造船技術者(船舶の開発・設計)
造船会社において、顧客である船主の要求に応じた船舶の建造を計画し、船主と打ち合わせを行ったうえで契約仕様を決定し、その仕様を満たす性能を設計し具体化したものを、実際に建造するために必要な生産情報の作成まで一連の設計を行う。
サマリー
出典厚生労働省「賃金構造基本統計調査」2025年 一般労働者 職種 第1表「職種(小分類)、性別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額」 / 厚生労働省「職業安定業務統計(一般職業紹介状況)」長期時系列表 第21表「有効求人倍率(パート含む常用)」(2023〜2025年) / 総務省統計局「国勢調査」2010〜2020年 2020年 抽出詳細集計「男女,従業上の地位,職業(小分類)別就業者数(15歳以上)」(それ以前は同じ区分で集計された時系列データ)
計算年収の目安 = きまって支給する現金給与額(月額) × 12 + 年間賞与その他特別給与額。いずれも統計の平均値からrokudakaが計算。
数字で見る造船技術者(船舶の開発・設計)
- 年収の目安は725万円で、全職種の平均(546万円)より180万円高い水準です(「輸送用機器技術者」全体の数値)。
- 年齢別では、20~24歳の406万円から、最も高い55~59歳の939万円まで、約2.3倍になります(「輸送用機器技術者」全体の数値)。
- 女性の年収は男性の74%で、全職種(72%)と同じくらいです(「輸送用機器技術者」全体の数値)。
- 有効求人倍率は1.93倍で、職業全体(1.12倍)より高く、求人の多い側にあります(「製造技術者(開発)」全体の数値)。
- 就業者数は2010年から+44%で、働く人全体(−3%)より伸びています(「輸送用機器技術者」全体の数値)。
- 働く人のうち女性は5%で、働く人全体(45%)より少なくなっています(「輸送用機器技術者」全体の数値)。
出典厚生労働省「賃金構造基本統計調査」2025年 一般労働者 職種 第1表「職種(小分類)、性別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額」 / 厚生労働省「職業安定業務統計(一般職業紹介状況)」長期時系列表 第21表「有効求人倍率(パート含む常用)」(2023〜2025年) / 総務省統計局「国勢調査」2010〜2020年 2020年 抽出詳細集計「男女,従業上の地位,職業(小分類)別就業者数(15歳以上)」(それ以前は同じ区分で集計された時系列データ) / 総務省統計局「国勢調査」2020年 抽出詳細集計「男女,従業上の地位,職業(小分類)別就業者数(15歳以上)」 / 総務省統計局「国勢調査」2020年 抽出詳細集計「男女,年齢(5歳階級),職業(小分類)別就業者数(15歳以上就業者)」
計算全職種の平均は、統計に全職種の合計がないため、「不詳」を除く144職種の年収の目安(月額×12+年間賞与、2025年)を労働者数で重み付けしてrokudakaが計算(男女別も同じ方法)。差が3%未満は「ほぼ同じ」。年齢別は推計労働者数1,000人以上の年齢階級だけで比べた。職業全体の有効求人倍率は統計の「職業計」(2025年平均)。差が0.1未満は「同じくらい」。働く人全体は国勢調査の「総数」(2020年)。増減率・女性の割合の差が5ポイント未満は「同じくらい」。年齢構成は、60歳以上・30歳未満の割合が全体より10ポイント以上多いときに記載。
どんな仕事か
造船会社において、顧客である船主の要求に応じた船舶の建造を計画し、船主と打ち合わせを行ったうえで契約仕様を決定し、その仕様を満たす性能を設計し具体化したものを、実際に建造するために必要な生産情報の作成まで一連の設計を行う。
船を大きく分類すると商船(客船、貨物船)および漁船に分類される。世界の物流は90%以上が海上輸送に依存しており、多種多様な貨物船が世界の海でこれに従事し活躍している。
開発から引き渡しまでの過程は一般的に、船型開発→顧客への売込み→引合→技術打合せ→契約→詳細設計→建造→試運転→引き渡しの順になる。
また、設計の流れの概要は、船の基本的な性格を与える「基本設計」→船に要求される性能や機能を確保する「詳細設計(造船設計)」→建造に必要な情報を与える「生産設計」となり、後工程ほどより細かくなる。
設計作業は大きく3段階に分けられ、主要寸法・船体形状・荷役装置や機関等主要機器の仕様を決定する初期段階の基本設計、船殻設計・艤装設計からなる船舶のセクションごとの詳細設計(造船設計とも言う。以下略。)並びにこの詳細設計に基づき、建造に必要な生産情報を作成する生産設計がある。
基本設計は、まず顧客船主の要望に沿った船の全長・全幅・深さ・喫水・積載量・航行スピード・主機関出力や燃費性能等の主要目を検討し、これを実現するため基本配置・船型を計画し、コンピュータによる数値計算・シミュレーションや船型模型での水槽試験を行い、燃費性能を向上させるプロペラや船体の省エネ付加物及び安全な航行のための復原性・バランス等を分析しつつ船型開発を行う。
次に、積載貨物の種類、使い勝手に関係する船主の要望、規則要求に応じた機能・性能を満たす配置・仕様を計画し、一般配置図、居住区配置図、機関室配置図等の図面と仕様書を作成し、顧客との造船契約に至る。
詳細設計は基本設計に基づき、性能部分を含む船舶のセクションごとの詳細な設計を行うもので、構造部材の配置を検討し強度計算により寸法を決定する船殻設計、エンジンを始めとした機関室内の機器や配管を設計する機関艤装設計、レーダーなど航海計器・無線・照明、発電装置など電気関係を設計する電気艤装設計、荷役設備(クレーン等)・係船設備・居住設備・塗装等を設計する船体艤装設計の4部門からなる。なお、船舶建造には様々な機材・機器(エンジン、クレーン等)を組み込むため、この段階で当該製造メーカーと機材・機器の細部の打ち合わせを行いつつ発注作業を行う。
生産設計は、基本設計と詳細設計に基づいて、セクションごとに部材の形状や加工方法、工作精度などを決め、ブロック分割図、船殻工作図、取付図、艤装工作図、一品データ等を作製するもので、これらを基に加工や組立てが行われる。また、台・はしご等の小物を設計後にオーダーメイドで発注するとともに、必要な配管等の部品は、形状・寸法・種類・数等をデータ入力してリストを作成して工場にデータ送付し製作支援をする。
なお、上述の3段階の設計作業はそれぞれ別セクションの設計技術者が担当しており、各段階の業務の流れやセクション間の調整を円滑にするため、正確な情報伝達や有機的で密接な連携が求められる。
船舶の図面には様々なものがあるが、主に船舶計画図(基本設計)、船舶構造図(詳細設計の船殻設計)、船舶艤装図(詳細設計の船体艤装設計、機関艤装設計、電気艤装設計)の3種類に大別される。
船舶計画図は、造船製図の基本となるもので、線図により船体の形状を描くが、例えば曲面で形作られる船体表面はその形状を表すため正面図・平面図・側面図が用いられる。船の外観形状・貨物倉・機関室・荷役装置・居住区等の艤装設備の全体的配置を示す一般配置図のほかに、線図により排水量等曲線図、貨物倉・タンクの容積図、復元力曲線図等も製図される。
船舶構造図は、航行するに当たって充分な強度を持ち、衝突・座礁等の事故にも浸水を局部的に止めるような船体構造を設計するためのもので、基本的な構造配置を示す図面から船体各部の詳細な構造を示す図面に至るまで多数の構造図を製図する必要がある。
船舶艤装図は、住居設備、航海設備、係船設備、荷役装置等の諸設備の詳細について設計製図するものである。具体的には、揚錨係船装置(ウインチ)、かじ取装置、航海計器、荷役装置、昇降閉鎖装置、冷暖房装置、採光通風装置、消火・救命装置、油圧管等諸管系等、船舶には非常に多くの艤装品が装備されるので、使用目的に応じて分類されて図面が製図される。
また、船舶はその使用目的に応じた航海能力を備える必要があり、関係法令や船級協会(日本では、一般財団法人日本海事協会)が規定した構造規則に従うとともに学術研究の成果等も応用した設計を行うことが求められ、特に詳細設計の段階で留意・確認している。このような求められる構造と省エネや環境対策のための機能やデザイン性は両立しにくい側面があり、両者のバランスを保ちつつ、技術開発や設計を行うためには様々な難しい課題を乗り越える必要がある。
設計作業は従来コンパス・ディバイダ等製図器、三角定規、造船用曲線定規などを用いて手書きで行っていたが、CADシステムが進歩した現在は、初期設計用3DCADシステム、2D-CAD/CAM、3D-CAD/CAM等を利用して設計されることが多い。また、設計のそれぞれの段階で、構造解析ソフト(船体構造を決める船殻設計で利用)や流体解析・数値流体力学(CFD:Computational Fluid Dynamics)シミュレーションソフト(基本設計や船型開発で利用)等の設計目的に合わせたソフトを利用する。
生産設計で各種設計図面が設計・製図された後は製造過程に移るが、まず基本的に原図→罫書→切断→曲げの工程を経る。最初の製造過程は、船体構造の型を作る原図という作業工程で、それを元に鋼材に印字装置等で罫書きする。以前は原寸大の木型を製作していたが、CADシステムが進歩した現在では、データが罫書装置に送られ、工作上必要な事項も部材ごとに自動罫書装置によって鋼材に転写される。さらに生産設計で作成された電子データは、直接各種の加工装置に送付され、切断の工程では、NCプラズマ自動切断機等で切断加工され、曲げ工程では、プレス機やベンディングローラーによる圧延・加圧が行われる。
次に、船舶の技術開発に関して述べる。その目的は大きく2つある。一つは、顧客船主の要求に応じた機能・性能に沿った仕様書を作成するためであり、もう一つは市場ニーズに基づき今後どのような製品を売り出したらよいかを調査研究し、現時点の製品と比較して高次元の機能を有する製品を開発するためである。具体的には、現在、省エネ対策、環境対策及び機能性向上等の課題で技術開発が進められている。
省エネ対策としては、船舶からのCO2排出を削減するためのより燃費の良い省エネ船型、省エネダクト等の省エネ付加物等の開発や、重油よりもCO2排出量が少ない代替燃料の船舶への活用、風力の活用、太陽光発電等の自然エネルギーや排熱エネルギーを回収し利用するハイブリッド船・電気推進システム等の開発が行われている。また、環境対策としては、CO?、NOx(窒素酸化物)、SOx(硫黄酸化物)の削減や再利用するための技術開発、機能性向上等では、摩擦抵抗・粘性圧力抵抗の減少、二重反転プロペラ、上部構造物の風圧力軽減や船首形状改良による浪波中抵抗の軽減、船体構造破損の事故調査データの蓄積に基づく船体構造の安全向上・船体強度要件の向上に向けた技術開発、北極、南極の氷の海を航行できる船舶等の技術開発が進められている。特にCO2排出削減の技術開発は、業界を挙げて取り組まれている。
これらの技術開発は、コンピュータによる数値解析で船体回りの流体の流れをシミュレーションする数値流体力学(CFD)手法や、実際のシミュレーション精度を高めて高性能を発揮するために、模型による水槽試験で繰り返すこと等を組み合わせて行われる。基本設計と密接に関わっており、基本設計の担当者が兼務して従事することが多い。
以上のように、船舶の設計・開発は、大きな組織の中で複雑な過程を経るもので、顧客船主の要請、船級規則、CO2排出削減等の環境対策等の課題が多いが、それを乗り越えて船舶が完成した時に大きな達成感を感じると言われている。また、温暖化対策等の環境問題、原油高に対する省エネ対策、人材不足等、船舶を巡る課題は、造船の設計・開発部門がこの最前線で解決していく仕事であることを実感しやりがいを感じる人も多い。
よく使う道具・機材・情報技術
2023年度時点の情報
パソコン、流体解析・数値流体力学(CFD)シュミレーションソフト、船型模型、試験用水槽、2D-CAD/CAM、3D-CAD/CAM、構造解析ソフト、コンパス・ディバイダ等製図器、製図板、製図用定規、バッテン 、製図用文鎮、スケール、分度器、製図用紙(ケント紙、トレース紙、方眼紙)
主なタスク
job tagの就業者調査で重要度が高いとされたもの。実施率は、そのタスクを行っていると答えた人の割合です。
| タスク | 実施率 |
|---|---|
| 仕様書を作成し、顧客と造船契約する。 | 83% |
| 顧客船主の要望を実現するため、コンピュータによる数値計算・シミュレーションや船型模型で水槽試験を行い、燃費性能を向上させるプロペラや船体の省エネ付加物及び安全な航行のための復原性・バランス等を分析しつつ船型開発を行う。 | 78% |
| 初期設計用3DCADシステム、2D-CAD/CAM、3D-CAD/CAM等IT機器を利用して設計製図を行う。 | 100% |
| 基本設計において、基本図、一般配置図、居住区配置図、機関室配置図等などの図面を製作する。 | 91% |
| 顧客船主の要望に沿った船の全長・全幅・深さ・喫水・積載量・航行スピード・主機関出力や燃費性能等の主要項目を検討し、基本配置・船型を計画する。 | 83% |
| 基本設計において、搭載するものの種類、積載能力、航路、速力等船主の要求に応じた機能・性能を満たすために主機、船型、船倉容積、基本構造の配置と主な構造部材の寸法等を決定する。 | 91% |
| 詳細設計において、船殻設計する。 | 91% |
| 詳細設計において、船舶艤装図を製図する。 | 91% |
出典厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)「職業情報データベース 簡易版数値系ダウンロードデータ ver.7.00」タスク(2023年度)
計算重要度の高い順に最大8件を表示。
労働条件の特徴
勤務先は造船メーカー及びその関連会社であり、造船所の立地条件として陸路・海路からのアクセスが可能であること、温和な気候であること、主要資材の入手に便利であること、環境対策が講じやすいこと等が挙げられるため、就業場所は一定の地域に集積しており、東京湾沿岸、大阪湾・伊勢湾沿岸、瀬戸内海全域、別府湾から豊後水道にかけての沿岸、長崎県沿岸に多く、その他に北海道や新潟県、宮城県等の地域にも一部ある。就業先の企業形態も、大企業から中小企業まで多様である。また船舶は数万の部品から構成されており、建造するための専門分野が多いこと等から、地域の産業に密着しており、特に大きな船舶を建造する場合は、その地域に請負企業が集積している。
賃金、労働時間等労働条件は勤務先の規定によるが、労働時間は日中の8時間程度で土日週休2日制、正社員としての雇用形態が平均的である。残業時間は受注状況や工期の節目により生じる場合があるがワーク・ライフ・バランスは取りやすい。その他の労働条件は、企業規模や当該企業が建造する船の種類により異なる。
造船業に従事する就業者数は全体で、約7~8万人で推移している。このうち設計・研究開発などの技術者(事務職を含む)は約1.5万人である。高齢者の雇用に積極的に取り組んでいる。また、近年、女性が技術者として活躍する機会が増えている(2025年時点)。
また、船舶の設計技術は、既存の船舶に限らず、海洋風力発電等その技術を生かすことができる分野が多々あることから、今後、造船技術者が活躍する場は多様化する可能性が大きい。
世界の海上輸送量は、貿易の拡大により増加傾向にあり、今後も世界の国々の経済発展により海上貿易量が増加することが見込まれる上に、国内貨物でも約4割を支えているところ、トラック輸送を船又は鉄道に振り替える政策が進められていることから、船による海上輸送の役割はますます大きくなることが予想される。一方で、中国や韓国との熾烈な国際競争の影響等を受ける中、我が国の造船業が、引き続き、安定的な海上輸送の確保に貢献するとともに、我が国の安全保障及び地域の経済の活性化に寄与しつつ、競争力を有する産業として成長するため、政府は事業再編や生産性向上の促進等を通じて事業基盤強化を推進することにより、生産性を向上させるとともに、運航に当たって温室効果ガスを排出しないゼロエミッション船や自動運航船等の世界最先端の技術力を磨き上げることによる非価格競争力の強化を図ることとしている。
働く環境の特徴
job tag の就業者調査で、この職業の人が答えた「仕事の性質」です。全職業の平均と比べて、特に高い項目と低い項目を並べています。
全職業の平均より高い
全職業の平均より低い:立ち作業、歩行、走行、反復作業
勤務のスケジュール:規則的 56%、不規則 44%、季節的 0%
出典厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)「職業情報データベース 簡易版数値系ダウンロードデータ ver.7.00」仕事の性質(2023年度、その職業に就いている人へのWebアンケート)
計算「仕事の性質」は回答の平均(値はおおむね1〜5の範囲)で、棒の縦線はjob tagの全職業(518職業)の平均。平均との差が0.3以上の項目を、差の大きい順に高いもの最大6つ・低いもの最大3つ。勤務のスケジュールは回答者の割合。
一般的な就業形態
この職業の一般的な就業形態として、job tag の就業者調査で選ばれた割合です。複数回答のため、合計は100%を超えます。回答した人の数が少ない職業もあるため、目安として見てください。
禄高(給与)
より広い職種の数値統計に「造船技術者(船舶の開発・設計)」だけの区分がないため、「輸送用機器技術者」全体の数値を表示しています。
この年収は、会社などに雇われて働く人の給与です。事業主(開業している人など)の収入は含まず、会社の役員も原則として含みません。
出典厚生労働省「賃金構造基本統計調査で使用されている主な用語の説明」 / 総務省統計局「国勢調査」2020年 抽出詳細集計「男女,従業上の地位,職業(小分類)別就業者数(15歳以上)」
計算割合は国勢調査の従業上の地位別の就業者数からrokudakaが計算。
精度の目安標準誤差率 2.23%(統計の全職種の中央値は2.04%)
標準誤差率は、調査の対象に選ばれた事業所によって平均がどのくらいぶれるかの目安です。小さいほど数字が安定しています。
出典厚生労働省「賃金構造基本統計調査」2025年 標準誤差率 誤差率表4「職種(小分類)別所定内給与額及び所定内給与額の標準誤差率(役職者を含む)」
計算誤差率は所定内給与額(残業代・賞与を除く月額、男女計)に対する統計の公表値。中央値は全職種の誤差率からrokudakaが計算。
出典厚生労働省「賃金構造基本統計調査」2025年 一般労働者 職種 第1表「職種(小分類)、性別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額」 / 厚生労働省「賃金構造基本統計調査」2025年 一般労働者 職種 第5表「職種(小分類)、年齢階級別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額」
計算順位は、統計の全144職種(「不詳」を除く)を年収の目安で並べてrokudakaが計算。
年収の推移
| 2023年 | 2024年 | 2025年 |
|---|---|---|
| 712万円 | 701万円 | 725万円 |
出典厚生労働省「賃金構造基本統計調査」2023〜2025年 一般労働者 職種 第1表「職種(小分類)、性別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額」
計算各年の年収の目安(月額 × 12 + 年間賞与)。企業規模10人以上、男女計。
年齢別の年収
白抜きの点と破線は、推計労働者数が1,000人未満の区分です。 人数が少なく平均がぶれやすいため、参考値として見てください。 薄い棒(右の目盛り)は、賃金の統計の推計労働者数です。企業規模10人以上の会社などに雇われて働く人の数で、自営業の人や小さな会社で働く人を含まないため、下の「年齢別の就業者数」(国勢調査)とは対象が違います。
出典厚生労働省「賃金構造基本統計調査」2025年 一般労働者 職種 第5表「職種(小分類)、年齢階級別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額」
計算年齢階級ごとの年収の目安(月額 × 12 + 年間賞与)と推計労働者数。企業規模10人以上、男女計。
男女別
| 男 | 743万円 |
|---|---|
| 女 | 553万円 |
女性の年収は男性の74%です。年齢構成や勤続年数の違いも含んだ差です。
企業規模別
| 1,000人以上 | 779万円 |
|---|---|
| 100〜999人 | 618万円 |
| 10〜99人 | 543万円 |
企業規模による差は最大236万円です。
出典厚生労働省「賃金構造基本統計調査」2025年 一般労働者 職種 第1表「職種(小分類)、性別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額」
計算男女別は企業規模10人以上の計、企業規模別は男女計。いずれも年収の目安(月額 × 12 + 年間賞与)。
需要と将来性
より広い職種の数値求人倍率は「製造技術者(開発)」全体の数値です。
2025年の有効求人倍率は1.93倍です。仕事を探している人1人に対して、1.9件の求人がある状態で、人手が足りない側に傾いています。2023年からの推移を見ると、大きくは変わっていません。
有効求人倍率の推移
ハローワークを通じた求人・求職の数から計算した値で、民間の求人サイトの求人は含みません(パートタイムを含む常用)。
出典厚生労働省「職業安定業務統計(一般職業紹介状況)」長期時系列表 第21表「有効求人倍率(パート含む常用)」(2023〜2025年)
計算各年の値は統計表の年平均(暦年)をそのまま表示。
就業者数の推移
より広い職種の数値就業者数は「輸送用機器技術者」全体の数値です。
2020年の就業者数は137,470人です(うち女性5%)。2010年と比べると+44%増えています。
国勢調査は5年ごとの調査です。会社員だけでなく、自営業や家族で営む仕事の人も含みます。 そのため、給与の統計(企業規模10人以上の会社などで働く人)とは対象が違います。
出典総務省統計局「国勢調査」2010〜2020年 2020年 抽出詳細集計「男女,従業上の地位,職業(小分類)別就業者数(15歳以上)」(それ以前は同じ区分で集計された時系列データ)
計算調査票の一部を抽出して集計した推計値(10人単位)。増減率は2010年と2020年の値からrokudakaが計算。
年齢別の就業者数(2020年)
「輸送用機器技術者」全体の数値です。5歳ごとの年齢層では、35~39歳がいちばん多くなっています(70歳以上はまとめているため除く)。30歳未満は18%で、働く人全体(15%)と同じくらいです。60歳以上は6%で、働く人全体(24%)より少なくなっています。
国勢調査の就業者数で、雇われて働く人のほか、自営業や家族で営む仕事の人も含みます。70歳以上はまとめています。
出典総務省統計局「国勢調査」2020年 抽出詳細集計「男女,年齢(5歳階級),職業(小分類)別就業者数(15歳以上就業者)」 / 総務省統計局「国勢調査」2010〜2020年 2020年 抽出詳細集計「男女,従業上の地位,職業(小分類)別就業者数(15歳以上)」(それ以前は同じ区分で集計された時系列データ)
計算年齢(5歳階級)の就業者数を、賃金の統計の年齢階級に合わせて「〜19歳」から「70歳〜」にまとめた。割合は5歳階級の合計に対する割合でrokudakaが計算。働く人全体は国勢調査の「総数」で、差が5ポイント未満は「同じくらい」。
働き方の内訳(2020年)
| 雇われて働く人(正社員・派遣・パートなど) | 98% | 135,150人 |
|---|---|---|
| 会社などの役員 | 1% | 1,410人 |
| 事業主(人を雇っている) | 1%未満 | 100人 |
| 事業主(一人で)(開業・フリーランスなど) | 1%未満 | 470人 |
| 家族従業者・内職など | 1%未満 | 30人 |
| 不詳 | 1%未満 | 310人 |
出典総務省統計局「国勢調査」2020年 抽出詳細集計「男女,従業上の地位,職業(小分類)別就業者数(15歳以上)」
計算割合は従業上の地位別の就業者数を総数で割ってrokudakaが計算。「家族従業者・内職など」は家族従業者と家庭内職者の合計。
必要なスキル・知識
全職業の平均と比べて特に求められるスキルは、です。 知識では設計、物理学、工学が特徴的です。
スキル(全職業の平均との差が大きい8項目)
知識(全職業の平均との差が大きい8項目)
水準はスキルが0〜7程度、知識が0〜5程度で、数字が大きいほどその仕事で高いレベルが求められることを表します。
出典厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)「職業情報データベース 簡易版数値系ダウンロードデータ ver.7.00」スキル / 厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)「職業情報データベース 簡易版数値系ダウンロードデータ ver.7.00」知識(2023年度、その職業に就いている人へのWebアンケート)
計算「全職業の平均」は、job tagで数値のある全職業(最大518職業)の単純平均をrokudakaが計算。表示する8項目は、この職業の値と全職業の平均との差が大きい順。
なり方・学び方
入職にあたっては、様々な物理学的計算や立体構造を念頭に置いた作図を行うことから、新卒での入職者は、大学、大学院、高専の船舶学、機械・電気学、機械工学、航空宇宙工学、海洋システム工学等の理工学系専攻の卒業者が多いが、造船科、機械科、電気科等の理工学系卒の高卒者も採用する。中途採用は、ハローワーク、求人広告等で行われており、機械系の設計経験やCAD の操作経験が求められることが多いが、エクセル、ワード、パワーポイント等のPCの基本ソフトが使用できれば良い場合もあり、異業種からの転職者もいる。
採用された者は、入職後にベテラン従業員から実務の指導を受けたり様々な講習で技術を習得したりしながら実績を積む。CAD操作の未経験者も操作できるよう指導体制が図られている企業も多い。
また、一般社団法人日本造船工業会の「造船技術者社会人教育センター」が実施する造船技術者社会人教育(基礎コース、中堅技術者コース)、一般社団法人日本中小型造船工業会の「技能研修センター」が実施する新卒・中途採用者(主に造船系の学問を学んだことのない者)を対象とした新人研修、若手向けの生産設計研修、船舶海洋工学研修、技術開発未来塾、技術士取得講習会、一般財団法人日本海事協会が実施する、設計技術者育成パッケージ、海事データサイエンティスト育成講座等様々な研修が用意され、自分が入社した会社だけでなく外部機関などからのバックアップも充実しているため、未経験者でもしっかりとキャリアを築けるよう業界を挙げて技術者育成に取り組んでいる。
その上で、最新の技術を活用して、最新の機能を有する船を建造するためには、最新の情報が必要になり、他の造船所の最新の取組や関連産業の技術動向も勉強する必要がある。
なお、公益社団法人日本技術士会が認定する船舶・海洋分野の技術士を取得することがキャリアの展開に有利である。また、CADを使用する場合は、厚生労働省が定める技能検定の「機械・プラント製図技能士」や一般社団法人コンピュータ教育振興協会が主催するCAD利用技術者試験等で技能を証明することができる。さらに、規則に関する最新情報は英語で発信されており、また外国の顧客とのコミュニケーションや仕様書等は英語なので、英語力は必須である。
キャリアルートに関しての一般的な平均像は、採用後、数ヶ月間は、製造現場での実務研修を受け船舶建造の全体像を理解し、その後、先輩とマンツーマン体制で1年間は指導を受け、2年目まではサポート体制の下で職務に従事する。3年目で主な担当を与えられ、5年目で一人前として従事できるようになる。年齢的には、30代で中堅(主任)、40代前半で各部門の係長級、40代後半で課長級となり部下を指導する立場となる。この間に基本設計部門、詳細設計部門、生産設計部門間の異動があり、その後、営業部門や経営企画部門に異動する人もいる。さらに設計開発部門の管理者や工場等や組織全体の管理職になる場合もある。
船舶の設計・開発はプロジェクトでありチームワークが重視される。造船所内では、様々な部署や職種の従業者が従事しており、これら関係者との協力・意思疎通や工程が進む中での引継ぎが正確に行われることが不可欠であり、他の担当者との調整能力、協調性、バランス感覚、情報伝達能力、コミュニケーション能力が重要である。特に顧客船主から、急だったり難しい仕様変更の要請があったりすると、各部署が有機的に密接に連携しあい組織全体として迅速に対応していく必要が生じる。
就業を長く続けるには、ものづくりに関心があることが大切である。また、建造する船舶は、オーダーメイドであり、品質の保持や顧客に対する信用に関わる仕事であるため、地道に職務を遂行でき責任感があり信頼を得られる資質が求められる。
関連する資格
資格の詳細ページでは、受験資格・受験料などを試験の実施団体などの公式情報をもとに、出典と確認日つきでまとめています。講座の情報は準備中です。
関連団体
出典と注意
- 職業情報提供サイト(job tag)「仕事内容、タスク、スキル・知識、関連資格」数値系 ver.7.00・解説系 ver.7.01
- 賃金構造基本統計調査「一般労働者 職種 第1表・第5表(e-Stat)」2025年(推移は2023〜2025年)
- 国勢調査「職業(小分類)別就業者数(e-Stat)」2020年(推移は2010〜2020年)
- 職業安定業務統計(一般職業紹介状況)「長期時系列表_21_職業別労働市場関係指標(実数)(令和4年4月~)(e-Stat)」2023〜2025年
使っている統計について
- 賃金構造基本統計調査(e-Stat)
- 厚生労働省が毎年行う基幹統計(統計法で特に重要と定められた統計)です。 事業所が、働いている人ごとの給与を記入する調査で、職種・年齢・企業規模などの区分ごとの給与がわかる国の代表的な賃金統計です。 このサイトの数値の範囲は一般労働者(短時間労働者を除く)、企業規模10人以上です。
- 職業安定業務統計(一般職業紹介状況)(e-Stat)
- 厚生労働省が、全国のハローワークで受け付けた求人と求職の数を集計した業務統計です。 民間の求人サイトや人材紹介会社の求人は含みません。
- 国勢調査(e-Stat)
- 「国勢調査は、日本に住んでいるすべての人及び世帯を対象とする国の最も重要な統計調査で、国内の人口や世帯の実態を明らかにするため、5年ごとに行われます。」 (総務省統計局「令和2年国勢調査に関するQ&A」問1-1) 職業別の就業者数は、調査票の一部を抽出して集計した推計値です(抽出詳細集計)。 範囲は15歳以上の就業者(雇用者のほか、自営業主・家族従業者などを含む)です。
- 厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)(ダウンロードページ)
- 厚生労働省の職業情報サイトです。スキル・知識・タスクの数値は、独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)がその職業に就いている人へのアンケートで集めたものです。
データの対応関係
- 賃金:「輸送用機器技術者」の数値(より広い職種)
- 求人倍率:「製造技術者(開発)」の数値(より広い職種)
- 就業者数:「輸送用機器技術者」の数値(より広い職種)
- 年収と就業者数は、統計の「輸送用機器技術者」の数値です。
数字の見方
- 年収の目安:きまって支給する現金給与額 × 12 + 年間賞与その他特別給与額(いずれも平均。一般労働者、企業規模10人以上)。平均値なので、一部の高い人に引っ張られて実感より高く出ることがあります。
- 給与の対象は労働基準法第9条の労働者(雇われて働く人)。事業主は含まず、役員も原則含まない。パート・アルバイトなどの短時間労働者は含みません。
- 月々の給与は、調査した年の6月分の給与です。基本給のほか残業代・通勤手当・家族手当などを含み、税金・社会保険料を差し引く前の額です。
- 賞与は、調査した年の前年1年間(原則1月〜12月)に支払われた額です。
- 用語の定義は厚生労働省の用語の説明と調査の概要によります。
数字の計算方法や読み方は「統計の読み方」にまとめています。
独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)作成『職業情報データベース 簡易版数値系ダウンロードデータ ver.7.00』職業情報提供サイト(job tag)より2026年10月30日にダウンロード(https://shigoto.mhlw.go.jp/User/download)、『職業情報データベース 解説系ダウンロードデータ ver.7.01』職業情報提供サイト(job tag)より2026年10月30日にダウンロード(https://shigoto.mhlw.go.jp/User/download)を加工して作成
年収の目安は725万円です (月々の給与44.8万円 × 12か月 + 賞与など188万円)。統計の全144職種の中で14番目に高い水準です。
平均年齢は41.4歳、平均勤続年数は15.8年です。年齢別では55~59歳が最も高く、939万円です。