臨床工学技士
医師の指示のもと、人工呼吸器・人工透析装置・人工心肺などの生命維持管理装置の操作を行うほか、多種にわたる医療機器の保守点検・管理を行う。
サマリー
数字で見る臨床工学技士
- 有効求人倍率は3.08倍で、職業全体(1.12倍)より高く、求人の多い側にあります(「医療技術者」全体の数値)。
- 全職業の平均と比べて特に高いスキルは、「保守点検」「修理」「計器監視」です。
出典厚生労働省「職業安定業務統計(一般職業紹介状況)」長期時系列表 第21表「有効求人倍率(パート含む常用)」(2023〜2025年) / 厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)「職業情報データベース 簡易版数値系ダウンロードデータ ver.7.00」スキル(2021年度、その職業に就いている人へのWebアンケート)
計算職業全体の有効求人倍率は統計の「職業計」(2025年平均)。差が0.1未満は「同じくらい」。スキルは、全職業の平均との差が大きい順。
どんな仕事か
医師の指示のもと、人工呼吸器・人工透析装置・人工心肺などの生命維持管理装置の操作を行うほか、多種にわたる医療機器の保守点検・管理を行う技術者である。
臨床工学技士の代表的な業務としては、人工呼吸器の作動確認をする呼吸治療業務や体外循環装置の操作や点検をする人工心肺業務、血管治療に伴う穿刺や人工透析装置の操作をする血液浄化業務、手術室の機器操作や管理を行う手術室業務などのほか、医療施設の様々な分野で使用される医療機器を、安全に使用できるようにまた、機器の性能が維持できるように保守・点検をする医療機器管理業務などを行っている。あらゆる医療スタッフが使いやすい機器を他職種と連携して選定し、いつでも安心して使用できるように点検・整備を行い、故障に対しては速かに修理する等医療機器のトータルケアを担当し、そこには医療に必要な工学的知識が要求される。
生命維持管理装置、人工透析装置や人工心肺装置等は、操作を誤ったり故障したりすると生命に直接かかわる重要な装置でるため、その取扱いには細心の注意を払う必要がある。
よく使う道具・機材・情報技術
2019年度時点の情報job tagの解説はこの年度から更新されていません。現在とは異なる場合があります。
パソコン、医療機器(人工呼吸器、人工透析装置、体外循環装置、人工心肺装置等)
主なタスク
job tagの就業者調査で重要度が高いとされたもの。実施率は、そのタスクを行っていると答えた人の割合です。
| タスク | 実施率 |
|---|---|
| 医療機器を点検し、修理や調整をする。 | 100% |
| 医師の指示あるいは所定の手順に従い、医療用機器を調節・制御する。 | 100% |
| 機器のトラブルがあった場合は、原因を探り、必要な対応をとる。 | 98% |
| 透析患者にシャント穿刺を行う。 | 96% |
| 医療用機器を使用している間、計器、記録計、モニター画面を監視・調整する。 | 100% |
| 検査中、患者の状態を観察し、異常や変化が見られた場合には処置を取り、医師に知らせる。 | 92% |
| 医療機器の仕様・取扱いに関して現場スタッフに教育し、安全に操作できるようにする。 | 98% |
| 患者の不安を軽減し、医療用機器の使用が安全に実施できるように、内容や手順を説明する。 | 96% |
出典厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)「職業情報データベース 簡易版数値系ダウンロードデータ ver.7.00」タスク(2022年度、その職業に就いている人へのWebアンケート)
計算重要度の高い順に最大8件を表示。
労働条件の特徴
多くは人工透析を行う総合病院やクリニックに勤務している。人工心肺装置が必要な分野や人工呼吸器や麻酔機を扱う手術室・ICU(集中治療室)分野などでも働いている。そのほか、機器の保守管理を専門に行う人や、医療機器メーカーに勤めている人もいる。
地域的には、全国各地域で就業しているが、高度医療を担う大きな病院があるところに多く集まっている。男女比では男性が大半であるが、女性が増えつつある。
勤務体制は、緊急手術や人工透析などに対応するため、交替制で夜間・休日の勤務をすることもある。特に人工透析の場合は、仕事など社会活動を行っている患者のために夕方5時以降も透析できる施設もあり、昼間と夜間のシフト制を採用している場合もある。
人工透析の技術者の需要は、慢性腎疾患への治療の普及とともに増加してきた。今後も、各種の生命維持管理装置の開発に伴って高度の医療を求める患者が増加し、また、機器の高度化とともに、安全管理・信頼性管理も更に重要な業務となる。
働く環境の特徴
job tag の就業者調査で、この職業の人が答えた「仕事の性質」です。全職業の平均と比べて、特に高い項目と低い項目を並べています。
全職業の平均より高い
全職業の平均より低い:屋外作業、座り作業、空調のきいていない屋内作業
勤務のスケジュール:規則的 71%、不規則 29%、季節的 0%
出典厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)「職業情報データベース 簡易版数値系ダウンロードデータ ver.7.00」仕事の性質(2023年度、その職業に就いている人へのWebアンケート)
計算「仕事の性質」は回答の平均(値はおおむね1〜5の範囲)で、棒の縦線はjob tagの全職業(518職業)の平均。平均との差が0.3以上の項目を、差の大きい順に高いもの最大6つ・低いもの最大3つ。勤務のスケジュールは回答者の割合。
一般的な就業形態
この職業の一般的な就業形態として、job tag の就業者調査で選ばれた割合です。複数回答のため、合計は100%を超えます。回答した人の数が少ない職業もあるため、目安として見てください。
禄高(給与)
この職業に対応する賃金統計の区分がないため、給与のデータは表示していません。
需要と将来性
より広い職種の数値求人倍率は「医療技術者」全体の数値です。
有効求人倍率の推移
ハローワークを通じた求人・求職の数から計算した値で、民間の求人サイトの求人は含みません(パートタイムを含む常用)。
出典厚生労働省「職業安定業務統計(一般職業紹介状況)」長期時系列表 第21表「有効求人倍率(パート含む常用)」(2023〜2025年)
計算各年の値は統計表の年平均(暦年)をそのまま表示。
この職業に対応する就業者数の区分がないため、表示していません。
必要なスキル・知識
全職業の平均と比べて特に求められるスキルは、保守点検、修理、計器監視です。 知識では医学・歯学、生物学、工学が特徴的です。
スキル(全職業の平均との差が大きい8項目)
知識(全職業の平均との差が大きい8項目)
水準はスキルが0〜7程度、知識が0〜5程度で、数字が大きいほどその仕事で高いレベルが求められることを表します。
出典厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)「職業情報データベース 簡易版数値系ダウンロードデータ ver.7.00」スキル(2021年度、その職業に就いている人へのWebアンケート) / 厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)「職業情報データベース 簡易版数値系ダウンロードデータ ver.7.00」知識(2023年度、その職業に就いている人へのWebアンケート)
計算「全職業の平均」は、job tagで数値のある全職業(最大518職業)の単純平均をrokudakaが計算。表示する8項目は、この職業の値と全職業の平均との差が大きい順。
なり方・学び方
臨床工学技士国家試験に合格し、厚生労働省医政局医事課試験免許室に申請することによって臨床工学技士名簿に登録が行われ、厚生労働大臣による免許が発行される。受験資格を得るためには、高校卒業後、臨床工学技士養成校で専門教育を3年間受けるほか、医療系(医師、看護師、その他の医療技術職)の学校や医用工学系の大学で必要な専門科目を履修したうえで1~2年の短期コースを修了するか、大学で指定科目を修了して卒業することでも受験資格が得られる。
また、国家資格を取得した臨床工学技士に対し、関連学会が独自に行っている透析技術認定士、体外循環技術認定士などの学会認定資格制度もある。これは臨床工学技士がより高度で専門性の高い業務に従事できるための能力の向上と、よりよい医療サービスを目指したものである。生命にかかわる仕事であるため、異常事態が起きた時、冷静沈着な対応が要求される。絶えず慎重に仕事を行い、細心の注意を払うことが必要である。
関連する資格
資格の詳細ページでは、受験資格・受験料などを試験の実施団体などの公式情報をもとに、出典と確認日つきでまとめています。講座の情報は準備中です。
関連団体
スキルが近い職業
スキル・知識の傾向が似ている職業です。必要なスキルの重なりが大きいほど、転職のときに経験を活かしやすいと考えられます。
- 診療放射線技師年収の目安 556万円臨床工学技士とくらべる →
- 臨床検査技師年収の目安 482万円臨床工学技士とくらべる →
- 産業廃棄物処理技術者年収の目安 612万円臨床工学技士とくらべる →
- 細胞検査士年収の目安 454万円臨床工学技士とくらべる →
- ビル施設管理年収の目安 452万円臨床工学技士とくらべる →
出典厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)「職業情報データベース 簡易版数値系ダウンロードデータ ver.7.00」スキル(2021年度、その職業に就いている人へのWebアンケート) / 厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)「職業情報データベース 簡易版数値系ダウンロードデータ ver.7.00」知識(2023年度、その職業に就いている人へのWebアンケート)
計算スキル39項目・知識33項目の水準を、job tagの全職業の中での位置(標準化した値)に直し、職業ごとの全体の高さの差を除いてから傾向の近さ(コサイン類似度)をrokudakaが計算。このサイトに掲載している職業の中から近い順に5件。
出典と注意
- 職業情報提供サイト(job tag)「仕事内容、タスク、スキル・知識、関連資格」数値系 ver.7.00・解説系 ver.7.01
- 職業安定業務統計(一般職業紹介状況)「長期時系列表_21_職業別労働市場関係指標(実数)(令和4年4月~)(e-Stat)」2023〜2025年
使っている統計について
- 賃金構造基本統計調査(e-Stat)
- 厚生労働省が毎年行う基幹統計(統計法で特に重要と定められた統計)です。 事業所が、働いている人ごとの給与を記入する調査で、職種・年齢・企業規模などの区分ごとの給与がわかる国の代表的な賃金統計です。 このサイトの数値の範囲は一般労働者(短時間労働者を除く)、企業規模10人以上です。
- 職業安定業務統計(一般職業紹介状況)(e-Stat)
- 厚生労働省が、全国のハローワークで受け付けた求人と求職の数を集計した業務統計です。 民間の求人サイトや人材紹介会社の求人は含みません。
- 国勢調査(e-Stat)
- 「国勢調査は、日本に住んでいるすべての人及び世帯を対象とする国の最も重要な統計調査で、国内の人口や世帯の実態を明らかにするため、5年ごとに行われます。」 (総務省統計局「令和2年国勢調査に関するQ&A」問1-1) 職業別の就業者数は、調査票の一部を抽出して集計した推計値です(抽出詳細集計)。 範囲は15歳以上の就業者(雇用者のほか、自営業主・家族従業者などを含む)です。
- 厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)(ダウンロードページ)
- 厚生労働省の職業情報サイトです。スキル・知識・タスクの数値は、独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)がその職業に就いている人へのアンケートで集めたものです。
データの対応関係
- 賃金:対応する区分なし
- 求人倍率:「医療技術者」の数値(より広い職種)
- 就業者数:対応する区分なし
- 賃金と就業者数の統計で、臨床工学技士がどの区分に含まれるかを確かめられないため、年収と就業者数は表示していません。
数字の見方
- 年収の目安:きまって支給する現金給与額 × 12 + 年間賞与その他特別給与額(いずれも平均。一般労働者、企業規模10人以上)。平均値なので、一部の高い人に引っ張られて実感より高く出ることがあります。
- 給与の対象は労働基準法第9条の労働者(雇われて働く人)。事業主は含まず、役員も原則含まない。パート・アルバイトなどの短時間労働者は含みません。
- 月々の給与は、調査した年の6月分の給与です。基本給のほか残業代・通勤手当・家族手当などを含み、税金・社会保険料を差し引く前の額です。
- 賞与は、調査した年の前年1年間(原則1月〜12月)に支払われた額です。
- 用語の定義は厚生労働省の用語の説明と調査の概要によります。
数字の計算方法や読み方は「統計の読み方」にまとめています。
独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)作成『職業情報データベース 簡易版数値系ダウンロードデータ ver.7.00』職業情報提供サイト(job tag)より2026年10月30日にダウンロード(https://shigoto.mhlw.go.jp/User/download)、『職業情報データベース 解説系ダウンロードデータ ver.7.01』職業情報提供サイト(job tag)より2026年10月30日にダウンロード(https://shigoto.mhlw.go.jp/User/download)を加工して作成
2025年の有効求人倍率は3.08倍です。仕事を探している人1人に対して、3.1件の求人がある状態で、人手が足りない側に傾いています。2023年からの推移を見ると、大きくは変わっていません。