労働基準監督官
労働条件の確保・向上と働く人の安全や健康の確保を図るため、法令に基づいて、さまざまな職場に立ち入り、事業主に対し法令遵守のため必要な行政指導等を行う。
サマリー
数字で見る労働基準監督官
- 就業者数は2010年から+38%で、働く人全体(−3%)より伸びています(「他に分類されない専門的職業従事者」全体の数値)。
- 働く人のうち女性は41%で、働く人全体(45%)と同じくらいです(「他に分類されない専門的職業従事者」全体の数値)。
- 雇われて働く人は65%で、働く人全体(82%)より、事業主や役員として働く人の多い職業です(「他に分類されない専門的職業従事者」全体の数値)。
- 全職業の平均と比べて特に高いスキルは、「説得」「傾聴力」「論理と推論(批判的思考)」です。
出典総務省統計局「国勢調査」2010〜2020年 2020年 抽出詳細集計「男女,従業上の地位,職業(小分類)別就業者数(15歳以上)」(それ以前は同じ区分で集計された時系列データ) / 総務省統計局「国勢調査」2020年 抽出詳細集計「男女,従業上の地位,職業(小分類)別就業者数(15歳以上)」 / 総務省統計局「国勢調査」2020年 抽出詳細集計「男女,年齢(5歳階級),職業(小分類)別就業者数(15歳以上就業者)」 / 厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)「職業情報データベース 簡易版数値系ダウンロードデータ ver.7.00」スキル(2023年度、その職業に就いている人への調査(直接依頼))
計算働く人全体は国勢調査の「総数」(2020年)。増減率・女性の割合の差が5ポイント未満は「同じくらい」。年齢構成は、60歳以上・30歳未満の割合が全体より10ポイント以上多いときに記載。スキルは、全職業の平均との差が大きい順。
どんな仕事か
労働基準監督官は、労働条件の確保・向上と働く人の安全や健康の確保を図るため、労働基準関係法令に基づいて、さまざまな職場に立ち入り、事業主に対し法令遵守のため必要な行政指導等を行う。また、労働災害にあった人に対する労災補償の業務も行う。
具体的には、大きく分けて、監督指導業務、司法警察業務、安全衛生業務、労災補償業務の4つの業務がある。
○ 監督指導業務は、労働基準法、労働安全衛生法などの法律に基づき、定期的にあるいは働く人からの相談などを契機として、事業場に立ち入り、機械・設備や帳簿などを検査して、労働条件について調査を行う。法違反が認められた場合には、事業主に対しその改善を指導するほか、危険性の高い機械・設備などに対して使用停止などを命ずる行政処分を行う。
○ 司法警察業務は、監督指導の結果、認められた法違反を是正しないなど、重大・悪質な事案については、司法警察官として、刑事訴訟法に基づき、取調べなどの任意捜査や、捜索・差押え、逮捕などの強制捜査を行い、検察庁に送検する。
○ 安全衛生業務は、労働安全衛生の専門的知識を生かして、働く人の安全と健康を確保するための措置が講じられるよう事業場への指導などを行う。具体的には、クレーンなどの機械の検査や建設工事に関する計画届の審査を行うほか、事業場に立ち入り、労働災害や健康障害が発生するおそれのある状況が認められた場合、事業主に対して改善を指導する。また、労働災害が発生した場合には、原因を究明し、再発防止のための指導を行う。
○ 労災補償業務は、労働者災害補償保険法に基づき、働く人の業務上又は通勤による負傷などに対して、被災者や遺族の請求により、関係者からの聞き取り、実地調査、医学的意見の収集などの必要な調査を行った上で、保険給付のための調査等を行う。
多様な働き方を選択できる社会の実現に向けて働き方改革を推進していくため、適正な労働条件の確保・向上を担う労働基準監督官の役割がますます重要になっている。
よく使う道具・機材・情報技術
2020年度時点の情報job tagの解説はこの年度から更新されていません。現在とは異なる場合があります。
文書作成ソフト(Word、一太郎等)、パソコン
主なタスク
job tagの就業者調査で重要度が高いとされたもの。実施率は、そのタスクを行っていると答えた人の割合です。
| タスク | 実施率 |
|---|---|
| 調査の結果、法違反が認められた場合には、事業主などに対しその是正を促す行政指導を行う。 | 100% |
| 事業場に立ち入り、機械・設備や帳簿などを確認し、関係労働者の労働条件について調査を行う。 | 100% |
| 調査の結果、危険性の高い機械・設備などについて法違反が認められた場合には、使用停止などを命ずる行政処分を行う。 | 100% |
| 重大・悪質な事案については、刑事訴訟法に基づき、取調べなどの任意捜査や、捜索・差押え、逮捕などの強制捜査を行い、検察庁に送検する。 | 100% |
| 労働災害が発生した場合には、原因を究明し、再発防止のための指導を行う。 | 100% |
| 電話や来署による労働条件等に関する相談や、労働基準法等の法制度の問合せなどに対応する。 | 100% |
| 労働災害や健康障害が発生するおそれのある状況が認められた場合には、事業主に対して改善するよう指導などを行う。 | 100% |
| 働く人の業務上又は通勤による負傷などに対して、関係者からの聞き取り、実地調査、医学的意見の収集などの必要な調査を行った上で、保険給付を行う。 | 85% |
出典厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)「職業情報データベース 簡易版数値系ダウンロードデータ ver.7.00」タスク(2023年度、その職業に就いている人への調査(直接依頼))
計算重要度の高い順に最大8件を表示。
労働条件の特徴
主に採用された労働局及び管内の労働基準監督署(全国で321署)で勤務する。
本人の希望に応じて、採用後3年目以降、厚生労働本省で勤務する場合もある。
給与、休暇等の労働条件は国家公務員法の規定による。
勤務時間・休日は原則として1週当たりの勤務時間は38時間45分(週休2日制)であり、1日7時間45分の勤務である。国家公務員であるので、国家公務員等共済組合に加入し、各種の福利厚生制度や年金制度の適用を受ける。
働く環境の特徴
job tag の就業者調査で、この職業の人が答えた「仕事の性質」です。全職業の平均と比べて、特に高い項目と低い項目を並べています。
全職業の平均より高い
全職業の平均より低い:モノ、道具、制御装置を扱う手作業、機器等の速度に応じた作業、反復作業
勤務のスケジュール:規則的 55%、不規則 40%、季節的 5%
出典厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)「職業情報データベース 簡易版数値系ダウンロードデータ ver.7.00」仕事の性質(2023年度、その職業に就いている人への調査(直接依頼))
計算「仕事の性質」は回答の平均(値はおおむね1〜5の範囲)で、棒の縦線はjob tagの全職業(518職業)の平均。平均との差が0.3以上の項目を、差の大きい順に高いもの最大6つ・低いもの最大3つ。勤務のスケジュールは回答者の割合。
一般的な就業形態
この職業の一般的な就業形態として、job tag の就業者調査で選ばれた割合です。複数回答のため、合計は100%を超えます。回答した人の数が少ない職業もあるため、目安として見てください。
禄高(給与)
この職業に対応する賃金統計の区分がないため、給与のデータは表示していません。
需要と将来性
この職業に対応する求人倍率の区分がないため、表示していません。
就業者数の推移
より広い職種の数値就業者数は「他に分類されない専門的職業従事者」全体の数値です。
国勢調査は5年ごとの調査です。会社員だけでなく、自営業や家族で営む仕事の人も含みます。 そのため、給与の統計(企業規模10人以上の会社などで働く人)とは対象が違います。
出典総務省統計局「国勢調査」2010〜2020年 2020年 抽出詳細集計「男女,従業上の地位,職業(小分類)別就業者数(15歳以上)」(それ以前は同じ区分で集計された時系列データ)
計算調査票の一部を抽出して集計した推計値(10人単位)。増減率は2010年と2020年の値からrokudakaが計算。
年齢別の就業者数(2020年)
「他に分類されない専門的職業従事者」全体の数値です。5歳ごとの年齢層では、45~49歳がいちばん多くなっています(70歳以上はまとめているため除く)。30歳未満は13%で、働く人全体(15%)と同じくらいです。60歳以上は24%で、働く人全体(24%)と同じくらいです。
国勢調査の就業者数で、雇われて働く人のほか、自営業や家族で営む仕事の人も含みます。70歳以上はまとめています。
出典総務省統計局「国勢調査」2020年 抽出詳細集計「男女,年齢(5歳階級),職業(小分類)別就業者数(15歳以上就業者)」 / 総務省統計局「国勢調査」2010〜2020年 2020年 抽出詳細集計「男女,従業上の地位,職業(小分類)別就業者数(15歳以上)」(それ以前は同じ区分で集計された時系列データ)
計算年齢(5歳階級)の就業者数を、賃金の統計の年齢階級に合わせて「〜19歳」から「70歳〜」にまとめた。割合は5歳階級の合計に対する割合でrokudakaが計算。働く人全体は国勢調査の「総数」で、差が5ポイント未満は「同じくらい」。
働き方の内訳(2020年)
| 雇われて働く人(正社員・派遣・パートなど) | 65% | 202,210人 |
|---|---|---|
| 会社などの役員 | 8% | 24,260人 |
| 事業主(人を雇っている) | 2% | 7,570人 |
| 事業主(一人で)(開業・フリーランスなど) | 23% | 72,380人 |
| 家族従業者・内職など | 1% | 1,680人 |
| 不詳 | 1%未満 | 1,000人 |
出典総務省統計局「国勢調査」2020年 抽出詳細集計「男女,従業上の地位,職業(小分類)別就業者数(15歳以上)」
計算割合は従業上の地位別の就業者数を総数で割ってrokudakaが計算。「家族従業者・内職など」は家族従業者と家庭内職者の合計。
必要なスキル・知識
全職業の平均と比べて特に求められるスキルは、説得、傾聴力、論理と推論(批判的思考)です。 知識では法律学、政治学、人事労務管理、日本語の語彙・文法が特徴的です。
スキル(全職業の平均との差が大きい8項目)
知識(全職業の平均との差が大きい8項目)
水準はスキルが0〜7程度、知識が0〜5程度で、数字が大きいほどその仕事で高いレベルが求められることを表します。
出典厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)「職業情報データベース 簡易版数値系ダウンロードデータ ver.7.00」スキル(2023年度、その職業に就いている人への調査(直接依頼)) / 厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)「職業情報データベース 簡易版数値系ダウンロードデータ ver.7.00」知識(2023年度、その職業に就いている人への調査(直接依頼))
計算「全職業の平均」は、job tagで数値のある全職業(最大518職業)の単純平均をrokudakaが計算。表示する8項目は、この職業の値と全職業の平均との差が大きい順。
なり方・学び方
労働基準監督官採用試験に合格する必要がある。試験年の4月1日現在において21歳以上30歳未満の者、もしくは試験年の4月1日現在において21歳未満であって大学を卒業した者(見込みを含む)もしくはそれと同等の資格があると人事院が認める者が試験を受験できる。試験は、労働基準監督A(法文系)と労働基準監督B(理工系)の区分がある。試験に合格後、採用を希望する都道府県労働局において採用面接を受ける。
2025年度試験の採用予定者数は労働基準監督A(法文系)が約150人、労働基準監督B(理工系)が約40人である。
採用後は、1年間、労働大学校や労働局・労働基準監督署において、監督指導業務や司法警察業務などに関する基礎的研修及び実地訓練を受けた後、採用された労働局管内の労働基準監督署に勤務しながら、第一線の業務を通じて専門的知識を習得する。
その後、能力・適性等に応じて、労働基準監督署の課長や署長として勤務し、組織の責任者・管理者としての役割を担うことになる。
労働基準関係法令はもちろん関連分野の法令知識も必要となる。頻繁に改正される法令を正確に理解し指導等を行うため常に学び続ける姿勢が求められる。また、事実を積み上げていく地道な作業に取り組む粘り強さ、集中力、証拠に基づく冷静な判断力も重要である。さらに、労使双方とコミュニケーションを取る場面も多く、公正中立な立場かつ丁寧なコミュニケーション能力も求められる。
スキルが近い職業
スキル・知識の傾向が似ている職業です。必要なスキルの重なりが大きいほど、転職のときに経験を活かしやすいと考えられます。
- 検察事務官年収の目安 —労働基準監督官とくらべる →
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出典厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)「職業情報データベース 簡易版数値系ダウンロードデータ ver.7.00」スキル(2023年度、その職業に就いている人への調査(直接依頼)) / 厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)「職業情報データベース 簡易版数値系ダウンロードデータ ver.7.00」知識(2023年度、その職業に就いている人への調査(直接依頼))
計算スキル39項目・知識33項目の水準を、job tagの全職業の中での位置(標準化した値)に直し、職業ごとの全体の高さの差を除いてから傾向の近さ(コサイン類似度)をrokudakaが計算。このサイトに掲載している職業の中から近い順に5件。
出典と注意
- 職業情報提供サイト(job tag)「仕事内容、タスク、スキル・知識、関連資格」数値系 ver.7.00・解説系 ver.7.01
- 国勢調査「職業(小分類)別就業者数(e-Stat)」2020年(推移は2010〜2020年)
使っている統計について
- 賃金構造基本統計調査(e-Stat)
- 厚生労働省が毎年行う基幹統計(統計法で特に重要と定められた統計)です。 事業所が、働いている人ごとの給与を記入する調査で、職種・年齢・企業規模などの区分ごとの給与がわかる国の代表的な賃金統計です。 このサイトの数値の範囲は一般労働者(短時間労働者を除く)、企業規模10人以上です。
- 職業安定業務統計(一般職業紹介状況)(e-Stat)
- 厚生労働省が、全国のハローワークで受け付けた求人と求職の数を集計した業務統計です。 民間の求人サイトや人材紹介会社の求人は含みません。
- 国勢調査(e-Stat)
- 「国勢調査は、日本に住んでいるすべての人及び世帯を対象とする国の最も重要な統計調査で、国内の人口や世帯の実態を明らかにするため、5年ごとに行われます。」 (総務省統計局「令和2年国勢調査に関するQ&A」問1-1) 職業別の就業者数は、調査票の一部を抽出して集計した推計値です(抽出詳細集計)。 範囲は15歳以上の就業者(雇用者のほか、自営業主・家族従業者などを含む)です。
- 厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)(ダウンロードページ)
- 厚生労働省の職業情報サイトです。スキル・知識・タスクの数値は、独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)がその職業に就いている人へのアンケートで集めたものです。
データの対応関係
- 賃金:対応する区分なし
- 求人倍率:対応する区分なし
- 就業者数:「他に分類されない専門的職業従事者」の数値(より広い職種)
- 就業者数は、統計の「他に分類されない専門的職業従事者」の数値です。年収は、対応する統計の区分がないため表示していません。
数字の見方
- 年収の目安:きまって支給する現金給与額 × 12 + 年間賞与その他特別給与額(いずれも平均。一般労働者、企業規模10人以上)。平均値なので、一部の高い人に引っ張られて実感より高く出ることがあります。
- 給与の対象は労働基準法第9条の労働者(雇われて働く人)。事業主は含まず、役員も原則含まない。パート・アルバイトなどの短時間労働者は含みません。
- 月々の給与は、調査した年の6月分の給与です。基本給のほか残業代・通勤手当・家族手当などを含み、税金・社会保険料を差し引く前の額です。
- 賞与は、調査した年の前年1年間(原則1月〜12月)に支払われた額です。
- 用語の定義は厚生労働省の用語の説明と調査の概要によります。
数字の計算方法や読み方は「統計の読み方」にまとめています。
独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)作成『職業情報データベース 簡易版数値系ダウンロードデータ ver.7.00』職業情報提供サイト(job tag)より2026年10月30日にダウンロード(https://shigoto.mhlw.go.jp/User/download)、『職業情報データベース 解説系ダウンロードデータ ver.7.01』職業情報提供サイト(job tag)より2026年10月30日にダウンロード(https://shigoto.mhlw.go.jp/User/download)を加工して作成
2020年の就業者数は309,100人です(うち女性41%)。2010年と比べると+38%増えています。