介護タクシー運転手

別名:福祉タクシー運転手

介護を必要とする人が車椅子やストレッチャーでそのまま乗車できるように工夫された特別仕様の車両を使用してタクシーサービスを提供する。

タグの基準(job tag の就業者調査から、全職業の上位・下位20%などでrokudakaが判定)

サマリー

年収の目安
451万円
2025年・平均より広い職種の数値
有効求人倍率
2.61倍
2025年平均より広い職種の数値
就業者数
1,445,820人
2020年より広い職種の数値

出典厚生労働省「賃金構造基本統計調査」2025年 一般労働者 職種 第1表「職種(小分類)、性別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額」 / 厚生労働省「職業安定業務統計(一般職業紹介状況)」長期時系列表 第21表「有効求人倍率(パート含む常用)」(2023〜2025年) / 総務省統計局「国勢調査」2010〜2020年 2020年 抽出詳細集計「男女,従業上の地位,職業(小分類)別就業者数(15歳以上)」(それ以前は同じ区分で集計された時系列データ)

計算年収の目安 = きまって支給する現金給与額(月額) × 12 + 年間賞与その他特別給与額。いずれも統計の平均値からrokudakaが計算。

数字で見る介護タクシー運転手

出典厚生労働省「賃金構造基本統計調査」2025年 一般労働者 職種 第1表「職種(小分類)、性別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額」 / 厚生労働省「職業安定業務統計(一般職業紹介状況)」長期時系列表 第21表「有効求人倍率(パート含む常用)」(2023〜2025年) / 総務省統計局「国勢調査」2010〜2020年 2020年 抽出詳細集計「男女,従業上の地位,職業(小分類)別就業者数(15歳以上)」(それ以前は同じ区分で集計された時系列データ) / 総務省統計局「国勢調査」2020年 抽出詳細集計「男女,従業上の地位,職業(小分類)別就業者数(15歳以上)」 / 総務省統計局「国勢調査」2020年 抽出詳細集計「男女,年齢(5歳階級),職業(小分類)別就業者数(15歳以上就業者)」 / 厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)「職業情報データベース 簡易版数値系ダウンロードデータ ver.7.00」スキル(2021年度、その職業に就いている人へのWebアンケート)

計算全職種の平均は、統計に全職種の合計がないため、「不詳」を除く144職種の年収の目安(月額×12+年間賞与、2025年)を労働者数で重み付けしてrokudakaが計算(男女別も同じ方法)。差が3%未満は「ほぼ同じ」。年齢別は推計労働者数1,000人以上の年齢階級だけで比べた。職業全体の有効求人倍率は統計の「職業計」(2025年平均)。差が0.1未満は「同じくらい」。働く人全体は国勢調査の「総数」(2020年)。増減率・女性の割合の差が5ポイント未満は「同じくらい」。年齢構成は、60歳以上・30歳未満の割合が全体より10ポイント以上多いときに記載。スキルは、全職業の平均との差が大きい順。近い職業は下の「スキルが近い職業」と同じ計算で、年収の目安がこの職業より高く、賃金の統計の区分が違うもの。

どんな仕事か

要介護高齢者や体の不自由な人など介護を必要とする人が利用しやすいように、車椅子やストレッチャーでそのまま乗車できるように工夫された特別仕様の車両を使用してタクシーサービスを提供する。

送迎だけでなく、介護サービスも提供する場合は、運転手が介護福祉士などの介護関連の資格を取得しているか、介護職員初任者研修を受講していることが必要である。

仕事を1日の流れの例でみると、朝、事務所に出社して朝礼に参加し、その日の業務の確認を行う。その後、予約にしたがって利用者宅を訪問、利用者をタクシーに乗せて目的地へ移動する。要望があれば介護を行う家族も同乗する。目的地での介護など予定された業務を終えたら利用者宅へ送り届け、事務所へ戻る。その後も予約にしたがって、同様の業務を繰り返す。予約の業務がすべて終了したら、事務所で報告書の作成などの事務処理を済ませて帰宅、という流れになる。

介護タクシーは介護や介助が必要な高齢者や身障者を利用対象者とするもので、運転手が介護関連の資格を取得していて、介護保険を使った身体介護サービスを提供できる介護保険タクシーと、介護保険が利用できず全額自己負担となる介護タクシーがある。介護保険を利用しない介護タクシーは個人事業主でも運行できるが、介護保険を利用できる介護保険タクシーを運行するには、法人化して訪問介護事業所の指定を受けることが条件となる。

介護保険の介護タクシーは、利用にあたって、病院への通院には利用できても入退院時には利用できない、買い物は1時間未満など制限があるが、介護保険が適用されるため利用者は、1割負担(10分の1の料金)で利用できる。最近は、介護保険の適用がなく一般料金を支払っても、付き添いが同乗して、公共交通機関を乗り継ぐのがむずかしい利用者が買い物や観光などに利用することも多く、利用範囲は広がっている。

類似のサービスの福祉タクシーは、身障者の外出を支援するタクシーで、介護保険は利用できないが、身体障害者手帳をもっていて車椅子を常用している障害者などを対象に市町村が料金の一部を負担する制度が利用できる。この補助制度は、身障者でない高齢者は利用対象外となるため、高齢者向けにシルバータクシーなどの補助制度を別途に設けている自治体もある。

また、ヘルパータクシー(自家用有償輸送)は、訪問介護事業所に勤務するヘルパーなどが自分の所有する自家用車(白ナンバー)で訪問介護利用者を有償で輸送するサービスのことで、訪問介護事業所の指定を受け、介護タクシー許可も取得している事業所が取得できる。

よく使う道具・機材・情報技術

2019年度時点の情報job tagの解説はこの年度から更新されていません。現在とは異なる場合があります。

車椅子、ストレッチャー、普通自動車(介護タクシー:普通免許(第二種)で運転可能なもの)

主なタスク

job tagの就業者調査で重要度が高いとされたもの。実施率は、そのタスクを行っていると答えた人の割合です。

タスク実施率
目的地まで車両を運転する。96%
乗降のために機器(スロープ、リフト等)の操作を行う。90%
利用者(同乗の家族を含む)を迎えに行く。96%
乗降のために利用者の介助を行う。94%
送迎の道順等を確認する。96%
車内や器具の清掃や消毒をする。96%
車両の点検や整備をする。92%
利用者の要介護度、障害内容等を把握する。94%

労働条件の特徴

大部分は自営業者である。タクシー会社に勤務する場合は、各社の社内規定に準じた待遇となる。個人事業主の場合は、基本的に個人裁量となるが、流しや路上待機は禁止されており、完全予約制となるので、時間的な予定は立てやすい。介護タクシーの場合、1回限りの利用者はほとんどなく、定期的に利用するケースが多いので、利用者の信頼を得て、リピーターを増やすことで、安定した収入につなげることができる。

福祉タクシー車両の導入状況は52,553台(令和5年度末時点)である。高齢化社会の進展、公共交通機関の縮小等によりその需要はますます高まることが予想される。

働く環境の特徴

job tag の就業者調査で、この職業の人が答えた「仕事の性質」です。全職業の平均と比べて、特に高い項目と低い項目を並べています。

全職業の平均より高い

全職業の平均より低い:電子メール、空調のきいた屋内作業、ビジネスレターやメモの作成

勤務のスケジュール:規則的 63%、不規則 31%、季節的 6%

出典厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)「職業情報データベース 簡易版数値系ダウンロードデータ ver.7.00」仕事の性質(2023年度、その職業に就いている人へのWebアンケート)

計算「仕事の性質」は回答の平均(値はおおむね1〜5の範囲)で、棒の縦線はjob tagの全職業(518職業)の平均。平均との差が0.3以上の項目を、差の大きい順に高いもの最大6つ・低いもの最大3つ。勤務のスケジュールは回答者の割合。

一般的な就業形態

この職業の一般的な就業形態として、job tag の就業者調査で選ばれた割合です。複数回答のため、合計は100%を超えます。回答した人の数が少ない職業もあるため、目安として見てください。

禄高(給与)

より広い職種の数値統計に「介護タクシー運転手」だけの区分がないため、「タクシー運転者」全体の数値を表示しています。

この年収は、会社などに雇われて働く人の給与です。事業主(開業している人など)の収入は含まず、会社の役員も原則として含みません。

精度の目安標準誤差率 2.65%(統計の全職種の中央値は2.04%)

標準誤差率は、調査の対象に選ばれた事業所によって平均がどのくらいぶれるかの目安です。小さいほど数字が安定しています。

出典厚生労働省「賃金構造基本統計調査」2025年 標準誤差率 誤差率表4「職種(小分類)別所定内給与額及び所定内給与額の標準誤差率(役職者を含む)」

計算誤差率は所定内給与額(残業代・賞与を除く月額、男女計)に対する統計の公表値。中央値は全職種の誤差率からrokudakaが計算。

年収の目安は451万円です (月々の給与35.9万円 × 12か月 + 賞与など20万円)。統計の全144職種の中で96番目に高い水準です。

平均年齢は56.8歳、平均勤続年数は8.3年です。年齢別では45~49歳が最も高く、521万円です。

年収の推移

2023年2024年2025年
419万円415万円451万円

年齢別の年収

白抜きの点と破線は、推計労働者数が1,000人未満の区分です。 人数が少なく平均がぶれやすいため、参考値として見てください。 薄い棒(右の目盛り)は、賃金の統計の推計労働者数です。企業規模10人以上の会社などに雇われて働く人の数で、自営業の人や小さな会社で働く人を含まないため、下の「年齢別の就業者数」(国勢調査)とは対象が違います。

男女別

男454万円
女393万円

女性の年収は男性の87%です。年齢構成や勤続年数の違いも含んだ差です。

企業規模別

1,000人以上506万円
100〜999人489万円
10〜99人373万円

企業規模による差は最大133万円です。

需要と将来性

より広い職種の数値求人倍率は「自動車運転従事者」全体の数値です。

2025年の有効求人倍率は2.61倍です。仕事を探している人1人に対して、2.6件の求人がある状態で、人手が足りない側に傾いています。2023年からの推移を見ると、大きくは変わっていません。

有効求人倍率の推移

ハローワークを通じた求人・求職の数から計算した値で、民間の求人サイトの求人は含みません(パートタイムを含む常用)。

就業者数の推移

より広い職種の数値就業者数は「自動車運転従事者」全体の数値です。

2020年の就業者数は1,445,820人です(うち女性4%)。2010年と比べると-6%減っています。

国勢調査は5年ごとの調査です。会社員だけでなく、自営業や家族で営む仕事の人も含みます。 そのため、給与の統計(企業規模10人以上の会社などで働く人)とは対象が違います。

年齢別の就業者数(2020年)

「自動車運転従事者」全体の数値です。5歳ごとの年齢層では、50~54歳がいちばん多くなっています(70歳以上はまとめているため除く)。30歳未満は4%で、働く人全体(15%)より少なくなっています。60歳以上は35%で、働く人全体(24%)より多くなっています。

国勢調査の就業者数で、雇われて働く人のほか、自営業や家族で営む仕事の人も含みます。70歳以上はまとめています。

出典総務省統計局「国勢調査」2020年 抽出詳細集計「男女,年齢(5歳階級),職業(小分類)別就業者数(15歳以上就業者)」 / 総務省統計局「国勢調査」2010〜2020年 2020年 抽出詳細集計「男女,従業上の地位,職業(小分類)別就業者数(15歳以上)」(それ以前は同じ区分で集計された時系列データ)

計算年齢(5歳階級)の就業者数を、賃金の統計の年齢階級に合わせて「〜19歳」から「70歳〜」にまとめた。割合は5歳階級の合計に対する割合でrokudakaが計算。働く人全体は国勢調査の「総数」で、差が5ポイント未満は「同じくらい」。

働き方の内訳(2020年)

雇われて働く人(正社員・派遣・パートなど)92%1,324,700人
会社などの役員2%28,400人
事業主(人を雇っている)1%9,180人
事業主(一人で)(開業・フリーランスなど)4%60,670人
家族従業者・内職など1%未満3,940人
不詳1%18,930人

出典総務省統計局「国勢調査」2020年 抽出詳細集計「男女,従業上の地位,職業(小分類)別就業者数(15歳以上)」

計算割合は従業上の地位別の就業者数を総数で割ってrokudakaが計算。「家族従業者・内職など」は家族従業者と家庭内職者の合計。

必要なスキル・知識

全職業の平均と比べて特に求められるスキルは、保守点検、対人援助サービス、修理です。 知識では輸送、セラピーとカウンセリング、医学・歯学が特徴的です。

スキル(全職業の平均との差が大きい8項目)

知識(全職業の平均との差が大きい8項目)

水準はスキルが0〜7程度、知識が0〜5程度で、数字が大きいほどその仕事で高いレベルが求められることを表します。

なり方・学び方

入職にあたって必須の資格には、普通自動車二種免許がある。ただし、これだけではタクシーの乗降介助や利用者の身体介助を行うことができない。送迎だけでなく、介護サービスも提供する場合は、介護職員初任者研修等を受講しているか、介護福祉士などの介護関連の資格を取得していることが必要である。

新卒で入職するケースはほとんどない。介護タクシー会社に転職するか、自営として起業するケースが多い。

介護タクシー事業は事業用車両1台の個人事業主としても、法人としても開業できる。一般常用旅客自動車運送事業(福祉輸送事業限定)の開業認可を受けるための基本的な流れとしては、まず車両や事務所、開業資金が用意できるなどの基本要件を満たした上で、地元の運輸支局へ事業登録申請を行う。この際の必須となる所有免許は普通自動車第二種免許である。審査に通ったら、地方運輸局で法令試験と事情聴取を受け、事業認可が下りたら、車両の検査・登録、必要であれば緑ナンバーへの変更などを行い、許可認可から6カ月以内に開業することになる。

一般のタクシー会社に勤務する場合は、普段は通常のタクシーを運転していて、予約があったときに介護タクシーを運転するケースがほとんどである。

自営業者の場合は、病院などの医療機関や行政との提携、予約の集中への対応などで事業者間の横の連携が不可欠なため、地域の同業者間のネットワークを築くことも必要である。

コミュニケーション能力、突発的な事態に対応できる能力、相手を気遣うホスピタリティ、利用者の尊厳を重んじる気持ちが求められる。

関連する資格

資格の詳細ページでは、受験資格・受験料などを試験の実施団体などの公式情報をもとに、出典と確認日つきでまとめています。講座の情報は準備中です。

関連団体

スキルが近い職業

スキル・知識の傾向が似ている職業です。必要なスキルの重なりが大きいほど、転職のときに経験を活かしやすいと考えられます。

出典厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)「職業情報データベース 簡易版数値系ダウンロードデータ ver.7.00」スキル(2021年度、その職業に就いている人へのWebアンケート) / 厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)「職業情報データベース 簡易版数値系ダウンロードデータ ver.7.00」知識(2023年度、その職業に就いている人へのWebアンケート)

計算スキル39項目・知識33項目の水準を、job tagの全職業の中での位置(標準化した値)に直し、職業ごとの全体の高さの差を除いてから傾向の近さ(コサイン類似度)をrokudakaが計算。このサイトに掲載している職業の中から近い順に5件。

介護タクシー運転手と、ほかの職業をくらべる →

出典と注意

使っている統計について

賃金構造基本統計調査(e-Stat)
厚生労働省が毎年行う基幹統計(統計法で特に重要と定められた統計)です。 事業所が、働いている人ごとの給与を記入する調査で、職種・年齢・企業規模などの区分ごとの給与がわかる国の代表的な賃金統計です。 このサイトの数値の範囲は一般労働者(短時間労働者を除く)、企業規模10人以上です。
職業安定業務統計(一般職業紹介状況)(e-Stat)
厚生労働省が、全国のハローワークで受け付けた求人と求職の数を集計した業務統計です。 民間の求人サイトや人材紹介会社の求人は含みません。
国勢調査(e-Stat)
「国勢調査は、日本に住んでいるすべての人及び世帯を対象とする国の最も重要な統計調査で、国内の人口や世帯の実態を明らかにするため、5年ごとに行われます。」 (総務省統計局「令和2年国勢調査に関するQ&A」問1-1) 職業別の就業者数は、調査票の一部を抽出して集計した推計値です(抽出詳細集計)。 範囲は15歳以上の就業者(雇用者のほか、自営業主・家族従業者などを含む)です。
厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)(ダウンロードページ)
厚生労働省の職業情報サイトです。スキル・知識・タスクの数値は、独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)がその職業に就いている人へのアンケートで集めたものです。

データの対応関係

数字の見方

数字の計算方法や読み方は「統計の読み方」にまとめています。

独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)作成『職業情報データベース 簡易版数値系ダウンロードデータ ver.7.00』職業情報提供サイト(job tag)より2026年10月30日にダウンロード(https://shigoto.mhlw.go.jp/User/download)、『職業情報データベース 解説系ダウンロードデータ ver.7.01』職業情報提供サイト(job tag)より2026年10月30日にダウンロード(https://shigoto.mhlw.go.jp/User/download)を加工して作成