学び直しの統計と支援制度
働く人がどれくらい学び直しをしているか、何に困っているかを統計で見たうえで、資格の講座や職業訓練を受けるときに使える国の主な制度を紹介します。制度の要点は、厚生労働省・ハローワーク・労働局の公式ページで確かめた内容だけを、出典と確認日つきで載せています。受けられるかどうかや金額は、人によって条件が違います。申し込む前に、ハローワークや講座の実施者に確かめてください。
学び直しの統計(自己啓発)
厚生労働省「能力開発基本調査」(2025年度)で、自己啓発を行った人の割合は、正社員が43.3%、正社員以外が15.9%でした。 行った理由(複数回答)では、「資格取得のため」が、行った正社員の35.5%、正社員以外の21.9%です。 自己啓発を行う上での問題点(複数回答)では、「費用がかかりすぎる」が、問題を感じる正社員の26.2%、正社員以外の25.3%です。
理由と問題点を表で見る
| 理由 | 正社員 | 正社員以外 |
|---|---|---|
| 現在の仕事に必要な知識・能力を身につけるため | 82.9% | 75.5% |
| 将来の仕事やキャリアアップに備えて | 58.9% | 36.2% |
| 資格取得のため | 35.5% | 21.9% |
| 昇進・昇格に備えて | 19.8% | 5.5% |
| 転職や独立のため | 8.7% | 7.6% |
| 退職後に備えるため | 8.1% | 12.8% |
| その他 | 6.6% | 16.1% |
| 配置転換・出向に備えて | 4.9% | 1.9% |
| 海外勤務に備えて | 1.7% | 0.9% |
| 問題点 | 正社員 | 正社員以外 |
|---|---|---|
| 仕事が忙しくて自己啓発の余裕がない | 58.5% | 36.1% |
| 家事・育児が忙しくて自己啓発の余裕がない | 27.4% | 34.0% |
| 費用がかかりすぎる | 26.2% | 25.3% |
| どのようなコースが自分の目指すキャリアに適切なのかわからない | 21.6% | 25.2% |
| 自分の目指すべきキャリアがわからない | 20.0% | 22.4% |
| 自己啓発の結果が社内で評価されない | 16.6% | 10.2% |
| 適当な教育訓練機関が見つからない | 13.8% | 17.1% |
| コース等の情報が得にくい | 12.5% | 14.2% |
| コース受講や資格取得の効果が定かでない | 11.4% | 10.5% |
| 休暇取得・定時退社・早退・短時間勤務の選択等が会社の都合でできない | 8.0% | 6.5% |
| その他 | 5.1% | 9.1% |
計算調査の公表値(%)をそのまま表示。理由は自己啓発を行った人、問題点は自己啓発を行う上で問題を感じる人を、それぞれ100%とした割合(複数回答のため合計は100%を超える)。正社員・正社員以外は調査の区分。
推移
自己啓発を行った正社員の割合は、2019年度の39.2%から2025年度は43.3%、正社員以外は13.2%から15.9%です。
年度ごとの数字を表で見る
| 調査年度 | 行った 正社員 | 行った 正社員以外 | 理由「資格取得」 正社員 | 理由「資格取得」 正社員以外 | 問題点「費用」 正社員 | 問題点「費用」 正社員以外 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2025年度 | 43.3% | 15.9% | 35.5% | 21.9% | 26.2% | 25.3% |
| 2024年度 | 45.3% | 15.8% | 34.1% | 26.5% | 25.7% | 26.8% |
| 2023年度 | 44.1% | 16.7% | 34.5% | 27.4% | 27.8% | 28.5% |
| 2022年度 | 44.1% | 17.5% | 34.6% | 26.7% | 30.1% | 27.8% |
| 2021年度 | 44.7% | 20.1% | 35.2% | 24.0% | 27.1% | 27.5% |
| 2020年度 | 41.4% | 16.3% | 31.7% | 23.6% | 28.9% | 30.3% |
| 2019年度 | 39.2% | 13.2% | 33.9% | 27.1% | 30.9% | 31.5% |
出典厚生労働省「能力開発基本調査」 2019〜2025年度 個人調査 自己啓発の実施の有無・理由・問題点の各表(各年度の統計表)
計算各年度の調査の公表値(%)。「行った」は労働者計、理由「資格取得のため」は自己啓発を行った人、問題点「費用がかかりすぎる」は問題を感じる人を、それぞれ100%とした割合。
講座の費用を比べる:税理士・宅地建物取引士・社会保険労務士・行政書士・2級ファイナンシャル・プランニング技能検定・3級ファイナンシャル・プランニング技能検定・ITパスポート試験・通関士・1級土木施工管理技士・2級土木施工管理技士・1級建築施工管理技士・2級建築施工管理技士・1級電気工事施工管理技士・2級電気工事施工管理技士・1級管工事施工管理技士・2級管工事施工管理技士・1級電気通信工事施工管理技士・2級電気通信工事施工管理技士・中小企業診断士(各資格のページに講座の料金比較があります)。 受講費用の一部が支給される制度などは、このページの下の「教育訓練給付」から紹介しています。2025年度に一般教育訓練給付金を受けた人(受給者数)は70,510人でした。
出典厚生労働省「雇用保険事業年報」 2025年度 第23表 教育訓練給付の状況(年度及び月別)
計算一般教育訓練給付金の年度計(決算値)の受給者数。統計の公表値。
教育訓練給付
働いている人や仕事を辞めた人が、指定された講座を受けて修了したときに、受講費用の一部が支給される雇用保険の制度です。
- 制度のしくみ
- 厚生労働大臣が指定する教育訓練を修了したときなどに、受講費用の一部がハローワークから支給される制度です。出典:ハローワークインターネットサービス「教育訓練給付金」(確認日 2026-11-01)
- 教育訓練の種類
- 対象の教育訓練は、専門実践教育訓練・特定一般教育訓練・一般教育訓練の3種類です。出典:厚生労働省「教育訓練給付制度」(確認日 2026-11-01)
- 一般教育訓練
- 教育訓練経費の20%(上限10万円)が、訓練の修了後に支給されます。出典:厚生労働省「教育訓練給付制度」(確認日 2026-11-01)
- 特定一般教育訓練
- 教育訓練経費の40%(上限20万円)が、訓練の修了後に支給されます。資格の取得などをして、修了後1年以内に雇用保険の被保険者として雇用された場合は、50%(上限25万円)まで支給されます。出典:厚生労働省「教育訓練給付制度」(確認日 2026-11-01)
- 専門実践教育訓練
- 教育訓練経費の50%(年間上限40万円)が、受講中に6か月ごとに支給されます。資格の取得などをして修了後1年以内に雇用された場合は70%(年間上限56万円)、さらに修了後の賃金が受講開始前より5%以上上がった場合は80%まで支給されます。出典:厚生労働省「教育訓練給付制度」(確認日 2026-11-01)
- 受けられる人
- 雇用保険の被保険者(または被保険者だった人)で、加入期間などの条件を満たす人です。たとえば一般教育訓練では、受講開始日に雇用保険に加入していた期間が3年以上必要です。初めて給付を受ける人は、必要な加入期間が短くなる場合があります。出典:ハローワークインターネットサービス「教育訓練給付金」(確認日 2026-11-01)
- 対象の講座
- 対象になるのは、厚生労働大臣の指定を受けた講座だけです。指定を受けている講座は、厚生労働省の教育訓練講座検索システムで調べられます。出典:厚生労働省「教育訓練給付制度」(確認日 2026-11-01)
公的職業訓練(ハロートレーニング)
- 制度のしくみ
- ハロートレーニングは、希望する仕事に就くために必要な職業スキルや知識などを身につけられる公的な制度です。公的職業訓練の愛称で、公共職業訓練と求職者支援訓練などがあります。出典:厚生労働省「ハロートレーニング」(確認日 2026-11-03)
- 仕事を探している人向け
- 仕事を探している人向けには、主に雇用保険を受給している人を対象にした公共職業訓練(離職者訓練)と、主に雇用保険を受給できない人(受給が終わった人を含む)を対象にした求職者支援訓練があります。出典:厚生労働省「ハロートレーニング(離職者訓練・求職者支援訓練)」(確認日 2026-11-03)
- 費用
- 離職者訓練と求職者支援訓練は無料で、テキスト代などは自己負担です。在職者や高校卒業者などを対象にした高度な訓練は、原則として有料です。出典:厚生労働省「ハロートレーニング(離職者訓練・求職者支援訓練)」(確認日 2026-11-03)
- 訓練の期間
- 公共職業訓練(離職者訓練)の訓練期間は、おおむね3か月〜2年です。出典:厚生労働省「ハロートレーニング(離職者訓練・求職者支援訓練)」(確認日 2026-11-03)
- 働いている人向け
- 在職者訓練は、主に中小企業で働く人を対象に、仕事に必要な専門知識や技能・技術を高める比較的短い期間(2日〜5日)の訓練です。国(高齢・障害・求職者雇用支援機構)が行うものはポリテクセンター・ポリテクカレッジに、都道府県が行うものは各都道府県に問い合わせます。出典:厚生労働省「ハロートレーニング(在職者訓練)」(確認日 2026-11-03)
- 学校を卒業した人向け
- 学卒者訓練は、主に学校を卒業した人を対象にした訓練です。都道府県立職業能力開発校の普通課程(1年または2年)や、ポリテクカレッジなどの専門課程(2年)などがあります。出典:厚生労働省「ハロートレーニング(学卒者訓練)」(確認日 2026-11-03)
- 申込み先
- 受講を希望する人は、ハローワークに相談します。出典:厚生労働省「ハロートレーニング」(確認日 2026-11-03)
求職者支援制度
- 制度のしくみ
- 再就職・転職・スキルアップを目指す人が、月10万円の生活支援の給付金を受けながら、無料の職業訓練を受ける制度です。給付金の要件を満たさない場合でも、無料の職業訓練は受けられます。訓練の前から終了後まで、ハローワークが求職活動を支援します。出典:厚生労働省「求職者支援制度のご案内」(確認日 2026-11-03)
- 対象になる人
- 離職して雇用保険を受給できない人、収入が一定額以下の在職者などが対象です。ハローワークに求職の申込みをしていること、雇用保険の被保険者や受給資格者でないことなどの要件があります。出典:厚生労働省「求職者支援制度のご案内」(確認日 2026-11-03)
- 求職者支援訓練
- 主な訓練コースには、基礎(ビジネスパソコン科など)、IT、営業・販売・事務、医療事務、介護福祉、デザインなどの分野があります。訓練期間は2か月から6か月です。出典:厚生労働省「求職者支援制度のご案内」(確認日 2026-11-03)
- 職業訓練受講給付金
- 訓練を受けている期間、1か月ごとに支給されます。職業訓練受講手当は月10万円です。ほかに、訓練施設へ通う定期乗車券などの額の通所手当(月上限42,500円)と、条件を満たして寄宿する場合の寄宿手当(月10,700円)があります。出典:厚生労働省「求職者支援制度のご案内」(確認日 2026-11-03)
- 給付金の要件
- 本人の収入が月8万円以下、世帯全体の収入が月30万円以下、世帯全体の金融資産が300万円以下であること、訓練を実施する日は欠かさず出席すること(やむを得ない理由で欠席し証明できる場合などは8割以上)、過去6年以内に職業訓練受講給付金を受けていないことなどの要件があります。出典:厚生労働省「求職者支援制度のご案内」(確認日 2026-11-03)
- 申込み先
- 申込み・相談は、住所地を管轄するハローワークで受け付けています。ハローワークで訓練コースを選んで申し込んだあと、訓練実施機関の選考(面接、筆記など)があります。出典:厚生労働省「求職者支援制度のご案内」(確認日 2026-11-03)
教育訓練休暇給付金
- 制度のしくみ
- 働く人が仕事を辞めずに教育訓練に専念するため、自分から休暇を取って仕事を離れる場合に、失業給付(基本手当)に相当する給付として賃金の一定割合が支給される制度です。出典:厚生労働省「教育訓練休暇給付金」(確認日 2026-11-03)
- 始まった時期
- 2025年(令和7年)10月1日に始まりました。出典:ハローワーク渋谷「教育訓練休暇給付金について」(確認日 2026-11-03)
- 受けられる場合
- 一定の条件を満たす雇用保険の一般被保険者が、就業規則などにもとづいて、連続した30日以上の無給の教育訓練休暇を取る場合に支給されます。休暇は事業主と合意したうえで取る必要があります。出典:厚生労働省「教育訓練休暇給付金」(確認日 2026-11-03)
- 対象外の人
- 高年齢被保険者、短期雇用特例被保険者、日雇労働被保険者は対象外です。出典:厚生労働省 大阪労働局「教育訓練休暇給付制度」(確認日 2026-11-03)
- 手続きの窓口
- 働く人の手続きは、住んでいる所を管轄するハローワークで行います。休暇の開始後、事業主が賃金の支払状況をハローワークに届け出る必要があります。出典:厚生労働省「教育訓練休暇給付金」(確認日 2026-11-03)
教育訓練給付の利用状況
厚生労働省「雇用保険事業年報」によると、2025年度(決算値)の受給者数は、一般教育訓練給付金が70,510人、 特定一般教育訓練給付金が7,941人、専門実践教育訓練給付金は初めて受け取った人(初回受給者数)が37,174人でした。 専門実践教育訓練給付金の「受給者数」(100,384人)は、統計の注記のとおり追加給付分を含むため、初回受給者数と分けて示しています。種類ごとの人数は足し合わせていません。
| 年度 | 一般 受給者数 | 特定一般 受給者数 | 専門実践 初回受給者数 | 専門実践 受給者数 | 支給金額(3種の計) |
|---|---|---|---|---|---|
| 2025年度 | 70,510人 | 7,941人 | 37,174人 | 100,384人 | 178.3億円 |
| 2024年度 | 73,766人 | 4,947人 | 37,165人 | 100,062人 | 178.7億円 |
| 2023年度 | 76,257人 | 3,670人 | 36,324人 | 98,786人 | 176.0億円 |
| 2022年度 | 78,226人 | 3,056人 | 35,906人 | 96,301人 | 169.9億円 |
| 2021年度 | 89,458人 | 2,407人 | 34,835人 | 91,063人 | 163.6億円 |
| 2020年度 | 89,011人 | 1,647人 | 29,404人 | 80,517人 | 151.2億円 |
| 2019年度 | 90,776人 | 126人 | 23,251人 | 71,648人 | 138.4億円 |
| 2018年度 | 92,571人 | — | 19,465人 | 58,486人 | 115.6億円 |
| 2017年度 | 99,978人 | — | 13,229人 | 38,781人 | 87.2億円 |
| 2016年度 | 111,790人 | — | 9,630人 | 20,874人 | 70.7億円 |
出典厚生労働省「雇用保険事業年報」 2025年度 第23表 教育訓練給付の状況(年度及び月別)
計算年度計(決算値)。受給者数・初回受給者数は統計の公表値。支給金額は一般・特定一般・専門実践の支給金額(千円)の合計を億円にしたもの(rokudakaが計算、小数1桁)。特定一般教育訓練給付金の欄は統計にある2019年度から。「—」は統計にない年度。
教育訓練給付の対象と書かれた講座
資格のページの講座の料金比較のうち、講座の公式ページに教育訓練給付の対象と書かれているコースです。ここにない講座が対象外という意味ではありません。対象の講座は、厚生労働省の教育訓練講座検索システムで調べられます。
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