検疫官(看護師)

国際線の発着がある空港や港湾で、海外からの入国者・帰国者に対する検疫、感染症を媒介する動物の捕獲調査、国際航行する船舶内の衛生状態の確認等を行い、海外からの感染症の流入やまん延を防ぐ。

タグの基準(job tag の就業者調査から、全職業の上位・下位20%などでrokudakaが判定)

サマリー

年収の目安
—
データなし対応する統計なし
有効求人倍率
—
データなし対応する統計なし
就業者数
1,385,950人
2020年より広い職種の数値

出典総務省統計局「国勢調査」2010〜2020年 2020年 抽出詳細集計「男女,従業上の地位,職業(小分類)別就業者数(15歳以上)」(それ以前は同じ区分で集計された時系列データ)

数字で見る検疫官(看護師)

どんな仕事か

国際線の発着がある空港や港湾で、海外からの入国者・帰国者に対する検疫、感染症を媒介する動物の捕獲調査、国際航行する船舶内の衛生状態の確認等を行い、海外からの感染症の流入やまん延を防ぐ。

厚生労働省所管の検疫所には、検疫官(看護師)のほか、検疫医療専門職(医師)や一般職(事務官)、食品衛生監視員といったさまざまな職種がおり、互いに連携しながら業務にあたっている。その中で、検疫官(看護師)は、主に検疫業務と港湾衛生業務を担当している。

検疫業務には、すべての入国者・帰国者の健康状態の確認や体調に異状がある人への対応業務がある。入国者・帰国者が感染症にり患しているかどうかは、サーモグラフィにおける発熱の確認、目視での観察や問診、触診等から総合的に判断する。また、入国・帰国時には、体調に異状のある人だけではなく、体調に心配がある人からの健康相談も対応している。また、ポスターやリーフレット、ホームページなどで感染症に関する情報発信も行っている。電話による相談対応では、帰国して時間が経ってからの体調不良に関することや、これから渡航する国の衛生状態や感染症の流行状況、渡航前に必要な予防接種の種類等の相談を受けることが多い。感染症に関する情報発信は検疫所内等で常時行っているだけでなく、空港・港湾で開催されるイベント等への出展によっても実施している。なお、一部の検疫所では検疫官(看護師)が海外渡航者に対する黄熱等の予防接種の補助を行っている。

港湾衛生業務には、空港や港湾内において、蚊やねずみを捕獲する業務がある。これには外来種や新たな病原体の侵入を防ぐという目的がある。捕獲だけでなく、捕獲した蚊やねずみの種類や保有している病原体の同定に関わることもある。国際航行する船舶内の衛生状態の確認も重要な業務である。入国時に提出された書類審査が中心ではあるが、法令に基づく定期検査等の場合には乗船し、船舶内の衛生状態を確認する。担当業務にもよるが、空港・港湾勤務ともに入国前の書類審査をはじめとした事務処理業務は多い。

新型コロナウイルスによるパンデミックの際には、検疫を強化し対応していた。政府からの指示や情報が短期間で更新され、その内容を即時に理解し対応する必要があり苦労を要した。平常時も、感染症のまん延状況等は日々変化しているため、海外の状況等最新情報を確認することや、感染症の知識を深めるため自ら学習する必要がある。一方、日々研鑽してきた訓練や学習を活かし、体調に異状のある人への対応を適切に行えた時は成果を感じる。また、他職種の職員たちと円滑なコミュニケーションが図れ、チームワークを発揮できた時には、達成感を感じる。

よく使う道具・機材・情報技術

2024年度時点の情報

サーモグラフィ、体温計(腋下式、非接触式)、事務処理ソフト(文書作成、表計算、プレゼンテーション)、官用車(患者を搬送したり、空港および港湾内を移動したりするための自動車)、注射器、黄熱ワクチン、翻訳ツール

主なタスク

job tagの就業者調査で重要度が高いとされたもの。実施率は、そのタスクを行っていると答えた人の割合です。

タスク実施率
感染症にり患していないか、サーモグラフィにおける発熱の確認、目視での観察や問診、触診等から総合的に判断する。100%
体調に異状がある入国者・帰国者に問診や触診を行う。100%
入国時に航空機や船舶から提出された書類の審査を行う。100%
すべての入国者・帰国者の健康状態を確認する。98%
国際航行する船舶に乗船し、船舶内の衛生状態を確認する。92%
出入国者からの感染症や体調に関する相談に対応する。98%
空港や港湾内で蚊やねずみを捕獲する。100%
すべての入国者・帰国者を対象にサーモグラフィを使って発熱がないか確認する。98%

労働条件の特徴

勤務地は、検疫法で定められた主要な港湾および空港に設置された検疫所(本所・支所・出張所111カ所(2025年4月現在))であり、全国転勤を伴う。すべての検疫所に検疫官(看護師)が常駐しているわけではないため、一部は近隣の主要な検疫所から出張して業務にあたることもある。また、厚生労働省本省での勤務や外務省へ出向し在外大使館で勤務することもある。

2025年現在、検疫官(看護師)は全国に約250名(検疫所全体の職員数は約1400名)が勤務している。成田空港や羽田空港等の大規模国際空港の検疫所には、30名程度と比較的多い人数が配置されている。一方、地方の出張所の中には検疫官(看護師)が1名(職員全体でも5名程度)という所もある。入職直後はまず検疫官(看護師)の配置人員が多い検疫所に配置される。その後は、2、3年ごとにある異動のタイミングで他の検疫所に異動する。

検疫官(看護師)の男女割合は1:3と女性が多く、一般職(事務官)等を含む検疫所職員全体では4:3程度の割合で男性がやや多い。検疫官(看護師)の入職者の年齢層は幅広く、主に30歳代~40歳代が多く在籍している。

勤務時間や給与、福利厚生は国家公務員の規定による。港湾の多くは平日の日勤が中心であるが、国際便の発着が多い空港や港湾では、24時間2交代または3交代のシフト制である。その場合、週休日は4週8休になるよう調整されている。

現在では訪日外国人の人数がパンデミック以前の水準を上回り、対応する件数や業務量も増加傾向にある。そのような中でも検疫官(看護師)は日々研鑽を積み、感染症の流入やまん延を防ぐという重要な使命を果たしている。今後も出入国者のさらなる増加が見込まれており、検疫官(看護師)の役割はますます重要なものになると考えられる。

働く環境の特徴

job tag の就業者調査で、この職業の人が答えた「仕事の性質」です。全職業の平均と比べて、特に高い項目と低い項目を並べています。

全職業の平均より高い

全職業の平均より低い:モノ、道具、制御装置を扱う手作業、競争水準、立ち作業

勤務のスケジュール:規則的 64%、不規則 36%、季節的 0%

出典厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)「職業情報データベース 簡易版数値系ダウンロードデータ ver.7.00」仕事の性質(2025年度、その職業に就いている人への調査(直接依頼))

計算「仕事の性質」は回答の平均(値はおおむね1〜5の範囲)で、棒の縦線はjob tagの全職業(518職業)の平均。平均との差が0.3以上の項目を、差の大きい順に高いもの最大6つ・低いもの最大3つ。勤務のスケジュールは回答者の割合。

一般的な就業形態

この職業の一般的な就業形態として、job tag の就業者調査で選ばれた割合です。複数回答のため、合計は100%を超えます。回答した人の数が少ない職業もあるため、目安として見てください。

禄高(給与)

この職業に対応する賃金統計の区分がないため、給与のデータは表示していません。

需要と将来性

この職業に対応する求人倍率の区分がないため、表示していません。

就業者数の推移

より広い職種の数値就業者数は「看護師(准看護師を含む)」全体の数値です。

2020年の就業者数は1,385,950人です(うち女性92%)。2010年と比べると+15%増えています。

国勢調査は5年ごとの調査です。会社員だけでなく、自営業や家族で営む仕事の人も含みます。 そのため、給与の統計(企業規模10人以上の会社などで働く人)とは対象が違います。

年齢別の就業者数(2020年)

「看護師(准看護師を含む)」全体の数値です。5歳ごとの年齢層では、45~49歳がいちばん多くなっています(70歳以上はまとめているため除く)。30歳未満は17%で、働く人全体(15%)と同じくらいです。60歳以上は13%で、働く人全体(24%)より少なくなっています。

国勢調査の就業者数で、雇われて働く人のほか、自営業や家族で営む仕事の人も含みます。70歳以上はまとめています。

出典総務省統計局「国勢調査」2020年 抽出詳細集計「男女,年齢(5歳階級),職業(小分類)別就業者数(15歳以上就業者)」 / 総務省統計局「国勢調査」2010〜2020年 2020年 抽出詳細集計「男女,従業上の地位,職業(小分類)別就業者数(15歳以上)」(それ以前は同じ区分で集計された時系列データ)

計算年齢(5歳階級)の就業者数を、賃金の統計の年齢階級に合わせて「〜19歳」から「70歳〜」にまとめた。割合は5歳階級の合計に対する割合でrokudakaが計算。働く人全体は国勢調査の「総数」で、差が5ポイント未満は「同じくらい」。

働き方の内訳(2020年)

雇われて働く人(正社員・派遣・パートなど)99%1,365,900人
会社などの役員1%未満5,750人
事業主(人を雇っている)1%未満630人
事業主(一人で)(開業・フリーランスなど)1%未満240人
家族従業者・内職など1%未満4,480人
不詳1%8,960人

出典総務省統計局「国勢調査」2020年 抽出詳細集計「男女,従業上の地位,職業(小分類)別就業者数(15歳以上)」

計算割合は従業上の地位別の就業者数を総数で割ってrokudakaが計算。「家族従業者・内職など」は家族従業者と家庭内職者の合計。

必要なスキル・知識

全職業の平均と比べて特に求められるスキルは、外国語で話す、外国語を読む、外国語を聞くです。 知識では医学・歯学、法律学、政治学、教育訓練が特徴的です。

スキル(全職業の平均との差が大きい8項目)

知識(全職業の平均との差が大きい8項目)

水準はスキルが0〜7程度、知識が0〜5程度で、数字が大きいほどその仕事で高いレベルが求められることを表します。

なり方・学び方

検疫官(看護師)の入職にあたっては、看護師を養成する教育機関を卒業・修了し看護師の国家資格を取得した上で、医療機関での3年以上の臨床経験を要する。また、空港や港湾内の移動および患者の搬送等に官用車を運転する必要があるため普通自動車免許の保有が求められる。

採用情報は、厚生労働省ホームページに掲載されているが、ハローワーク、民間が運営する看護師向け求人サイト等への情報掲載も行われている。全国転勤を伴う無期雇用の常勤職員だけでなく、配属先が限定された任期付職員の募集を行う場合もある。常勤職員、任期付職員ともに国家公務員として採用される。

入職後の研修は、配属された検疫所内での現任教育のほか、毎年4月には厚生労働省本省による1週間程度の初任者研修を実施している。研修を経て入職3か月後に「検疫官」として配属されるが、一通りの業務ができるようになったとしても、質の高い業務の遂行には知識や技術のさらなる研鑽が必要となる。厚生労働省本省企画の研修には若手職員向け研修や管理職向け研修等、キャリアに応じた研修が用意されている。空港・港湾両方の業務に精通するよう育成を行っているため、配属はどちらかに偏らないよう調整されている。また、外部の研修会や学会への参加を通して感染症の知識を深めることもできる。

業績による人事評価に基づき、主任看護師、看護師長、空港検疫看護管理官といった職位への昇進機会がある。

検疫官(看護師)には看護に関する基礎的知識や技術に加え、海外の生活習慣や文化への深い理解、公衆衛生に関する知見、他職種の職員と協力して対応するための協調性、そして、国民の健康を守るために働くという国家公務員としての自覚と責任感が求められる。また、検疫所では事務作業も多いため、パソコンでの文書作成やプレゼン資料の作成等の事務処理能力も有していることが望ましい。

関連する資格

資格の詳細ページでは、受験資格・受験料などを試験の実施団体などの公式情報をもとに、出典と確認日つきでまとめています。講座の情報は準備中です。

関連団体

スキルが近い職業

スキル・知識の傾向が似ている職業です。必要なスキルの重なりが大きいほど、転職のときに経験を活かしやすいと考えられます。

出典厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)「職業情報データベース 簡易版数値系ダウンロードデータ ver.7.00」スキル(2025年度、その職業に就いている人への調査(直接依頼)) / 厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)「職業情報データベース 簡易版数値系ダウンロードデータ ver.7.00」知識(2025年度、その職業に就いている人への調査(直接依頼))

計算スキル39項目・知識33項目の水準を、job tagの全職業の中での位置(標準化した値)に直し、職業ごとの全体の高さの差を除いてから傾向の近さ(コサイン類似度)をrokudakaが計算。このサイトに掲載している職業の中から近い順に5件。

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出典と注意

使っている統計について

賃金構造基本統計調査(e-Stat)
厚生労働省が毎年行う基幹統計(統計法で特に重要と定められた統計)です。 事業所が、働いている人ごとの給与を記入する調査で、職種・年齢・企業規模などの区分ごとの給与がわかる国の代表的な賃金統計です。 このサイトの数値の範囲は一般労働者(短時間労働者を除く)、企業規模10人以上です。
職業安定業務統計(一般職業紹介状況)(e-Stat)
厚生労働省が、全国のハローワークで受け付けた求人と求職の数を集計した業務統計です。 民間の求人サイトや人材紹介会社の求人は含みません。
国勢調査(e-Stat)
「国勢調査は、日本に住んでいるすべての人及び世帯を対象とする国の最も重要な統計調査で、国内の人口や世帯の実態を明らかにするため、5年ごとに行われます。」 (総務省統計局「令和2年国勢調査に関するQ&A」問1-1) 職業別の就業者数は、調査票の一部を抽出して集計した推計値です(抽出詳細集計)。 範囲は15歳以上の就業者(雇用者のほか、自営業主・家族従業者などを含む)です。
厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)(ダウンロードページ)
厚生労働省の職業情報サイトです。スキル・知識・タスクの数値は、独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)がその職業に就いている人へのアンケートで集めたものです。

データの対応関係

数字の見方

数字の計算方法や読み方は「統計の読み方」にまとめています。

独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)作成『職業情報データベース 簡易版数値系ダウンロードデータ ver.7.00』職業情報提供サイト(job tag)より2026年10月30日にダウンロード(https://shigoto.mhlw.go.jp/User/download)、『職業情報データベース 解説系ダウンロードデータ ver.7.01』職業情報提供サイト(job tag)より2026年10月30日にダウンロード(https://shigoto.mhlw.go.jp/User/download)を加工して作成