救急救命士
別名:救急隊員
現場及び病院への搬送の途中、救急車などの中で、救護行為を行う。
サマリー
出典総務省「地方公務員給与実態調査」2025年(4月1日現在) 第5表 職種別職員の平均給与額 1 団体区分別((1)全地方公共団体) / 総務省統計局「国勢調査」2010〜2020年 2020年 抽出詳細集計「男女,従業上の地位,職業(小分類)別就業者数(15歳以上)」(それ以前は同じ区分で集計された時系列データ)
数字で見る救急救命士
- 就業者数は2010年から−0%で、働く人全体(−3%)と同じくらいの動きです(「消防員」全体の数値)。
- 働く人のうち女性は3%で、働く人全体(45%)より少なくなっています(「消防員」全体の数値)。
- 全職業の平均と比べて特に高いスキルは、「傾聴力」「指導」「説得」です。
出典総務省統計局「国勢調査」2010〜2020年 2020年 抽出詳細集計「男女,従業上の地位,職業(小分類)別就業者数(15歳以上)」(それ以前は同じ区分で集計された時系列データ) / 総務省統計局「国勢調査」2020年 抽出詳細集計「男女,従業上の地位,職業(小分類)別就業者数(15歳以上)」 / 総務省統計局「国勢調査」2020年 抽出詳細集計「男女,年齢(5歳階級),職業(小分類)別就業者数(15歳以上就業者)」 / 厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)「職業情報データベース 簡易版数値系ダウンロードデータ ver.7.00」スキル(2021年度、その職業に就いている人へのWebアンケート)
計算働く人全体は国勢調査の「総数」(2020年)。増減率・女性の割合の差が5ポイント未満は「同じくらい」。年齢構成は、60歳以上・30歳未満の割合が全体より10ポイント以上多いときに記載。スキルは、全職業の平均との差が大きい順。
どんな仕事か
現場及び病院への搬送の途中、救急車などの中で、救護行為を行う。また、生命の危険のある病気やけが人に対しては、特定医療行為を含む必要な救急救命処置を行う。消防機関に所属していない救急救命士もいるが、ここでは主に消防署に勤務する救急救命士について記載する。
消防本部の指令センターから指令を受け、救急車などに乗って現場に急行する。傷病者の症状を確認し、その場で必要な応急処置を行う。傷病者を救急車に収容し、搬送先の病院に向かう。その車内において、聴診器による心音・呼吸音の確認、心電図の測定、酸素吸入器による酸素吸入、自動体外式除細動器(AED)による除細動などの処置を行う。更に、専用端末で救急指導医師の指示を受けながら、輸液や気管内チューブによる気道確保などの救急救命処置を行うこともある。
病院に到着してからは、傷病者を病院の担当者に引き継ぎ、症状や応急処置の内容を医師に報告する。署に戻って報告書を作成し、次の出動に備える。救急現場の場所によってはヘリコプターで出動することもあり、機内において処置をする場合もある。
また、救急救命士の資格を有しているが消防機関に所属していない救急救命士も増えており、病院、ドクターカー、ドクターヘリの診療補助などの場面で活躍している。
よく使う道具・機材・情報技術
2019年度時点の情報job tagの解説はこの年度から更新されていません。現在とは異なる場合があります。
医療機器(聴診器等)、心電図、酸素吸入器、自動体外式除細動器(AED)、気管内チューブ、大型、中型、準中型、特殊自動車等(普通免許だけでは運転できないもの)、作業中の保護具(ヘルメット、ゴーグル、グローブ、安全靴等)
主なタスク
job tagの就業者調査で重要度が高いとされたもの。実施率は、そのタスクを行っていると答えた人の割合です。
| タスク | 実施率 |
|---|---|
| 車内で病人やけが人に対してAED(自動体外式除細動器)を使用したり、心臓マッサージをする。 | 96% |
| 車内で病人やけが人に対して医師の指示を受けながら輸液や気管確保をする。 | 96% |
| 消防署の指令センターからの指令を受け、救急車に乗って現場に急行する。 | 96% |
| 病人やけが人の容態を確認し、その場で応急処置をする。 | 96% |
| 傷病者を病院に引き渡し、症状や実施した処置の内容を医師に報告する。 | 96% |
| 火災現場や地震などの災害現場において、人命の救出活動を行う。 | 96% |
| 病人やけが人を救急車に収容し、車内で心音の確認や心拍数の測定をする。 | 96% |
| 報告書の作成や救急車に搭載する医薬品・器具の点検をする。 | 96% |
出典厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)「職業情報データベース 簡易版数値系ダウンロードデータ ver.7.00」タスク(2022年度、その職業に就いている人へのWebアンケート)
計算重要度の高い順に最大8件を表示。
労働条件の特徴
各地の消防署に勤務する。いつ発生するかわからない急病人やけが人に備えて、交代制の勤務となる。職場によって異なるが、1回の勤務は休憩・仮眠をとりながら24時間勤務が原則であり、当番日と非番日、公休を繰り返すパターンとなっている。年中無休の業務体制であるため、土日祝日に休みが取れるわけではない。
待遇は各自治体の規定による。出動手当など職務の特殊性や危険性が考慮された処遇となっていることが多い。
勤務中は常に緊張状態にあり、仮眠中でも要請があれば直ちに出動することが求められ、精神的にも肉体的にも厳しい面がある。
消防職のなかで救急部門に従事する職員は67,006人、うち救急救命士の数は33,552人である*。総務省消防庁では、3人1組の救急隊のうち、少なくとも1名は救急救命士の資格取得者を配備することを推奨しており、救急救命士の需要は高まりつつある。救急救命士の資格を取得する人数も年々増えているが、増加しつつある出勤件数に対して救急救命士の数は不足しがちである。病人やけが人の生存率を上げるため、救急医療の充実が求められており、高度な救急医療行為を行うことができる救急救命士に対する期待は大きい。
*令和6年度消防白書から
働く環境の特徴
job tag の就業者調査で、この職業の人が答えた「仕事の性質」です。全職業の平均と比べて、特に高い項目と低い項目を並べています。
全職業の平均より高い
勤務のスケジュール:規則的 34%、不規則 60%、季節的 6%
出典厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)「職業情報データベース 簡易版数値系ダウンロードデータ ver.7.00」仕事の性質(2023年度、その職業に就いている人へのWebアンケート)
計算「仕事の性質」は回答の平均(値はおおむね1〜5の範囲)で、棒の縦線はjob tagの全職業(518職業)の平均。平均との差が0.3以上の項目を、差の大きい順に高いもの最大6つ・低いもの最大3つ。勤務のスケジュールは回答者の割合。
一般的な就業形態
この職業の一般的な就業形態として、job tag の就業者調査で選ばれた割合です。複数回答のため、合計は100%を超えます。回答した人の数が少ない職業もあるため、目安として見てください。
禄高(給与)
この職業は公務員として働く人が中心のため、民間の給与の統計(賃金構造基本統計調査)ではなく、公務員の給与の統計を下に表示しています。
公務員として働く場合
| 統計の区分 | 消防職より広い職種の数値 |
|---|---|
| 月々の給与(平均) | 42.6万円 |
| 期末手当・勤勉手当(ボーナス) | 170万円 |
| 職員数 | 165,253人 |
- 月々の給与は、2025年4月1日現在の給料と諸手当(扶養手当・地域手当・通勤手当・時間外勤務手当など)の合計の平均です。期末手当・勤勉手当は含みません。
- 期末手当・勤勉手当は統計表の値です。いつの期間に支給された額かを公式資料で確認中のため、年収の目安はまだ計算していません。
- 都道府県と市区町村を合わせた、地方公共団体の平均です。団体や地域によって給与は異なります。
需要と将来性
公務員の採用は、ハローワークではなく国や自治体などが行う採用試験で行われるため、有効求人倍率は表示していません。
就業者数の推移
より広い職種の数値就業者数は「消防員」全体の数値です。
国勢調査は5年ごとの調査です。会社員だけでなく、自営業や家族で営む仕事の人も含みます。 そのため、給与の統計(企業規模10人以上の会社などで働く人)とは対象が違います。
出典総務省統計局「国勢調査」2010〜2020年 2020年 抽出詳細集計「男女,従業上の地位,職業(小分類)別就業者数(15歳以上)」(それ以前は同じ区分で集計された時系列データ)
計算調査票の一部を抽出して集計した推計値(10人単位)。増減率は2010年と2020年の値からrokudakaが計算。
年齢別の就業者数(2020年)
「消防員」全体の数値です。5歳ごとの年齢層では、30~34歳がいちばん多くなっています(70歳以上はまとめているため除く)。30歳未満は24%で、働く人全体(15%)より多くなっています。60歳以上は5%で、働く人全体(24%)より少なくなっています。
国勢調査の就業者数で、雇われて働く人のほか、自営業や家族で営む仕事の人も含みます。70歳以上はまとめています。
出典総務省統計局「国勢調査」2020年 抽出詳細集計「男女,年齢(5歳階級),職業(小分類)別就業者数(15歳以上就業者)」 / 総務省統計局「国勢調査」2010〜2020年 2020年 抽出詳細集計「男女,従業上の地位,職業(小分類)別就業者数(15歳以上)」(それ以前は同じ区分で集計された時系列データ)
計算年齢(5歳階級)の就業者数を、賃金の統計の年齢階級に合わせて「〜19歳」から「70歳〜」にまとめた。割合は5歳階級の合計に対する割合でrokudakaが計算。働く人全体は国勢調査の「総数」で、差が5ポイント未満は「同じくらい」。
働き方の内訳(2020年)
| 雇われて働く人(正社員・派遣・パートなど) | 100% | 148,550人 |
|---|---|---|
| 会社などの役員 | 1%未満 | 30人 |
出典総務省統計局「国勢調査」2020年 抽出詳細集計「男女,従業上の地位,職業(小分類)別就業者数(15歳以上)」
計算割合は従業上の地位別の就業者数を総数で割ってrokudakaが計算。「家族従業者・内職など」は家族従業者と家庭内職者の合計。
必要なスキル・知識
全職業の平均と比べて特に求められるスキルは、傾聴力、指導、説得です。 知識では医学・歯学、公衆安全・危機管理、教育訓練が特徴的です。
スキル(全職業の平均との差が大きい8項目)
知識(全職業の平均との差が大きい8項目)
水準はスキルが0〜7程度、知識が0〜5程度で、数字が大きいほどその仕事で高いレベルが求められることを表します。
出典厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)「職業情報データベース 簡易版数値系ダウンロードデータ ver.7.00」スキル(2021年度、その職業に就いている人へのWebアンケート) / 厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)「職業情報データベース 簡易版数値系ダウンロードデータ ver.7.00」知識(2023年度、その職業に就いている人へのWebアンケート)
計算「全職業の平均」は、job tagで数値のある全職業(最大518職業)の単純平均をrokudakaが計算。表示する8項目は、この職業の値と全職業の平均との差が大きい順。
なり方・学び方
救急業務は消防において行われているため、救急車に乗務するには、消防職の公務員試験を受けて消防士として採用される必要がある。
消防職の中で救急救命士として活動するには、救急救命士国家試験に合格し、救急救命士の免許を得ることが必要である。
採用当初から救急救命士として働くことはまれであり、消防学校で救急隊員として必要な教育を受けてから現場に配属され、実務経験を積み、専門的な知識と技術を学んで資格を取得するのが一般的である。
大学や専門学校において救急救命に関する専門的な技術と知識を学び、卒業後に国家試験を受けて資格を取得する方法もある。
最新の救急救命医療に対応するため、日々知識や技術を磨いていくことが求められる。病院に搬送しながら傷病者に適切な処置を行う必要があるため、迅速に冷静な判断をくだせる必要がある。また、緊急を要する作業のため、機敏に的確な処置を行うことも重要である。なによりも人命にかかわる仕事のため、強い責任感が求められる。
関連する資格
資格の詳細ページでは、受験資格・受験料などを試験の実施団体などの公式情報をもとに、出典と確認日つきでまとめています。講座の情報は準備中です。
関連団体
スキルが近い職業
スキル・知識の傾向が似ている職業です。必要なスキルの重なりが大きいほど、転職のときに経験を活かしやすいと考えられます。
- 消防官年収の目安 —救急救命士とくらべる →
- 警察官(都道府県警察)年収の目安 —救急救命士とくらべる →
- 保健師年収の目安 551万円救急救命士とくらべる →
- 助産師年収の目安 567万円救急救命士とくらべる →
- 刑務官年収の目安 —救急救命士とくらべる →
出典厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)「職業情報データベース 簡易版数値系ダウンロードデータ ver.7.00」スキル(2021年度、その職業に就いている人へのWebアンケート) / 厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)「職業情報データベース 簡易版数値系ダウンロードデータ ver.7.00」知識(2023年度、その職業に就いている人へのWebアンケート)
計算スキル39項目・知識33項目の水準を、job tagの全職業の中での位置(標準化した値)に直し、職業ごとの全体の高さの差を除いてから傾向の近さ(コサイン類似度)をrokudakaが計算。このサイトに掲載している職業の中から近い順に5件。
出典と注意
- 職業情報提供サイト(job tag)「仕事内容、タスク、スキル・知識、関連資格」数値系 ver.7.00・解説系 ver.7.01
- 国勢調査「職業(小分類)別就業者数(e-Stat)」2020年(推移は2010〜2020年)
使っている統計について
- 賃金構造基本統計調査(e-Stat)
- 厚生労働省が毎年行う基幹統計(統計法で特に重要と定められた統計)です。 事業所が、働いている人ごとの給与を記入する調査で、職種・年齢・企業規模などの区分ごとの給与がわかる国の代表的な賃金統計です。 このサイトの数値の範囲は一般労働者(短時間労働者を除く)、企業規模10人以上です。
- 職業安定業務統計(一般職業紹介状況)(e-Stat)
- 厚生労働省が、全国のハローワークで受け付けた求人と求職の数を集計した業務統計です。 民間の求人サイトや人材紹介会社の求人は含みません。
- 国勢調査(e-Stat)
- 「国勢調査は、日本に住んでいるすべての人及び世帯を対象とする国の最も重要な統計調査で、国内の人口や世帯の実態を明らかにするため、5年ごとに行われます。」 (総務省統計局「令和2年国勢調査に関するQ&A」問1-1) 職業別の就業者数は、調査票の一部を抽出して集計した推計値です(抽出詳細集計)。 範囲は15歳以上の就業者(雇用者のほか、自営業主・家族従業者などを含む)です。
- 厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)(ダウンロードページ)
- 厚生労働省の職業情報サイトです。スキル・知識・タスクの数値は、独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)がその職業に就いている人へのアンケートで集めたものです。
データの対応関係
- 賃金:対応する区分なし
- 求人倍率:対応する区分なし
- 就業者数:「消防員」の数値(より広い職種)
- 就業者数は、統計の「消防員」の数値です。年収は、対応する統計の区分がないため表示していません。
数字の見方
- 年収の目安:きまって支給する現金給与額 × 12 + 年間賞与その他特別給与額(いずれも平均。一般労働者、企業規模10人以上)。平均値なので、一部の高い人に引っ張られて実感より高く出ることがあります。
- 給与の対象は労働基準法第9条の労働者(雇われて働く人)。事業主は含まず、役員も原則含まない。パート・アルバイトなどの短時間労働者は含みません。
- 月々の給与は、調査した年の6月分の給与です。基本給のほか残業代・通勤手当・家族手当などを含み、税金・社会保険料を差し引く前の額です。
- 賞与は、調査した年の前年1年間(原則1月〜12月)に支払われた額です。
- 用語の定義は厚生労働省の用語の説明と調査の概要によります。
数字の計算方法や読み方は「統計の読み方」にまとめています。
独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)作成『職業情報データベース 簡易版数値系ダウンロードデータ ver.7.00』職業情報提供サイト(job tag)より2026年10月30日にダウンロード(https://shigoto.mhlw.go.jp/User/download)、『職業情報データベース 解説系ダウンロードデータ ver.7.01』職業情報提供サイト(job tag)より2026年10月30日にダウンロード(https://shigoto.mhlw.go.jp/User/download)を加工して作成
2020年の就業者数は148,580人です(うち女性3%)。2010年と比べると0%で、ほぼ横ばいです。