています。

この年収は、会社などに雇われて働く人の給与です。事業主(開業している人など)の収入は含まず、会社の役員も原則として含みません。

精度の目安標準誤差率 2.07%(統計の全職種の中央値は2.04%)

標準誤差率は、調査の対象に選ばれた事業所によって平均がどのくらいぶれるかの目安です。小さいほど数字が安定しています。

出典厚生労働省「賃金構造基本統計調査」2025年 標準誤差率 誤差率表4「職種(小分類)別所定内給与額及び所定内給与額の標準誤差率(役職者を含む)」

計算誤差率は所定内給与額(残業代・賞与を除く月額、男女計)に対する統計の公表値。中央値は全職種の誤差率からrokudakaが計算。

年収の目安は612万円です (月々の給与40.0万円 × 12か月 + 賞与など132万円)。統計の全144職種の中で31番目に高い水準です。

平均年齢は43.9歳、平均勤続年数は14.7年です。年齢別では55~59歳が最も高く、743万円です。

年収の推移

2023年2024年2025年
554万円573万円612万円

年齢別の年収

白抜きの点と破線は、推計労働者数が1,000人未満の区分です。 人数が少なく平均がぶれやすいため、参考値として見てください。 薄い棒(右の目盛り)は、賃金の統計の推計労働者数です。企業規模10人以上の会社などに雇われて働く人の数で、自営業の人や小さな会社で働く人を含まないため、下の「年齢別の就業者数」(国勢調査)とは対象が違います。

男女別

男634万円
女503万円

女性の年収は男性の79%です。年齢構成や勤続年数の違いも含んだ差です。

企業規模別

1,000人以上674万円
100〜999人577万円
10〜99人549万円

企業規模による差は最大125万円です。

需要と将来性

より広い職種の数値求人倍率は「その他の技術者」全体の数値です。

2025年の有効求人倍率は5.57倍です。仕事を探している人1人に対して、5.6件の求人がある状態で、人手が足りない側に傾いています。2023年からの推移を見ると、上がっています。

有効求人倍率の推移

ハローワークを通じた求人・求職の数から計算した値で、民間の求人サイトの求人は含みません(パートタイムを含む常用)。

就業者数の推移

より広い職種の数値就業者数は「その他の技術者」全体の数値です。

2020年の就業者数は79,260人です(うち女性12%)。2010年と比べると+40%増えています。

国勢調査は5年ごとの調査です。会社員だけでなく、自営業や家族で営む仕事の人も含みます。 そのため、給与の統計(企業規模10人以上の会社などで働く人)とは対象が違います。

年齢別の就業者数(2020年)

「その他の技術者」全体の数値です。5歳ごとの年齢層では、45~49歳がいちばん多くなっています(70歳以上はまとめているため除く)。30歳未満は14%で、働く人全体(15%)と同じくらいです。60歳以上は19%で、働く人全体(24%)と同じくらいです。

国勢調査の就業者数で、雇われて働く人のほか、自営業や家族で営む仕事の人も含みます。70歳以上はまとめています。

出典総務省統計局「国勢調査」2020年 抽出詳細集計「男女,年齢(5歳階級),職業(小分類)別就業者数(15歳以上就業者)」 / 総務省統計局「国勢調査」2010〜2020年 2020年 抽出詳細集計「男女,従業上の地位,職業(小分類)別就業者数(15歳以上)」(それ以前は同じ区分で集計された時系列データ)

計算年齢(5歳階級)の就業者数を、賃金の統計の年齢階級に合わせて「〜19歳」から「70歳〜」にまとめた。割合は5歳階級の合計に対する割合でrokudakaが計算。働く人全体は国勢調査の「総数」で、差が5ポイント未満は「同じくらい」。

働き方の内訳(2020年)

雇われて働く人(正社員・派遣・パートなど)90%71,280人
会社などの役員4%3,370人
事業主(人を雇っている)1%520人
事業主(一人で)(開業・フリーランスなど)5%3,610人
家族従業者・内職など1%未満130人
不詳1%未満350人

出典総務省統計局「国勢調査」2020年 抽出詳細集計「男女,従業上の地位,職業(小分類)別就業者数(15歳以上)」

計算割合は従業上の地位別の就業者数を総数で割ってrokudakaが計算。「家族従業者・内職など」は家族従業者と家庭内職者の合計。

必要なスキル・知識

全職業の平均と比べて特に求められるスキルは、故障等の原因特定、科学的素養、計器監視です。 知識では設計、物理学、コンピュータと電子工学が特徴的です。

スキル(全職業の平均との差が大きい8項目)

知識(全職業の平均との差が大きい8項目)

水準はスキルが0〜7程度、知識が0〜5程度で、数字が大きいほどその仕事で高いレベルが求められることを表します。

なり方・学び方

入職にあたって必要な資格はないが、宇宙工学は機械・電気・電子・情報技術・建築など工学系の技術のほか、物理・化学・工学・ライフサイエンス・天文学など理学系分野の知識や技術が必要であり、それらが結集することで成り立っている。それぞれの専門分野で大学院の修士課程や博士課程で学び就職するケースがほとんどである。

宇宙産業の裾野の広がりに伴って、従来からの宇宙関連企業に加え、非宇宙産業からの新規参入や、スタートアップ企業の台頭がみられ、雇用の受皿や選択肢が増えている。一般的には宇宙航空研究開発機構(JAXA)や宇宙関連事業を行っている企業に入り、ロケットや人工衛星、宇宙ステーションなどの開発、運用等に従事する。宇宙産業の広がりのスピードに対してそれを支える人材は不足している。

中途採用は他産業からの参入者が多く、例えば、内燃機関で類似性がみられる航空機や自動車産業、インフラ整備関連では建設業、その他、データ処理・解析といった経験があると、宇宙産業との親和性が高く即戦力として活躍しやすい。

宇宙への興味・関心を持ち続け、最新の産業動向や専門知識を身につけるなど自己研鑽を続ける必要がある。また、異業種や行政機関など多数の関係者(機関)とのやりとりを日常的に行うことから、思考の柔軟性や高いコミュニケーション能力、プレゼンテーション能力が必要である。少人数のスタートアップ企業では、指示を待つばかりではなく主体的に考え行動する姿勢がより求められる。

関連団体

スキルが近い職業

スキル・知識の傾向が似ている職業です。必要なスキルの重なりが大きいほど、転職のときに経験を活かしやすいと考えられます。

出典厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)「職業情報データベース 簡易版数値系ダウンロードデータ ver.7.00」スキル(2021年度、その職業に就いている人へのWebアンケート) / 厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)「職業情報データベース 簡易版数値系ダウンロードデータ ver.7.00」知識(2019年度、その職業に就いている人へのWebアンケート)

計算スキル39項目・知識33項目の水準を、job tagの全職業の中での位置(標準化した値)に直し、職業ごとの全体の高さの差を除いてから傾向の近さ(コサイン類似度)をrokudakaが計算。このサイトに掲載している職業の中から近い順に5件。

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出典と注意

使っている統計について

賃金構造基本統計調査(e-Stat)
厚生労働省が毎年行う基幹統計(統計法で特に重要と定められた統計)です。 事業所が、働いている人ごとの給与を記入する調査で、職種・年齢・企業規模などの区分ごとの給与がわかる国の代表的な賃金統計です。 このサイトの数値の範囲は一般労働者(短時間労働者を除く)、企業規模10人以上です。
職業安定業務統計(一般職業紹介状況)(e-Stat)
厚生労働省が、全国のハローワークで受け付けた求人と求職の数を集計した業務統計です。 民間の求人サイトや人材紹介会社の求人は含みません。
国勢調査(e-Stat)
「国勢調査は、日本に住んでいるすべての人及び世帯を対象とする国の最も重要な統計調査で、国内の人口や世帯の実態を明らかにするため、5年ごとに行われます。」 (総務省統計局「令和2年国勢調査に関するQ&A」問1-1) 職業別の就業者数は、調査票の一部を抽出して集計した推計値です(抽出詳細集計)。 範囲は15歳以上の就業者(雇用者のほか、自営業主・家族従業者などを含む)です。
厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)(ダウンロードページ)
厚生労働省の職業情報サイトです。スキル・知識・タスクの数値は、独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)がその職業に就いている人へのアンケートで集めたものです。

データの対応関係

数字の見方

数字の計算方法や読み方は「統計の読み方」にまとめています。

独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)作成『職業情報データベース 簡易版数値系ダウンロードデータ ver.7.00』職業情報提供サイト(job tag)より2026年10月30日にダウンロード(https://shigoto.mhlw.go.jp/User/download)、『職業情報データベース 解説系ダウンロードデータ ver.7.01』職業情報提供サイト(job tag)より2026年10月30日にダウンロード(https://shigoto.mhlw.go.jp/User/download)を加工して作成