タンクローリー乗務員

タンクローリーに乗務し、ガソリン等液体・高圧ガスなどを移送する。

タグの基準(job tag の就業者調査から、全職業の上位・下位20%などでrokudakaが判定)

サマリー

年収の目安
—
データなし対応する統計なし
有効求人倍率
2.61倍
2025年平均より広い職種の数値
就業者数
1,445,820人
2020年より広い職種の数値

出典厚生労働省「職業安定業務統計(一般職業紹介状況)」長期時系列表 第21表「有効求人倍率(パート含む常用)」(2023〜2025年) / 総務省統計局「国勢調査」2010〜2020年 2020年 抽出詳細集計「男女,従業上の地位,職業(小分類)別就業者数(15歳以上)」(それ以前は同じ区分で集計された時系列データ)

数字で見るタンクローリー乗務員

どんな仕事か

タンクローリーに乗務し、ガソリン等液体・高圧ガスなどを移送する。

タンクローリーは、重心を低くするために、荷台の形が楕円形をしており、危険物を移送する車は「危」、毒物・劇物を移送する車は「毒」、高圧ガスを移送する車は「高圧ガス」の標識を車の前後に掲示しなければならない。

なお、ガソリン等の引火性液体危険物の移送を行うタンクローリーのほか、飲料水、牛乳、シロップ等飲料品を運ぶ給水車、小麦粉や肥料、砂糖などの粉粒体を運ぶバルク車等もタンクローリーに含まれる。

以下は、ガソリン等の引火性液体危険物の移送を行うタンクローリー乗務員の業務を中心に述べる。

乗務員は出社して車両の運行前点検・アルコール呼気や健康状態等のチェック、配車内容、配送先、道路状況等の注意点・連絡事項等運行管理者からの点呼・伝達を受けた後、危険物取扱者免状又は高圧ガス移動監視者講習修了証、防護服、保護具や消化器等携行品の確認、イエローカード(事故発生時にドライバーが取るべき応急措置、災害拡大防止措置等を記載した黄色い書面)の設置及び安全運行のため車両の始業前点検を行い、車両に乗り込み運転を始める。

液体・高圧ガスなどの場合、荷積み(発荷主)は、製油所、油槽所等の供給拠点であるが、ここで積み込んだ後、ガソリンスタンド(給油所)、工場、運送会社、航空会社施設等に配送する。1回の荷積みで1~3件配送し、1日で2~4回繰り返す。工場を中心に回るもの、ガソリンスタンドを中心に回るもの等様々な形態がある。運転距離は中・短距離が多い。

積み込みは、製油所等に到着してから勤務先からのオーダーを確認して製油所等の電子機器に油種・数量等を登録後、積み込みレーン(ベイ)にタンクローリーを移動させる。アースを取付ける等火災防止措置を取り、タンクローリーの各ハッチ(通常5個~8個ある。)の上部の蓋を解放し、出荷基地のアームを挿入し、ICカード等でベイの電子機器を操作して、ハッチの蓋を開けて爆発防止のために気体を回収した後、積込みを開始する。最近ではタンクローリーのハイテク化が進んでいて、各ハッチに積み込む油種(ガソリン、灯油等)、数量(ハッチ割)を電子機器に記憶させるシステムとなっており、手順を遵守すれば積み込む油種や数量を誤ることは無い。積込み作業が終了したら、ハッチの蓋のハンドル閉鎖やアームの所定位置への収納等を確認してガソリンスタンド等配送先へ出発する。

ガソリンスタンド等配送先に到着し、入場する前に、営業を妨げない安全な入場ルートを確認しておき、ガソリンスタンド等立ち会い者の誘導に従い所定の位置に停車し車止めを置く。

次に、納品書(荷卸し確認チェックリスト)で、納入先や油種と数量をガソリンスタンド等立ち会い者とタンクローリー乗務員相互で確認する。

ガソリンスタンド等における荷卸し時におけるコンタミ(混油)事故やオーバーフロー(漏油)事故等防止について消防法に基づく立会義務があり、ガソリンスタンド等立ち会い者とタンクローリー乗務員の相互協力、相互確認が安全対策の基本となる。

そして、アースの接続、消火器の配置等準備を行った後、ハッチ積荷と地下タンク在庫の油種・数量と荷卸し数量を相互に確認し、荷卸しの油種の順序(原則、灯油、レギュラー、ハイオク、軽油の順番)を決定する。その後、配送先のタンクとタンクローリーのハッチをホースで繋いでコックを開ける。その際、注油口のタンク番号、油種、ホースの結合状態をよく確認することが重要である。荷卸し時に、ガソリンスタンド等側にある油種を識別する油種キーを接続することでガソリンスタンド等側の油種と荷卸ししようとしているハッチの油種が一致しないと各ハッチに付いているバルブが開かないよう混油事故を防止している場合もある。ただし、同一の油種を複数のタンクに分納する場合は注意が必要で、数量の振り分けは各ハッチのバルブ操作をする事により行うので、誤ると油が溢れる。また、安全のため、荷卸しの際は、落ちタバコや静電気に細心の注意を払う必要がある。荷卸し作業終了時に、ハッチ内残油と地下タンク在庫を検量し、荷卸し確認チェックリストにガソリンスタンド等立ち会い者の確認を受ける。最後に、バルブ、コックが全て閉まっているかを確認する。

なお、粉粒体を運ぶバルク車等の場合は、粉粒体を降ろす時は空気の圧力を使ってホースから出す等積み込み及び荷卸しの手続きは危険物の移送とは異なる。

配送終了後は車両を回送して帰社するが、終業に当たっては、車両を清掃、点検し、運行管理者へ配送状況、車両点検結果等の報告を行う。輸送伝票等を返納し、運転日報に必要事項を記載、翌日の配送予定を確認し終了する。

万が一運転中に交通事故、貨物事故が発生したときは、まず消防署、警察署に緊急通報をし、運行管理者に連絡し、指示を受けて適切な措置をとる。

よく使う道具・機材・情報技術

2020年度時点の情報job tagの解説はこの年度から更新されていません。現在とは異なる場合があります。

タンクローリー

主なタスク

job tagの就業者調査で重要度が高いとされたもの。実施率は、そのタスクを行っていると答えた人の割合です。

タスク実施率
タンクローリーをガソリンスタンド等配送先の所定の位置に停車させ、油種、ホースの結合の確認等所定の手順を踏んで、ハッチタンク内から配送先の地下タンクに荷卸しを行う。98%
運転中に万が一交通事故、貨物事故が発生したときは、まず消防署、警察署に緊急通報をし、運行管理者に連絡し、指示を受けて適切な措置をとる。100%
タンクローリーを製油所等の所定の場所に移動させ、アースの取付け等火災防止措置を取り、ハッチの蓋を解放し、出荷基地のアームを挿入し、爆発防止の気体を回収した後、積み込み作業を行う。95%
ガソリンスタンド等配送先までタンクローリーを運転する。95%
荷卸し終了後は、所定の手順を踏み、ハッチ内残油等の検量、バルブ、コック等が全て閉まっているか等の確認作業を行う。95%
積込み作業終了後、所定の手順を踏み、ハッチの蓋のハンドル閉鎖やアームの所定位置への収納等の確認作業を行う。98%
ガソリンスタンド等配送先の立ち会い者と納品物に問題がないか等相互に確認し、所定の書類のやりとり等を行う。95%
配送終了後は車両を回送して帰社する。100%

労働条件の特徴

勤務先は石油精製会社等から委託を受けた運送会社が多く、全国に幅広く広がっている。

労働条件は、勤務先の規定に従うが、正社員としての採用が多く、給料は多くの会社が月給制となっており、給料のうち基本給以外の資格手当や運行手当、時間外手当などの変動給の占める割合が比較的大きい。週休2日制を導入している企業も多い。

24時間営業のガソリンスタンド等の場合、輸送コストを考え夜間配送したほうが効率的な場合は、1台のタンクローリーを2人の交代(シフト制)制で勤務しているところもある。出勤時間は毎日同時刻ではなく、一般的に配送先の都合により早朝の場合が多い。退社時間は、配送先の場所、件数、道路事情に左右される。

トラック乗務員全体では多くが男性であり、女性の割合は4.6%である。年齢層では、トラック運送事業を含む自動車運送業界で働く人は50歳以上が全体の51.0%を占めるなど、高齢化が進んでいる。(*1)

ただし、タンクローリー車の場合は他のトラック運転と異なり、荷積み荷卸しの際に手で持ち上げるのはそれ程重くない給油用ホースであるので、肉体的な負担は少なく、荷卸しのための待機時間も比較的少ない。従って運転業務以外の附帯業務に高齢者でも充分に対応可能であり、高齢者のタンクローリー乗務員を活用している事業所も多くある。また、女性の活躍機会も増えている。

なお、液体・高圧ガス運搬の場合、灯油等燃料が多く消費される冬場が繁忙期であり、夏期には余裕ができるのが一般的である。

深刻な乗務員不足の改善を目指して、国土交通省と厚生労働省共同で、トラック運送事業者の労働環境の改善等に取り組んでいる。

(*1)公益社団法人全日本トラック協会【日本のトラック輸送産業現状と課題2025】 「少子・高齢化の進展と若年労働不足」から

働く環境の特徴

job tag の就業者調査で、この職業の人が答えた「仕事の性質」です。全職業の平均と比べて、特に高い項目と低い項目を並べています。

全職業の平均より高い

全職業の平均より低い:空調のきいた屋内作業、ビジネスレターやメモの作成、他者と調整し、リードする

勤務のスケジュール:規則的 46%、不規則 46%、季節的 8%

出典厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)「職業情報データベース 簡易版数値系ダウンロードデータ ver.7.00」仕事の性質(2023年度、その職業に就いている人へのWebアンケート)

計算「仕事の性質」は回答の平均(値はおおむね1〜5の範囲)で、棒の縦線はjob tagの全職業(518職業)の平均。平均との差が0.3以上の項目を、差の大きい順に高いもの最大6つ・低いもの最大3つ。勤務のスケジュールは回答者の割合。

一般的な就業形態

この職業の一般的な就業形態として、job tag の就業者調査で選ばれた割合です。複数回答のため、合計は100%を超えます。回答した人の数が少ない職業もあるため、目安として見てください。

禄高(給与)

この職業に対応する賃金統計の区分がないため、給与のデータは表示していません。

需要と将来性

より広い職種の数値求人倍率は「自動車運転従事者」全体の数値です。

2025年の有効求人倍率は2.61倍です。仕事を探している人1人に対して、2.6件の求人がある状態で、人手が足りない側に傾いています。2023年からの推移を見ると、大きくは変わっていません。

有効求人倍率の推移

ハローワークを通じた求人・求職の数から計算した値で、民間の求人サイトの求人は含みません(パートタイムを含む常用)。

就業者数の推移

より広い職種の数値就業者数は「自動車運転従事者」全体の数値です。

2020年の就業者数は1,445,820人です(うち女性4%)。2010年と比べると-6%減っています。

国勢調査は5年ごとの調査です。会社員だけでなく、自営業や家族で営む仕事の人も含みます。 そのため、給与の統計(企業規模10人以上の会社などで働く人)とは対象が違います。

年齢別の就業者数(2020年)

「自動車運転従事者」全体の数値です。5歳ごとの年齢層では、50~54歳がいちばん多くなっています(70歳以上はまとめているため除く)。30歳未満は4%で、働く人全体(15%)より少なくなっています。60歳以上は35%で、働く人全体(24%)より多くなっています。

国勢調査の就業者数で、雇われて働く人のほか、自営業や家族で営む仕事の人も含みます。70歳以上はまとめています。

出典総務省統計局「国勢調査」2020年 抽出詳細集計「男女,年齢(5歳階級),職業(小分類)別就業者数(15歳以上就業者)」 / 総務省統計局「国勢調査」2010〜2020年 2020年 抽出詳細集計「男女,従業上の地位,職業(小分類)別就業者数(15歳以上)」(それ以前は同じ区分で集計された時系列データ)

計算年齢(5歳階級)の就業者数を、賃金の統計の年齢階級に合わせて「〜19歳」から「70歳〜」にまとめた。割合は5歳階級の合計に対する割合でrokudakaが計算。働く人全体は国勢調査の「総数」で、差が5ポイント未満は「同じくらい」。

働き方の内訳(2020年)

雇われて働く人(正社員・派遣・パートなど)92%1,324,700人
会社などの役員2%28,400人
事業主(人を雇っている)1%9,180人
事業主(一人で)(開業・フリーランスなど)4%60,670人
家族従業者・内職など1%未満3,940人
不詳1%18,930人

出典総務省統計局「国勢調査」2020年 抽出詳細集計「男女,従業上の地位,職業(小分類)別就業者数(15歳以上)」

計算割合は従業上の地位別の就業者数を総数で割ってrokudakaが計算。「家族従業者・内職など」は家族従業者と家庭内職者の合計。

必要なスキル・知識

全職業の平均と比べて特に求められるスキルは、保守点検、計器監視、故障等の原因特定です。 知識では輸送、化学、地理学が特徴的です。

スキル(全職業の平均との差が大きい8項目)

知識(全職業の平均との差が大きい8項目)

水準はスキルが0〜7程度、知識が0〜5程度で、数字が大きいほどその仕事で高いレベルが求められることを表します。

なり方・学び方

入職に当たって、特に学歴は問われないが、タンクローリー車は大型車が多いため大型自動車運転免許が必要となる場合が多く、その他に車両総重量が750㎏を超える貨物トレーラー荷物車両を連結して移動する場合の運転では牽引免許も必要となる。また、引火性液体、毒物・劇物、高圧ガス等移送の取扱物により、危険物取扱者(乙種第四類、丙種等)、毒物劇物取扱責任者、高圧ガス製造保安責任者又は高圧ガス移動監視者等の資格が必要となる。

新卒で入社する場合もあるが、中途採用も多い。ハローワークや求人広告での求人を通じて採用された後、一定期間を試用または見習い期間として過ごし、訓練を受ける。

初任運転者に対しては国土交通省告示により、実際にトラックに乗っての指導と、積荷の搭載方法や日常点検の方法、トラックの構造の特性などの座学の研修が義務付けられている。職場の各管理者、作業指揮者などから実務知識、就業規則などの講習、接客や作業の技術などを学んだ後、運転業務に従事する。

中途採用の場合でも、各種免許資格の取得を支援する企業も多く、入社後に大型免許、牽引免許や危険物取扱者等の資格を取得する場合もある。

運転業務の経験を積んだ後、内勤職となり、運行管理者(国家資格)の資格を取得してドライバーを管理する配車担当となり、その後、管理者から所長等管理職となる場合もある。

基本的に運転には集中力が必要でこれを持続できること、同時に環境の異変に対しこれを直ちに認識し、迅速・的確な対応をとることが必要である。社会に不可欠なインフラを支える実感を得られる魅力がある一方、危険物を取り扱うので安全面の配慮の徹底と職務遂行の正確性が勤務姿勢に特に求められる。

また、夜間運行の場合もあり、健康管理が大切となる。配送先との接遇の機会もあるので、清潔な服装、真摯な応対などに心がける必要がある。

関連する資格

資格の詳細ページでは、受験資格・受験料などを試験の実施団体などの公式情報をもとに、出典と確認日つきでまとめています。講座の情報は準備中です。

関連団体

スキルが近い職業

スキル・知識の傾向が似ている職業です。必要なスキルの重なりが大きいほど、転職のときに経験を活かしやすいと考えられます。

出典厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)「職業情報データベース 簡易版数値系ダウンロードデータ ver.7.00」スキル(2021年度、その職業に就いている人へのWebアンケート) / 厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)「職業情報データベース 簡易版数値系ダウンロードデータ ver.7.00」知識(2023年度、その職業に就いている人へのWebアンケート)

計算スキル39項目・知識33項目の水準を、job tagの全職業の中での位置(標準化した値)に直し、職業ごとの全体の高さの差を除いてから傾向の近さ(コサイン類似度)をrokudakaが計算。このサイトに掲載している職業の中から近い順に5件。

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出典と注意

使っている統計について

賃金構造基本統計調査(e-Stat)
厚生労働省が毎年行う基幹統計(統計法で特に重要と定められた統計)です。 事業所が、働いている人ごとの給与を記入する調査で、職種・年齢・企業規模などの区分ごとの給与がわかる国の代表的な賃金統計です。 このサイトの数値の範囲は一般労働者(短時間労働者を除く)、企業規模10人以上です。
職業安定業務統計(一般職業紹介状況)(e-Stat)
厚生労働省が、全国のハローワークで受け付けた求人と求職の数を集計した業務統計です。 民間の求人サイトや人材紹介会社の求人は含みません。
国勢調査(e-Stat)
「国勢調査は、日本に住んでいるすべての人及び世帯を対象とする国の最も重要な統計調査で、国内の人口や世帯の実態を明らかにするため、5年ごとに行われます。」 (総務省統計局「令和2年国勢調査に関するQ&A」問1-1) 職業別の就業者数は、調査票の一部を抽出して集計した推計値です(抽出詳細集計)。 範囲は15歳以上の就業者(雇用者のほか、自営業主・家族従業者などを含む)です。
厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)(ダウンロードページ)
厚生労働省の職業情報サイトです。スキル・知識・タスクの数値は、独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)がその職業に就いている人へのアンケートで集めたものです。

データの対応関係

数字の見方

数字の計算方法や読み方は「統計の読み方」にまとめています。

独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)作成『職業情報データベース 簡易版数値系ダウンロードデータ ver.7.00』職業情報提供サイト(job tag)より2026年10月30日にダウンロード(https://shigoto.mhlw.go.jp/User/download)、『職業情報データベース 解説系ダウンロードデータ ver.7.01』職業情報提供サイト(job tag)より2026年10月30日にダウンロード(https://shigoto.mhlw.go.jp/User/download)を加工して作成