ファインセラミックス製造技術者

別名:ファインセラミックス製品開発技術者、ファインセラミックス製品製造技術者

ファインセラミックス製品の開発、製造工程や品質の管理を行う。

タグの基準(job tag の就業者調査から、全職業の上位・下位20%などでrokudakaが判定)

サマリー

年収の目安
612万円
2025年・平均より広い職種の数値
有効求人倍率
0.74倍
2025年平均より広い職種の数値
就業者数
79,260人
2020年より広い職種の数値

出典厚生労働省「賃金構造基本統計調査」2025年 一般労働者 職種 第1表「職種(小分類)、性別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額」 / 厚生労働省「職業安定業務統計(一般職業紹介状況)」長期時系列表 第21表「有効求人倍率(パート含む常用)」(2023〜2025年) / 総務省統計局「国勢調査」2010〜2020年 2020年 抽出詳細集計「男女,従業上の地位,職業(小分類)別就業者数(15歳以上)」(それ以前は同じ区分で集計された時系列データ)

計算年収の目安 = きまって支給する現金給与額(月額) × 12 + 年間賞与その他特別給与額。いずれも統計の平均値からrokudakaが計算。

数字で見るファインセラミックス製造技術者

出典厚生労働省「賃金構造基本統計調査」2025年 一般労働者 職種 第1表「職種(小分類)、性別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額」 / 厚生労働省「職業安定業務統計(一般職業紹介状況)」長期時系列表 第21表「有効求人倍率(パート含む常用)」(2023〜2025年) / 総務省統計局「国勢調査」2010〜2020年 2020年 抽出詳細集計「男女,従業上の地位,職業(小分類)別就業者数(15歳以上)」(それ以前は同じ区分で集計された時系列データ) / 総務省統計局「国勢調査」2020年 抽出詳細集計「男女,従業上の地位,職業(小分類)別就業者数(15歳以上)」 / 総務省統計局「国勢調査」2020年 抽出詳細集計「男女,年齢(5歳階級),職業(小分類)別就業者数(15歳以上就業者)」 / 厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)「職業情報データベース 簡易版数値系ダウンロードデータ ver.7.00」スキル(2021年度、その職業に就いている人へのWebアンケート)

計算全職種の平均は、統計に全職種の合計がないため、「不詳」を除く144職種の年収の目安(月額×12+年間賞与、2025年)を労働者数で重み付けしてrokudakaが計算(男女別も同じ方法)。差が3%未満は「ほぼ同じ」。年齢別は推計労働者数1,000人以上の年齢階級だけで比べた。職業全体の有効求人倍率は統計の「職業計」(2025年平均)。差が0.1未満は「同じくらい」。働く人全体は国勢調査の「総数」(2020年)。増減率・女性の割合の差が5ポイント未満は「同じくらい」。年齢構成は、60歳以上・30歳未満の割合が全体より10ポイント以上多いときに記載。スキルは、全職業の平均との差が大きい順。近い職業は下の「スキルが近い職業」と同じ計算で、年収の目安がこの職業より高く、賃金の統計の区分が違うもの。

どんな仕事か

ファインセラミックス製品の開発、製造工程や品質の管理を行う。

ファインセラミックスは、高度に精選・合成された原料粉末を用いて作られた精密なセラミックスで、粘土等の自然素材から作られる陶磁器などのオールドセラミックスとは区別される。金属、プラスチックに比べて、様々な優れた機能を有している材料として、情報通信、自動車、エネルギー、環境、バイオといった基幹産業及び先端産業を支える中核材料である。

主なファインセラミックスの製造工程は、原料調製、成形、焼成、加工である。具体的には、ミルと呼ばれる装置に原料粉末や水などを入れたのち、装置に回転や振動を加えて粒子径や粒子分布を揃える。そこにバインダー(粘結剤)などを添加、混合し、調整したものがスラリーと呼ばれる。スラリーは熱風を発生させる装置(スプレードライヤー)で乾燥され、顆粒状に造粒されたのち、ゴムなどでできた型に詰められ成形される。ファインセラミックスは焼成後非常に固くなるため、焼成前に最終形状に近い形に加工を施す必要がある。その際には、焼成後の変形(収縮)等を考慮して加工をする必要がある。その後、ガス炉や電気炉などで焼成を行い、最終的な加工や点検を行う。

技術者の具体的な業務としては、耐熱性・耐久性・絶縁性などに優れた性質を備えた製品を開発するため、原料の調合や焼成の条件検討のための実験や試作をする。新規原料を使用した製品の研究・開発や、切削・研磨などの加工方法の改良や新しい成形方法を開発する場合もある。

また、ファインセラミックスの特性を評価したり、ファインセラミックス製の部材やデバイスなどの製品の性能を評価する。ファインセラミックス素材の新製品の開発や新しい用途への応用を行う。

製造工程の管理や作業の技術的な指導・監督、製造現場でのコスト低減、省エネ、環境対策の指導をする技術者もいる。

よく使う道具・機材・情報技術

2019年度時点の情報job tagの解説はこの年度から更新されていません。現在とは異なる場合があります。

ミル、スプレードライヤー、ガス炉、電気炉、CADシステム、表計算ソフト(Excel、Googleスプレッドシート等)、パソコン

主なタスク

job tagの就業者調査で重要度が高いとされたもの。実施率は、そのタスクを行っていると答えた人の割合です。

タスク実施率
原料の調合や焼成の条件検討のための実験や試作をする。85%
耐熱性・耐久性・絶縁性などに優れた性質を備えた製品を開発する。85%
製造技術を守るために知財管理をする。74%
ファインセラミックス製の部材やデバイスなどの製品の性能を評価する。87%
導電性、熱伝導率、硬度など、ファインセラミックスの特性を評価する。82%
切削・研磨などの加工方法の改良や新しい成形方法の開発をする。77%
新規原料を使用した製品の研究・開発をする。80%
原材料の選択や製造工程に関する指針を作成する。72%

労働条件の特徴

勤務先は、大半がセラミックスメーカーであるが、その他にも電気、情報通信、機械、重工、自動車メーカーなどにも素材としてのファインセラミックスを開発、評価する部門があり、職場は全国に広がっている。特にセラミックスメーカーは陶磁器産業の盛んな東海地区、九州地区、関西地区などに多い(*1)。

就業者は、男性が多いが、女性も増えている。ほとんどは正社員である。

賃金、労働時間等労働条件は、勤務先の規定による。開発・設計技術者は、空調設備の整った室内で作業をする。生産技術者は工場勤務がほとんどで連続操業のため、交替制勤務の場合もある。

これまでの日本のファインセラミックス産業はエレクトロニクス、自動車分野に広がっていたが、医療分野や環境分野での多様な開発が進められている。

*1 岐阜県産業振興センター「陶磁器産業平成30年度」から

働く環境の特徴

job tag の就業者調査で、この職業の人が答えた「仕事の性質」です。全職業の平均と比べて、特に高い項目と低い項目を並べています。

全職業の平均より高い

全職業の平均より低い:病気、感染症のリスク、屋外作業、歩行、走行

勤務のスケジュール:規則的 44%、不規則 54%、季節的 3%

出典厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)「職業情報データベース 簡易版数値系ダウンロードデータ ver.7.00」仕事の性質(2023年度、その職業に就いている人へのWebアンケート)

計算「仕事の性質」は回答の平均(値はおおむね1〜5の範囲)で、棒の縦線はjob tagの全職業(518職業)の平均。平均との差が0.3以上の項目を、差の大きい順に高いもの最大6つ・低いもの最大3つ。勤務のスケジュールは回答者の割合。

一般的な就業形態

この職業の一般的な就業形態として、job tag の就業者調査で選ばれた割合です。複数回答のため、合計は100%を超えます。回答した人の数が少ない職業もあるため、目安として見てください。

禄高(給与)

より広い職種の数値統計に「ファインセラミックス製造技術者」だけの区分がないため、「他に分類されない技術者」全体の数値を表示しています。

この年収は、会社などに雇われて働く人の給与です。事業主(開業している人など)の収入は含まず、会社の役員も原則として含みません。

精度の目安標準誤差率 2.07%(統計の全職種の中央値は2.04%)

標準誤差率は、調査の対象に選ばれた事業所によって平均がどのくらいぶれるかの目安です。小さいほど数字が安定しています。

出典厚生労働省「賃金構造基本統計調査」2025年 標準誤差率 誤差率表4「職種(小分類)別所定内給与額及び所定内給与額の標準誤差率(役職者を含む)」

計算誤差率は所定内給与額(残業代・賞与を除く月額、男女計)に対する統計の公表値。中央値は全職種の誤差率からrokudakaが計算。

年収の目安は612万円です (月々の給与40.0万円 × 12か月 + 賞与など132万円)。統計の全144職種の中で31番目に高い水準です。

平均年齢は43.9歳、平均勤続年数は14.7年です。年齢別では55~59歳が最も高く、743万円です。

年収の推移

2023年2024年2025年
554万円573万円612万円

年齢別の年収

白抜きの点と破線は、推計労働者数が1,000人未満の区分です。 人数が少なく平均がぶれやすいため、参考値として見てください。 薄い棒(右の目盛り)は、賃金の統計の推計労働者数です。企業規模10人以上の会社などに雇われて働く人の数で、自営業の人や小さな会社で働く人を含まないため、下の「年齢別の就業者数」(国勢調査)とは対象が違います。

男女別

男634万円
女503万円

女性の年収は男性の79%です。年齢構成や勤続年数の違いも含んだ差です。

企業規模別

1,000人以上674万円
100〜999人577万円
10〜99人549万円

企業規模による差は最大125万円です。

需要と将来性

より広い職種の数値求人倍率は「製造技術者(開発を除く)」全体の数値です。

2025年の有効求人倍率は0.74倍です。求人の数が仕事を探している人の数より少なく、求職者どうしの競争がある状態です。2023年からの推移を見ると、大きくは変わっていません。

有効求人倍率の推移

ハローワークを通じた求人・求職の数から計算した値で、民間の求人サイトの求人は含みません(パートタイムを含む常用)。

就業者数の推移

より広い職種の数値就業者数は「その他の技術者」全体の数値です。

2020年の就業者数は79,260人です(うち女性12%)。2010年と比べると+40%増えています。

国勢調査は5年ごとの調査です。会社員だけでなく、自営業や家族で営む仕事の人も含みます。 そのため、給与の統計(企業規模10人以上の会社などで働く人)とは対象が違います。

年齢別の就業者数(2020年)

「その他の技術者」全体の数値です。5歳ごとの年齢層では、45~49歳がいちばん多くなっています(70歳以上はまとめているため除く)。30歳未満は14%で、働く人全体(15%)と同じくらいです。60歳以上は19%で、働く人全体(24%)と同じくらいです。

国勢調査の就業者数で、雇われて働く人のほか、自営業や家族で営む仕事の人も含みます。70歳以上はまとめています。

出典総務省統計局「国勢調査」2020年 抽出詳細集計「男女,年齢(5歳階級),職業(小分類)別就業者数(15歳以上就業者)」 / 総務省統計局「国勢調査」2010〜2020年 2020年 抽出詳細集計「男女,従業上の地位,職業(小分類)別就業者数(15歳以上)」(それ以前は同じ区分で集計された時系列データ)

計算年齢(5歳階級)の就業者数を、賃金の統計の年齢階級に合わせて「〜19歳」から「70歳〜」にまとめた。割合は5歳階級の合計に対する割合でrokudakaが計算。働く人全体は国勢調査の「総数」で、差が5ポイント未満は「同じくらい」。

働き方の内訳(2020年)

雇われて働く人(正社員・派遣・パートなど)90%71,280人
会社などの役員4%3,370人
事業主(人を雇っている)1%520人
事業主(一人で)(開業・フリーランスなど)5%3,610人
家族従業者・内職など1%未満130人
不詳1%未満350人

出典総務省統計局「国勢調査」2020年 抽出詳細集計「男女,従業上の地位,職業(小分類)別就業者数(15歳以上)」

計算割合は従業上の地位別の就業者数を総数で割ってrokudakaが計算。「家族従業者・内職など」は家族従業者と家庭内職者の合計。

必要なスキル・知識

全職業の平均と比べて特に求められるスキルは、科学的素養、クオリティチェック、カスタマイズと開発です。 知識では化学、工学、物理学が特徴的です。

スキル(全職業の平均との差が大きい8項目)

知識(全職業の平均との差が大きい8項目)

水準はスキルが0〜7程度、知識が0〜5程度で、数字が大きいほどその仕事で高いレベルが求められることを表します。

なり方・学び方

入職にあたって、特に資格は必要とされない。材料開発、製品設計、工程管理までを含む総合的な技術者は、大学、大学院で化学(応用化学を含む)、無機材料、物理(物理工学、応用物理含む)、機械工学、電気・電子工学系の理工学科などを専攻した者が多い。製造工程の技術者には、高校、高専等卒の者もいる。

入職後は、OJTによって指導、育成される。開発・設計部門では、専門をより一層深く極めるために、開発テーマは変わっても部門は変わらない場合が多い。製造現場に配属されると、各工程をローテーションして経験しながら適性を見極め、担当業務が決められる場合が多く、その後、班長、係長、課長等管理職へと昇進していく。

高性能なファインセラミックス部材、デバイスを製造するためには、化学、物理、機械工学、電気・電子工学などに関する専門技術の知識を基にした、材料開発、部品設計及び原料調製、成形、焼成、加工、特性評価などの多工程からなる部品製造技術の知識が不可欠である。

また、開発・設計部門では、海外での業務も増加し、英会話、英文資料読解力及び特許の知識が要求される。また、製造部門でも、海外との技術提携、技術指導などの機会が多く、マネージャーに昇進するにつれて、英語力が必要になってくる。設計部門では、CADシステムが用いられるため、そのスキルも必要となる。

関連団体

スキルが近い職業

スキル・知識の傾向が似ている職業です。必要なスキルの重なりが大きいほど、転職のときに経験を活かしやすいと考えられます。

出典厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)「職業情報データベース 簡易版数値系ダウンロードデータ ver.7.00」スキル(2021年度、その職業に就いている人へのWebアンケート) / 厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)「職業情報データベース 簡易版数値系ダウンロードデータ ver.7.00」知識(2023年度、その職業に就いている人へのWebアンケート)

計算スキル39項目・知識33項目の水準を、job tagの全職業の中での位置(標準化した値)に直し、職業ごとの全体の高さの差を除いてから傾向の近さ(コサイン類似度)をrokudakaが計算。このサイトに掲載している職業の中から近い順に5件。

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出典と注意

使っている統計について

賃金構造基本統計調査(e-Stat)
厚生労働省が毎年行う基幹統計(統計法で特に重要と定められた統計)です。 事業所が、働いている人ごとの給与を記入する調査で、職種・年齢・企業規模などの区分ごとの給与がわかる国の代表的な賃金統計です。 このサイトの数値の範囲は一般労働者(短時間労働者を除く)、企業規模10人以上です。
職業安定業務統計(一般職業紹介状況)(e-Stat)
厚生労働省が、全国のハローワークで受け付けた求人と求職の数を集計した業務統計です。 民間の求人サイトや人材紹介会社の求人は含みません。
国勢調査(e-Stat)
「国勢調査は、日本に住んでいるすべての人及び世帯を対象とする国の最も重要な統計調査で、国内の人口や世帯の実態を明らかにするため、5年ごとに行われます。」 (総務省統計局「令和2年国勢調査に関するQ&A」問1-1) 職業別の就業者数は、調査票の一部を抽出して集計した推計値です(抽出詳細集計)。 範囲は15歳以上の就業者(雇用者のほか、自営業主・家族従業者などを含む)です。
厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)(ダウンロードページ)
厚生労働省の職業情報サイトです。スキル・知識・タスクの数値は、独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)がその職業に就いている人へのアンケートで集めたものです。

データの対応関係

数字の見方

数字の計算方法や読み方は「統計の読み方」にまとめています。

独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)作成『職業情報データベース 簡易版数値系ダウンロードデータ ver.7.00』職業情報提供サイト(job tag)より2026年10月30日にダウンロード(https://shigoto.mhlw.go.jp/User/download)、『職業情報データベース 解説系ダウンロードデータ ver.7.01』職業情報提供サイト(job tag)より2026年10月30日にダウンロード(https://shigoto.mhlw.go.jp/User/download)を加工して作成