航海士

別名:貨物船航海士、水先案内人、旅客船運航士

船の総責任者である船長を助け、甲板部員を指揮し、航海計画に基づいて航海や荷役に関する業務を担当する。

タグの基準(job tag の就業者調査から、全職業の上位・下位20%などでrokudakaが判定)

サマリー

年収の目安
—
データなし対応する統計なし
有効求人倍率
0.76倍
2025年平均より広い職種の数値
就業者数
14,390人
2020年より広い職種の数値

出典厚生労働省「職業安定業務統計(一般職業紹介状況)」長期時系列表 第21表「有効求人倍率(パート含む常用)」(2023〜2025年) / 総務省統計局「国勢調査」2010〜2020年 2020年 抽出詳細集計「男女,従業上の地位,職業(小分類)別就業者数(15歳以上)」(それ以前は同じ区分で集計された時系列データ)

数字で見る航海士

どんな仕事か

船の総責任者である船長を助け、甲板部員を指揮し、航海計画に基づいて航海や荷役に関する業務を担当する。

航海に先立って、予定航路の状況、気象・海象、航海距離などを調査し、機関士と相談しながら速力・燃料・所用時間を算出し、航海計画の原案を作成する。出航前に、水や食料、燃料、貨物、船体の状況、航海用具、計器の作動状況を調べ、出航準備を整える。

出入港時には船橋、船首、船尾など指定の位置につき、船長の命令を機関部に伝えたり、錨作業や係船作業を指揮する。航海中は、肉眼やレーダー、GPSで陸地・島、他船の位置や航路標識などをチェックし、現在位置を海図上で確認する。船の大きさ・航行時間によって乗務すべき航海士の人数は異なるが、外航船(国際航路)には3人の航海士が乗り込み、4時間ずつのローテーションで航海当直に立つ。航海計器・舵などの機器の作動状況や気象・潮流の変化に気を配り、他船との衝突や座礁などを避け、進路を保って安全で効率的な航海につとめる。

停泊中は、荷役作業が安全に進行するよう監督しながら、次の航海に備えて必要な資材の補給、航海計器や船体の整備、荷役・税関関係の書類、出港許可書や国籍証書などの確認を行う。

よく使う道具・機材・情報技術

2019年度時点の情報job tagの解説はこの年度から更新されていません。現在とは異なる場合があります。

航海用具、レーダー、GPS、海図、航海計器、舵、工具(かなづち、のこぎり等の手動工具、ドリル等の電動工具)

主なタスク

job tagの就業者調査で重要度が高いとされたもの。実施率は、そのタスクを行っていると答えた人の割合です。

タスク実施率
レーダーや双眼鏡などで周囲の安全を確認し、他船との衝突を防止する。100%
航海中は、所定の時間にブリッジに行き、船を安全に運航する。100%
気象や海洋の状態に基づき、運航の判断をする。100%
入港時には、船首や船尾などの所定の場所に行き、船長に、無線などで船と岸壁などとの距離などを報告する。97%
船位が適切かを把握する。100%
積荷の保全・管理を行う。97%
積み込んだ燃料の量や計器の作動状況などを確認し、出港準備を整える。100%
積荷役の際にダンネージの準備・整理や、バルブ操作の補助を行う。94%

労働条件の特徴

船はいったん港を出ると次の港まで休み無く稼働し、港に着いた後も荷役を行いながら必要な補給を行うため、休日が取りにくい。そのため、下船するとまとまった休みをとる休暇制度がある。例えば、外国航路などでは年間合計8ヵ月乗船して4ヵ月陸上で休暇をとるのが一般的である。

航海中は、船橋で4時間ずつ輪番で当直をする。出入港時や緊急時には船長の命令によって当直時間外でも配置につき、船橋当直者を増員することもある。外航船では外国人船員と一緒に船に乗り、指導的立場で働くことが多い。就業者はほとんどが男性であるが、女性もみられる。

給料は会社の規定によって定められており、基本給の他に、時間外手当や特殊作業手当などが別途支給される。また、職務外疾病及び船員労働の特性に応じた独自・上乗せ給付は船員保険が適用される(平成22年から、職務上疾病・年金及び失業給付。はそれぞれ一般制度である労災保険制度及び雇用保険制度に統合された。)。

船舶の自動化などに伴い、一つの船舶に要する船員数が少なくなっているが、航海士には高度な技術と知識が求められるようになっている。また、大手の海運会社では船員としての経験を活かして、数年間の海上勤務と陸上勤務を交互に行うケースもある。

働く環境の特徴

job tag の就業者調査で、この職業の人が答えた「仕事の性質」です。全職業の平均と比べて、特に高い項目と低い項目を並べています。

全職業の平均より高い

全職業の平均より低い:座り作業、ビジネスレターやメモの作成、外部の顧客等との接触

勤務のスケジュール:規則的 21%、不規則 71%、季節的 9%

出典厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)「職業情報データベース 簡易版数値系ダウンロードデータ ver.7.00」仕事の性質(2023年度、その職業に就いている人へのWebアンケート)

計算「仕事の性質」は回答の平均(値はおおむね1〜5の範囲)で、棒の縦線はjob tagの全職業(518職業)の平均。平均との差が0.3以上の項目を、差の大きい順に高いもの最大6つ・低いもの最大3つ。勤務のスケジュールは回答者の割合。

一般的な就業形態

この職業の一般的な就業形態として、job tag の就業者調査で選ばれた割合です。複数回答のため、合計は100%を超えます。回答した人の数が少ない職業もあるため、目安として見てください。

禄高(給与)

この職業に対応する賃金統計の区分がないため、給与のデータは表示していません。

需要と将来性

より広い職種の数値求人倍率は「船舶・航空機運転従事者」全体の数値です。

2025年の有効求人倍率は0.76倍です。求人の数が仕事を探している人の数より少なく、求職者どうしの競争がある状態です。2023年からの推移を見ると、上がっています。

有効求人倍率の推移

ハローワークを通じた求人・求職の数から計算した値で、民間の求人サイトの求人は含みません(パートタイムを含む常用)。

就業者数の推移

より広い職種の数値就業者数は「船長・航海士・運航士(漁労船を除く),水先人」全体の数値です。

2020年の就業者数は14,390人です(うち女性2%)。2010年と比べると-14%減っています。

国勢調査は5年ごとの調査です。会社員だけでなく、自営業や家族で営む仕事の人も含みます。 そのため、給与の統計(企業規模10人以上の会社などで働く人)とは対象が違います。

年齢別の就業者数(2020年)

「船長・航海士・運航士(漁労船を除く),水先人」全体の数値です。5歳ごとの年齢層では、60~64歳がいちばん多くなっています(70歳以上はまとめているため除く)。30歳未満は10%で、働く人全体(15%)と同じくらいです。60歳以上は32%で、働く人全体(24%)より多くなっています。

国勢調査の就業者数で、雇われて働く人のほか、自営業や家族で営む仕事の人も含みます。70歳以上はまとめています。

出典総務省統計局「国勢調査」2020年 抽出詳細集計「男女,年齢(5歳階級),職業(小分類)別就業者数(15歳以上就業者)」 / 総務省統計局「国勢調査」2010〜2020年 2020年 抽出詳細集計「男女,従業上の地位,職業(小分類)別就業者数(15歳以上)」(それ以前は同じ区分で集計された時系列データ)

計算年齢(5歳階級)の就業者数を、賃金の統計の年齢階級に合わせて「〜19歳」から「70歳〜」にまとめた。割合は5歳階級の合計に対する割合でrokudakaが計算。働く人全体は国勢調査の「総数」で、差が5ポイント未満は「同じくらい」。

働き方の内訳(2020年)

雇われて働く人(正社員・派遣・パートなど)73%10,480人
会社などの役員6%870人
事業主(人を雇っている)5%680人
事業主(一人で)(開業・フリーランスなど)15%2,160人
家族従業者・内職など1%150人
不詳1%未満60人

出典総務省統計局「国勢調査」2020年 抽出詳細集計「男女,従業上の地位,職業(小分類)別就業者数(15歳以上)」

計算割合は従業上の地位別の就業者数を総数で割ってrokudakaが計算。「家族従業者・内職など」は家族従業者と家庭内職者の合計。

必要なスキル・知識

全職業の平均と比べて特に求められるスキルは、計器監視、修理、保守点検です。 知識では輸送、地理学、通信技術が特徴的です。

スキル(全職業の平均との差が大きい8項目)

知識(全職業の平均との差が大きい8項目)

水準はスキルが0〜7程度、知識が0〜5程度で、数字が大きいほどその仕事で高いレベルが求められることを表します。

なり方・学び方

航海士になるには、海技従事者国家試験に合格し、海技士(航海)の船舶免許を取得する必要がある。

免許取得にはいくつかの方法があるが、一般的には旧商船大学(現在は、東京海洋大学と神戸大学)、商船高等専門学校、海上技術の学校等に進学する。それぞれ所定の修業年限を経て、在学中又は卒業後、乗船実習を航海訓練所や学校所属の練習船で行う。大きな船に乗るには上級の免許が必要となり、それに応じた乗船経験も必要となる。

大手海運会社では旧商船大学卒業者が最も多く、商船高等専門学校卒業者がこれに次ぐ。内航海運会社では海員学校や水産高校出身者が多くなっている。

船上では船長を中心とした秩序が大切で、自らを厳しく律し、規律を守ることが求められる。また、甲板部員を指導し、チームワークを作り上げるリーダーシップも必要となる。気温の変化、振動、変則的な勤務に耐えられる体力や忍耐力も求められる。

関連する資格

資格の詳細ページでは、受験資格・受験料などを試験の実施団体などの公式情報をもとに、出典と確認日つきでまとめています。講座の情報は準備中です。

関連団体

スキルが近い職業

スキル・知識の傾向が似ている職業です。必要なスキルの重なりが大きいほど、転職のときに経験を活かしやすいと考えられます。

出典厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)「職業情報データベース 簡易版数値系ダウンロードデータ ver.7.00」スキル(2021年度、その職業に就いている人へのWebアンケート) / 厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)「職業情報データベース 簡易版数値系ダウンロードデータ ver.7.00」知識(2023年度、その職業に就いている人へのWebアンケート)

計算スキル39項目・知識33項目の水準を、job tagの全職業の中での位置(標準化した値)に直し、職業ごとの全体の高さの差を除いてから傾向の近さ(コサイン類似度)をrokudakaが計算。このサイトに掲載している職業の中から近い順に5件。

航海士と、ほかの職業をくらべる →

出典と注意

使っている統計について

賃金構造基本統計調査(e-Stat)
厚生労働省が毎年行う基幹統計(統計法で特に重要と定められた統計)です。 事業所が、働いている人ごとの給与を記入する調査で、職種・年齢・企業規模などの区分ごとの給与がわかる国の代表的な賃金統計です。 このサイトの数値の範囲は一般労働者(短時間労働者を除く)、企業規模10人以上です。
職業安定業務統計(一般職業紹介状況)(e-Stat)
厚生労働省が、全国のハローワークで受け付けた求人と求職の数を集計した業務統計です。 民間の求人サイトや人材紹介会社の求人は含みません。
国勢調査(e-Stat)
「国勢調査は、日本に住んでいるすべての人及び世帯を対象とする国の最も重要な統計調査で、国内の人口や世帯の実態を明らかにするため、5年ごとに行われます。」 (総務省統計局「令和2年国勢調査に関するQ&A」問1-1) 職業別の就業者数は、調査票の一部を抽出して集計した推計値です(抽出詳細集計)。 範囲は15歳以上の就業者(雇用者のほか、自営業主・家族従業者などを含む)です。
厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)(ダウンロードページ)
厚生労働省の職業情報サイトです。スキル・知識・タスクの数値は、独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)がその職業に就いている人へのアンケートで集めたものです。

データの対応関係

数字の見方

数字の計算方法や読み方は「統計の読み方」にまとめています。

独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)作成『職業情報データベース 簡易版数値系ダウンロードデータ ver.7.00』職業情報提供サイト(job tag)より2026年10月30日にダウンロード(https://shigoto.mhlw.go.jp/User/download)、『職業情報データベース 解説系ダウンロードデータ ver.7.01』職業情報提供サイト(job tag)より2026年10月30日にダウンロード(https://shigoto.mhlw.go.jp/User/download)を加工して作成