船舶機関士
船舶の機関部で機関員を指揮しながら、エンジン(主機関)、発電機、ボイラー、その他の各種機器の管理を行う。
サマリー
出典厚生労働省「職業安定業務統計(一般職業紹介状況)」長期時系列表 第21表「有効求人倍率(パート含む常用)」(2023〜2025年) / 総務省統計局「国勢調査」2010〜2020年 2020年 抽出詳細集計「男女,従業上の地位,職業(小分類)別就業者数(15歳以上)」(それ以前は同じ区分で集計された時系列データ)
数字で見る船舶機関士
- 有効求人倍率は0.76倍で、職業全体(1.12倍)より低く、仕事を探す人の多い側にあります(「船舶・航空機運転従事者」全体の数値)。
- 就業者数は2010年から−17%で、働く人全体(−3%)より減り方が大きくなっています。
- 働く人のうち女性は0%で、働く人全体(45%)より少なくなっています。
- 全職業の平均と比べて特に高いスキルは、「保守点検」「計器監視」「修理」です。
出典厚生労働省「職業安定業務統計(一般職業紹介状況)」長期時系列表 第21表「有効求人倍率(パート含む常用)」(2023〜2025年) / 総務省統計局「国勢調査」2010〜2020年 2020年 抽出詳細集計「男女,従業上の地位,職業(小分類)別就業者数(15歳以上)」(それ以前は同じ区分で集計された時系列データ) / 総務省統計局「国勢調査」2020年 抽出詳細集計「男女,従業上の地位,職業(小分類)別就業者数(15歳以上)」 / 総務省統計局「国勢調査」2020年 抽出詳細集計「男女,年齢(5歳階級),職業(小分類)別就業者数(15歳以上就業者)」 / 厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)「職業情報データベース 簡易版数値系ダウンロードデータ ver.7.00」スキル(2021年度、その職業に就いている人へのWebアンケート)
計算職業全体の有効求人倍率は統計の「職業計」(2025年平均)。差が0.1未満は「同じくらい」。働く人全体は国勢調査の「総数」(2020年)。増減率・女性の割合の差が5ポイント未満は「同じくらい」。年齢構成は、60歳以上・30歳未満の割合が全体より10ポイント以上多いときに記載。スキルは、全職業の平均との差が大きい順。
どんな仕事か
船舶の機関部で機関員を指揮しながら、エンジン(主機関)、発電機、ボイラー、その他の各種機器の管理を行う。
航海中は、機関制御室で各種計測装置から状況や記録を監視し、航海に支障がないよう努める。定期的に機関室を見回って、主機関や発電機などの回転音、冷却水や潤滑油の温度・圧力をチェックして、音や数値に異常がないことを確認する。また、計画されている保守整備作業なども行う。
異状発生時には、直ちに応急処置をとるとともに、その原因を調べ、機関長に状況を報告する。荒天や非常事態の場合には、所定の位置について船長や機関長の指示に基づいて行動する。自らの判断で緊急に取った措置については、すぐに機関長に報告する。
停泊中は、主機関、発電機、ボイラーなどの整備を行い、燃料や備品・消耗品を補給して次の航海に備える。航海中の機器運転管理の他に、整備計画を立案し、その時々の状況に応じて必要な点検整備、故障箇所の修理を行う。
最も安全に気を使う出入港時は、所定の配置につき、主機関や関連する補助機械類が船長の指示に対し確実に対応するように機関室全域を点検する。
大型の船舶では機関長を含めて複数の機関士が同乗しており、機関長は機関部の最高責任者として責任を負い、他の機関士を指揮する。
よく使う道具・機材・情報技術
2019年度時点の情報job tagの解説はこの年度から更新されていません。現在とは異なる場合があります。
計測装置、作業中の保護具(ヘルメット、ゴーグル、グローブ、安全靴等)
主なタスク
job tagの就業者調査で重要度が高いとされたもの。実施率は、そのタスクを行っていると答えた人の割合です。
| タスク | 実施率 |
|---|---|
| 異常が認められた場合には、応急処置を取り、原因を調査して機関長に報告する。 | 100% |
| 出入港時や悪天候の時には、所定の配置に就き、機関長の指示にしたがって機関の正常運転を維持する。 | 100% |
| 燃料・備品・消耗品を補給して次の航海に備える。 | 100% |
| 機関の運転に関する計測記録を分析し、機関故障の防止に努める。 | 100% |
| 所定の時間に機関室を巡回し、機関部分の運転の点検をする。 | 100% |
| 定期修理の計画を作成する。 | 95% |
| 停泊中に主機関、発電機、ボイラーを整備する。 | 100% |
| 航海中は、航海に支障がないよう機関制御室で各種計測装置を監視する。 | 100% |
出典厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)「職業情報データベース 簡易版数値系ダウンロードデータ ver.7.00」タスク(2022年度、その職業に就いている人へのWebアンケート)
計算重要度の高い順に最大8件を表示。
労働条件の特徴
船は港を出ると次の港まで休みなく稼働し、港に着いた後も荷役を行いながら必要な補給を行うため休みが取りにくい。このため、下船するとまとまった休暇がとれる制度が一般的に採用されている。例えば、外国航路などでは8~9月乗船し3~4ヶ月休みをとるといった形態が一般的である。
航海中は、所定の時間で交替勤務を行うのが一般的だが、出入港時や緊急時には船長の命令によって労働時間外でも配置につき、作業を行う。以前と比べて、作業環境は大幅に改善されており、機関制御室で計器類を監視し、遠隔操作を行うことが多くなっている。就業者はほとんど男性である。また、外航船では外国人船員と一緒に船に乗り、働くことが多い。
給料は会社の規定によって定められており、基本給の他に、時間外手当や特殊作業手当などが支給される。また、職務外疾病(健康保険相当部分)及び船員労働の特性に応じた独自・上乗せ給付は船員保険が適用される(平成22年から、船員保険の一部は一般の労災保険制度及び雇用保険制度に統合されている。)。
船舶運航の自動化などに伴い、一つの船舶の運航に要する船員数が少なくなっているが、機関士には高度な技術と知識が求められるようになっている。また、船員としての経験を活かして、陸上勤務を行うこともある。
働く環境の特徴
job tag の就業者調査で、この職業の人が答えた「仕事の性質」です。全職業の平均と比べて、特に高い項目と低い項目を並べています。
全職業の平均より高い
全職業の平均より低い:座り作業
勤務のスケジュール:規則的 33%、不規則 65%、季節的 3%
出典厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)「職業情報データベース 簡易版数値系ダウンロードデータ ver.7.00」仕事の性質(2020年度、その職業に就いている人へのWebアンケート)
計算「仕事の性質」は回答の平均(値はおおむね1〜5の範囲)で、棒の縦線はjob tagの全職業(518職業)の平均。平均との差が0.3以上の項目を、差の大きい順に高いもの最大6つ・低いもの最大3つ。勤務のスケジュールは回答者の割合。
一般的な就業形態
この職業の一般的な就業形態として、job tag の就業者調査で選ばれた割合です。複数回答のため、合計は100%を超えます。回答した人の数が少ない職業もあるため、目安として見てください。
禄高(給与)
この職業に対応する賃金統計の区分がないため、給与のデータは表示していません。
需要と将来性
より広い職種の数値求人倍率は「船舶・航空機運転従事者」全体の数値です。
有効求人倍率の推移
ハローワークを通じた求人・求職の数から計算した値で、民間の求人サイトの求人は含みません(パートタイムを含む常用)。
出典厚生労働省「職業安定業務統計(一般職業紹介状況)」長期時系列表 第21表「有効求人倍率(パート含む常用)」(2023〜2025年)
計算各年の値は統計表の年平均(暦年)をそのまま表示。
就業者数の推移
2020年の就業者数は6,470人です(うち女性0%)。2010年と比べると-17%減っています。
国勢調査は5年ごとの調査です。会社員だけでなく、自営業や家族で営む仕事の人も含みます。 そのため、給与の統計(企業規模10人以上の会社などで働く人)とは対象が違います。2025年の国勢調査の職業別の結果は、2027年(令和9年)11月までに公表される予定です(総務省統計局の公表予定)。公表されたら、この推移に加えます。
出典総務省統計局「国勢調査」2010〜2020年 2020年 抽出詳細集計「男女,従業上の地位,職業(小分類)別就業者数(15歳以上)」(それ以前は同じ区分で集計された時系列データ) / 総務省統計局「令和7年国勢調査 調査の結果」
計算調査票の一部を抽出して集計した推計値(10人単位)。増減率は2010年と2020年の値からrokudakaが計算。
年齢別の就業者数(2020年)
5歳ごとの年齢層では、60~64歳がいちばん多くなっています(70歳以上はまとめているため除く)。30歳未満は16%で、働く人全体(15%)と同じくらいです。60歳以上は29%で、働く人全体(24%)より多くなっています。
国勢調査の就業者数で、雇われて働く人のほか、自営業や家族で営む仕事の人も含みます。70歳以上はまとめています。
出典総務省統計局「国勢調査」2020年 抽出詳細集計「男女,年齢(5歳階級),職業(小分類)別就業者数(15歳以上就業者)」 / 総務省統計局「国勢調査」2010〜2020年 2020年 抽出詳細集計「男女,従業上の地位,職業(小分類)別就業者数(15歳以上)」(それ以前は同じ区分で集計された時系列データ)
計算年齢(5歳階級)の就業者数を、賃金の統計の年齢階級に合わせて「〜19歳」から「70歳〜」にまとめた。割合は5歳階級の合計に対する割合でrokudakaが計算。働く人全体は国勢調査の「総数」で、差が5ポイント未満は「同じくらい」。
働き方の内訳(2020年)
| 雇われて働く人(正社員・派遣・パートなど) | 96% | 6,180人 |
|---|---|---|
| 会社などの役員 | 2% | 150人 |
| 事業主(一人で)(開業・フリーランスなど) | 1%未満 | 10人 |
| 家族従業者・内職など | 1% | 40人 |
| 不詳 | 1% | 80人 |
出典総務省統計局「国勢調査」2020年 抽出詳細集計「男女,従業上の地位,職業(小分類)別就業者数(15歳以上)」
計算割合は従業上の地位別の就業者数を総数で割ってrokudakaが計算。「家族従業者・内職など」は家族従業者と家庭内職者の合計。
必要なスキル・知識
全職業の平均と比べて特に求められるスキルは、保守点検、計器監視、修理です。 知識では機械、輸送、物理学が特徴的です。
スキル(全職業の平均との差が大きい8項目)
知識(全職業の平均との差が大きい8項目)
水準はスキルが0〜7程度、知識が0〜5程度で、数字が大きいほどその仕事で高いレベルが求められることを表します。
出典厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)「職業情報データベース 簡易版数値系ダウンロードデータ ver.7.00」スキル(2021年度、その職業に就いている人へのWebアンケート) / 厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)「職業情報データベース 簡易版数値系ダウンロードデータ ver.7.00」知識(2019年度、その職業に就いている人へのWebアンケート)
計算「全職業の平均」は、job tagで数値のある全職業(最大518職業)の単純平均をrokudakaが計算。表示する8項目は、この職業の値と全職業の平均との差が大きい順。
なり方・学び方
船舶機関士になるには、海技従事者国家試験に合格して、海技士(機関)免許を取得する必要がある。
一般的には、旧商船大学(現在は東京海洋大学と神戸大学)、商船高等専門学校、海上技術の学校等に進学し、各種の機関・機器に関する理論と実技両面について所定の修業年限を積んだ後、在学中又は卒業後に乗船実習を航海訓練所や学校所属の練習船で行う。大型の船舶に乗るには上級の免許が求められ、それに応じた乗船経験も必要となる。
船上では船長を中心とした秩序が大切であり、規律を守ることが求められる。また、機関員を指導し、チームワークを作り上げるリーダーシップも必要となる。騒音や気温の変化などの厳しい作業環境や不規則な勤務形態の他、時差がある場合もあり、このような環境での仕事に耐えられる体力と忍耐力が求められる。
関連する資格
資格の詳細ページでは、受験資格・受験料などを試験の実施団体などの公式情報をもとに、出典と確認日つきでまとめています。
関連団体
スキルが近い職業
スキル・知識の傾向が似ている職業です。必要なスキルの重なりが大きいほど、転職のときに経験を活かしやすいと考えられます。
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出典厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)「職業情報データベース 簡易版数値系ダウンロードデータ ver.7.00」スキル(2021年度、その職業に就いている人へのWebアンケート) / 厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)「職業情報データベース 簡易版数値系ダウンロードデータ ver.7.00」知識(2019年度、その職業に就いている人へのWebアンケート)
計算スキル39項目・知識33項目の水準を、job tagの全職業の中での位置(標準化した値)に直し、職業ごとの全体の高さの差を除いてから傾向の近さ(コサイン類似度)をrokudakaが計算。このサイトに掲載している職業の中から近い順に5件。
出典と注意
- 職業情報提供サイト(job tag)「仕事内容、タスク、スキル・知識、関連資格」数値系 ver.7.00・解説系 ver.7.01
- 国勢調査「職業(小分類)別就業者数(e-Stat)」2020年(推移は2010〜2020年)
- 職業安定業務統計(一般職業紹介状況)「長期時系列表_21_職業別労働市場関係指標(実数)(令和4年4月~)(e-Stat)」2023〜2025年
使っている統計について
- 賃金構造基本統計調査(e-Stat)
- 厚生労働省が毎年行う基幹統計(統計法で特に重要と定められた統計)です。 事業所が、働いている人ごとの給与を記入する調査で、職種・年齢・企業規模などの区分ごとの給与がわかる国の代表的な賃金統計です。 このサイトの数値の範囲は一般労働者(短時間労働者を除く)、企業規模10人以上です。
- 職業安定業務統計(一般職業紹介状況)(e-Stat)
- 厚生労働省が、全国のハローワークで受け付けた求人と求職の数を集計した業務統計です。 民間の求人サイトや人材紹介会社の求人は含みません。
- 国勢調査(e-Stat)
- 「国勢調査は、日本に住んでいるすべての人及び世帯を対象とする国の最も重要な統計調査で、国内の人口や世帯の実態を明らかにするため、5年ごとに行われます。」 (総務省統計局「令和2年国勢調査に関するQ&A」問1-1) 職業別の就業者数は、調査票の一部を抽出して集計した推計値です(抽出詳細集計)。 範囲は15歳以上の就業者(雇用者のほか、自営業主・家族従業者などを含む)です。
- 厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)(ダウンロードページ)
- 厚生労働省の職業情報サイトです。スキル・知識・タスクの数値は、独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)がその職業に就いている人へのアンケートで集めたものです。
データの対応関係
- 賃金:対応する区分なし
- 求人倍率:「船舶・航空機運転従事者」の数値(より広い職種)
- 就業者数:「船舶機関長・機関士(漁労船を除く)」の数値
- 年収は、対応する統計の区分がないため表示していません。
数字の見方
- 年収の目安:きまって支給する現金給与額 × 12 + 年間賞与その他特別給与額(いずれも平均。一般労働者、企業規模10人以上)。平均値なので、一部の高い人に引っ張られて実感より高く出ることがあります。
- 給与の対象は労働基準法第9条の労働者(雇われて働く人)。事業主は含まず、役員も原則含まない。パート・アルバイトなどの短時間労働者は含みません。
- 月々の給与は、調査した年の6月分の給与です。基本給のほか残業代・通勤手当・家族手当などを含み、税金・社会保険料を差し引く前の額です。
- 賞与は、調査した年の前年1年間(原則1月〜12月)に支払われた額です。
- 用語の定義は厚生労働省の用語の説明と調査の概要によります。
数字の計算方法や読み方は「統計の読み方」にまとめています。
独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)作成『職業情報データベース 簡易版数値系ダウンロードデータ ver.7.00』職業情報提供サイト(job tag)より2026年10月30日にダウンロード(https://shigoto.mhlw.go.jp/User/download)、『職業情報データベース 解説系ダウンロードデータ ver.7.01』職業情報提供サイト(job tag)より2026年10月30日にダウンロード(https://shigoto.mhlw.go.jp/User/download)を加工して作成
2025年の有効求人倍率は0.76倍です。求人の数が仕事を探している人の数より少なく、求職者どうしの競争がある状態です。2023年からの推移を見ると、上がっています。