鉄鋼製造オペレーター

別名:鋳銑機オペレーター、鋳物用鉄溶融設備オペレーター、高炉オペレーター、製鋼設備オペレーター、製銑設備オペレーター、造塊設備オペレーター

鉄鉱石や石炭等の原料から鉄鋼製品を製造するため、生産設備を運転・監視する。

タグの基準(job tag の就業者調査から、全職業の上位・下位20%などでrokudakaが判定)

サマリー

年収の目安
588万円
2025年・平均より広い職種の数値
有効求人倍率
—
データなし対応する統計なし
就業者数
39,090人
2020年より広い職種の数値

出典厚生労働省「賃金構造基本統計調査」2025年 一般労働者 職種 第1表「職種(小分類)、性別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額」 / 総務省統計局「国勢調査」2010〜2020年 2020年 抽出詳細集計「男女,従業上の地位,職業(小分類)別就業者数(15歳以上)」(それ以前は同じ区分で集計された時系列データ)

計算年収の目安 = きまって支給する現金給与額(月額) × 12 + 年間賞与その他特別給与額。いずれも統計の平均値からrokudakaが計算。

数字で見る鉄鋼製造オペレーター

出典厚生労働省「賃金構造基本統計調査」2025年 一般労働者 職種 第1表「職種(小分類)、性別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額」 / 総務省統計局「国勢調査」2010〜2020年 2020年 抽出詳細集計「男女,従業上の地位,職業(小分類)別就業者数(15歳以上)」(それ以前は同じ区分で集計された時系列データ) / 総務省統計局「国勢調査」2020年 抽出詳細集計「男女,従業上の地位,職業(小分類)別就業者数(15歳以上)」 / 総務省統計局「国勢調査」2020年 抽出詳細集計「男女,年齢(5歳階級),職業(小分類)別就業者数(15歳以上就業者)」

計算全職種の平均は、統計に全職種の合計がないため、「不詳」を除く144職種の年収の目安(月額×12+年間賞与、2025年)を労働者数で重み付けしてrokudakaが計算(男女別も同じ方法)。差が3%未満は「ほぼ同じ」。年齢別は推計労働者数1,000人以上の年齢階級だけで比べた。働く人全体は国勢調査の「総数」(2020年)。増減率・女性の割合の差が5ポイント未満は「同じくらい」。年齢構成は、60歳以上・30歳未満の割合が全体より10ポイント以上多いときに記載。

どんな仕事か

鉄鉱石や石炭等の原料から鉄鋼製品を製造するため、生産設備を運転・監視する。

鉄鋼製造は、主に製銑(せいせん)工程、製鋼工程、圧延(あつえん)工程の3工程に分かれており、それぞれ高炉、転炉、圧延機等の設備が使用される。オペレーターは、これらの生産設備、周辺設備等機械の運転操作、稼働状況の監視を行う。配属される工程により扱う設備は異なるが仕様書、マニュアル等の操作手順に従った正確な操作を行い、担当する設備が順調に動いているかを常に監視する。軽微なトラブルには対応するが、解決が困難な場合には整備の担当者や生産に関わる技術者等に状況を報告し、相談するなど対応を図る。

鉄鋼製造のプロセスを工程に沿ってみると、鉄鉱石から銑鉄(せんてつ)を製造する製銑工程では、鉄鉱石(電気炉の場合は鉄スクラップ)やコークス、石灰石などの原料を装入し、熱風を吹き込むことで還元・溶解させ、銑鉄を取り出す。

銑鉄を精錬して不純物を取り除き、鋼片(こうへん:スラブ)に加工する製鋼工程では、銑鉄を転炉と呼ばれる大きな鍋に入れて精練し、不純物を除去する。不純物が除去された溶鋼を所定の鋳型(いがた)に流し込み冷却させて固め、鋼片、鋼塊(こうかい)を作る。

鋼片を鋼板などの鋼材に加工する圧延工程では、鋼片等を加熱し、圧延機の回転する2本のロールの間にさし込み、伸ばしたり、薄くしたりして成形する。材料にかける圧力、圧延回数、圧延時間などに注意しながら目的の形状、厚みにする。

最後の仕上げ作業は、曲がりを直す作業、注文の長さに切断する作業、寸法を測定する作業などが含まれ、それぞれの担当が機械を操作して圧延鋼材を注文通りに仕上げる。また、製品の品質を変えるための熱処理、さびを防止するためのめっき処理などを行う。

鉄鋼製造は、製銑から鋼板(こうはん)の製造までの作業を1か所に集中させることが効率化につながる典型的な装置産業である。それを実現するのは、高炉・転炉・圧延機を一貫して稼働させる高炉メーカー(銑鋼一貫メーカー)である。高炉メーカー以外の鉄鋼メーカーとしては、高炉を持たず、銑鉄や鋼片を仕入れて製鋼や圧延加工だけを行う平炉(へいろ)メーカーや圧延メーカー、鉄スクラップを原料として製鋼から鋼材製造までを手がける電炉(でんろ)メーカーなどがある。

よく使う道具・機材・情報技術

2019年度時点の情報job tagの解説はこの年度から更新されていません。現在とは異なる場合があります。

作業中の保護具(ヘルメット、ゴーグル、グローブ、安全靴等)

主なタスク

job tagの就業者調査で重要度が高いとされたもの。実施率は、そのタスクを行っていると答えた人の割合です。

タスク実施率
製造の異変に気付いたとき、機械を一時停止するよう担当者に連絡する。94%
安全確保のため、同僚と声を掛け合う。94%
ミスが分かったとき、機械を一時停止するよう担当者に連絡する。96%
設備のトラブルについて、整備担当者や技術者等に報告する。98%
担当する設備が順調に動いているかを監視する。89%
仕様書やマニュアル等の操作手順に従い、担当する設備を正確に操作する。94%
クレーンを操作する。75%
機械や装置を保守点検する。94%

労働条件の特徴

勤務先は主に製鉄会社である。特に、高炉メーカーは大型の装置産業のため、地盤が強固で、水利が確保できる「港湾立地型」であり、勤務地も沿岸地域の工業都市の場合が多い。

就業者は過去においては男性比率が高かったが、近年では女性の積極採用も行っている。作業は4~5人のグループで行うが、高卒の新卒者から高齢者まで年齢構成は幅広い。

勤務体制は、4組3交替制が一般的である。中には3組3交替、2組2交替を採っている場合もある。大半が正社員であり、賃金は月給制である。

鉄鋼製造現場は、かつての力仕事から、設備の操作、計器の監視等へと変わってきている。今後は、設備の自動化、連続化によって従来のローテーションの枠組みを超え、1人のオペレーターが担当する作業領域の拡大化も考えられ、オペレーターに求められる知識やスキルの高度化が進むと予想される。また、熟練オペレーターが次々と退職期を迎えるなか、技術の伝承が課題となっている。このため、熟練オペレーターのもつ経験、知識をマニュアル化したり、生産工程をデジタル化して効率的なモデルを作成したりするなど、取り組みが進められている。

働く環境の特徴

job tag の就業者調査で、この職業の人が答えた「仕事の性質」です。全職業の平均と比べて、特に高い項目と低い項目を並べています。

全職業の平均より高い

全職業の平均より低い:外部の顧客等との接触、空調のきいた屋内作業、座り作業

勤務のスケジュール:規則的 62%、不規則 33%、季節的 4%

出典厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)「職業情報データベース 簡易版数値系ダウンロードデータ ver.7.00」仕事の性質(2023年度、その職業に就いている人へのWebアンケート)

計算「仕事の性質」は回答の平均(値はおおむね1〜5の範囲)で、棒の縦線はjob tagの全職業(518職業)の平均。平均との差が0.3以上の項目を、差の大きい順に高いもの最大6つ・低いもの最大3つ。勤務のスケジュールは回答者の割合。

一般的な就業形態

この職業の一般的な就業形態として、job tag の就業者調査で選ばれた割合です。複数回答のため、合計は100%を超えます。回答した人の数が少ない職業もあるため、目安として見てください。

禄高(給与)

より広い職種の数値統計に「鉄鋼製造オペレーター」だけの区分がないため、「製銑・製鋼・非鉄金属製錬従事者」全体の数値を表示しています。

この年収は、会社などに雇われて働く人の給与です。事業主(開業している人など)の収入は含まず、会社の役員も原則として含みません。

精度の目安標準誤差率 1.49%(統計の全職種の中央値は2.04%)

標準誤差率は、調査の対象に選ばれた事業所によって平均がどのくらいぶれるかの目安です。小さいほど数字が安定しています。

出典厚生労働省「賃金構造基本統計調査」2025年 標準誤差率 誤差率表4「職種(小分類)別所定内給与額及び所定内給与額の標準誤差率(役職者を含む)」

計算誤差率は所定内給与額(残業代・賞与を除く月額、男女計)に対する統計の公表値。中央値は全職種の誤差率からrokudakaが計算。

年収の目安は588万円です (月々の給与39.1万円 × 12か月 + 賞与など118万円)。統計の全144職種の中で38番目に高い水準です。

平均年齢は42.1歳、平均勤続年数は15.1年です。年齢別では45~49歳が最も高く、689万円です。

年収の推移

2023年2024年2025年
552万円529万円588万円

年齢別の年収

白抜きの点と破線は、推計労働者数が1,000人未満の区分です。 人数が少なく平均がぶれやすいため、参考値として見てください。 薄い棒(右の目盛り)は、賃金の統計の推計労働者数です。企業規模10人以上の会社などに雇われて働く人の数で、自営業の人や小さな会社で働く人を含まないため、下の「年齢別の就業者数」(国勢調査)とは対象が違います。

男女別

男605万円
女409万円

女性の年収は男性の68%です。年齢構成や勤続年数の違いも含んだ差です。

企業規模別

1,000人以上662万円
100〜999人561万円
10〜99人452万円

企業規模による差は最大210万円です。

需要と将来性

この職業に対応する求人倍率の区分がないため、表示していません。

就業者数の推移

より広い職種の数値就業者数は「製銑・製鋼・非鉄金属製錬従事者」全体の数値です。

2020年の就業者数は39,090人です(うち女性3%)。2010年と比べると+1%で、ほぼ横ばいです。

国勢調査は5年ごとの調査です。会社員だけでなく、自営業や家族で営む仕事の人も含みます。 そのため、給与の統計(企業規模10人以上の会社などで働く人)とは対象が違います。

年齢別の就業者数(2020年)

「製銑・製鋼・非鉄金属製錬従事者」全体の数値です。5歳ごとの年齢層では、30~34歳がいちばん多くなっています(70歳以上はまとめているため除く)。30歳未満は24%で、働く人全体(15%)より多くなっています。60歳以上は9%で、働く人全体(24%)より少なくなっています。

国勢調査の就業者数で、雇われて働く人のほか、自営業や家族で営む仕事の人も含みます。70歳以上はまとめています。

出典総務省統計局「国勢調査」2020年 抽出詳細集計「男女,年齢(5歳階級),職業(小分類)別就業者数(15歳以上就業者)」 / 総務省統計局「国勢調査」2010〜2020年 2020年 抽出詳細集計「男女,従業上の地位,職業(小分類)別就業者数(15歳以上)」(それ以前は同じ区分で集計された時系列データ)

計算年齢(5歳階級)の就業者数を、賃金の統計の年齢階級に合わせて「〜19歳」から「70歳〜」にまとめた。割合は5歳階級の合計に対する割合でrokudakaが計算。働く人全体は国勢調査の「総数」で、差が5ポイント未満は「同じくらい」。

働き方の内訳(2020年)

雇われて働く人(正社員・派遣・パートなど)97%38,100人
会社などの役員1%440人
事業主(人を雇っている)1%未満60人
事業主(一人で)(開業・フリーランスなど)1%未満180人
家族従業者・内職など1%未満40人
不詳1%270人

出典総務省統計局「国勢調査」2020年 抽出詳細集計「男女,従業上の地位,職業(小分類)別就業者数(15歳以上)」

計算割合は従業上の地位別の就業者数を総数で割ってrokudakaが計算。「家族従業者・内職など」は家族従業者と家庭内職者の合計。

必要なスキル・知識

全職業の平均と比べて特に求められるスキルは、です。 知識では生産・加工、機械、工学が特徴的です。

スキル(全職業の平均との差が大きい8項目)

知識(全職業の平均との差が大きい8項目)

水準はスキルが0〜7程度、知識が0〜5程度で、数字が大きいほどその仕事で高いレベルが求められることを表します。

なり方・学び方

入職にあたって特に学歴や資格は必要とされない。オペレーターとして採用された後、集合研修などを経て、本人の希望もすりあわせて、製銑、製鋼、圧延等の製造工程に配属される。工程間のジョブローテーションの有無等、配置方針は会社によって異なる。

知識・技能は新入社員教育をはじめ、計画的な教育・訓練や、配属職場における上司や先輩からの日常指導の中で習得していく。

オペレーターとして一人前に作業できるようになるには10年程度の実務経験が必要と言われている。そのため、新人社員教育の後にも、階層別教育、年次別教育(例えば、3年目研修、6年目研修、10年目研修等)を社内で実施しているメーカーもある。入職後の作業内容によっては、「クレーン運転士」の免許や「危険物取扱者」、「玉掛技能者」の資格が必要となる場合がある。また、日本鉄鋼連盟の発起により開学した産業技術短期大学に、高炉メーカーなどが若手・中堅層を社会人学生として派遣している。

製鉄の仕事は習熟に時間がかかり、技能が設備に密着したものが多いことから、様々な作業を経験する中で技能の幅を広げ、能力や経験に応じて、より高い技能を必要とするポジションへと昇進していく。キャリアパスとしては、オペレーター・担当→チームリーダー・班長(自ら操業を行いつつ、自職場のオペレーターをまとめる役割)→作業長・係長(操業はせず、マネジメントなど現場をまとめる役割)→統括・課長(事務職との折衝、作業長の統括)というルートが一般的である。

機械操作を行うためには、その前提として知識が必要であり、例えば、圧延機の操作ではまず圧延機の構造や機能を理解するための機械や電気の知識、また圧延する過程では鉄の性質の変化を理解するための冶金的な知識が必要となる。これと同時に、諸設備を正確・安全かつスムーズに運転するための運転技能を身につける必要がある。また、最近は自動化が進んでいるため、制御システムに対する知識も必要になっている。

計器類からの情報に反応して、的確にレバー、ボタン類を操作する必要があるため、正確な認識力と判断力、機敏性が求められる。また、機械の大型化・自動化に伴って、センサーなど測定機器からの情報をモニター画面で監視したり、遠隔操作も多く、同時に工程を直接目で見て判断する業務も多いことから集中力、注意力が求められる。

関連する資格

資格の詳細ページでは、受験資格・受験料などを試験の実施団体などの公式情報をもとに、出典と確認日つきでまとめています。講座の情報は準備中です。

関連団体

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出典と注意

使っている統計について

賃金構造基本統計調査(e-Stat)
厚生労働省が毎年行う基幹統計(統計法で特に重要と定められた統計)です。 事業所が、働いている人ごとの給与を記入する調査で、職種・年齢・企業規模などの区分ごとの給与がわかる国の代表的な賃金統計です。 このサイトの数値の範囲は一般労働者(短時間労働者を除く)、企業規模10人以上です。
職業安定業務統計(一般職業紹介状況)(e-Stat)
厚生労働省が、全国のハローワークで受け付けた求人と求職の数を集計した業務統計です。 民間の求人サイトや人材紹介会社の求人は含みません。
国勢調査(e-Stat)
「国勢調査は、日本に住んでいるすべての人及び世帯を対象とする国の最も重要な統計調査で、国内の人口や世帯の実態を明らかにするため、5年ごとに行われます。」 (総務省統計局「令和2年国勢調査に関するQ&A」問1-1) 職業別の就業者数は、調査票の一部を抽出して集計した推計値です(抽出詳細集計)。 範囲は15歳以上の就業者(雇用者のほか、自営業主・家族従業者などを含む)です。
厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)(ダウンロードページ)
厚生労働省の職業情報サイトです。スキル・知識・タスクの数値は、独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)がその職業に就いている人へのアンケートで集めたものです。

データの対応関係

数字の見方

数字の計算方法や読み方は「統計の読み方」にまとめています。

独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)作成『職業情報データベース 簡易版数値系ダウンロードデータ ver.7.00』職業情報提供サイト(job tag)より2026年10月30日にダウンロード(https://shigoto.mhlw.go.jp/User/download)、『職業情報データベース 解説系ダウンロードデータ ver.7.01』職業情報提供サイト(job tag)より2026年10月30日にダウンロード(https://shigoto.mhlw.go.jp/User/download)を加工して作成