医療ソーシャルワーカー

別名:医療ソーシャルワーカー(MSW)、精神医療ソーシャルワーカー(PSW)、精神保健福祉士、病院ケースワーカー

保健医療機関等において患者や家族の相談に乗り、社会福祉の立場から経済的・心理的・社会的問題の解決、調整、社会復帰を支援する。

タグの基準(job tag の就業者調査から、全職業の上位・下位20%などでrokudakaが判定)

サマリー

年収の目安
442万円
2025年・平均より広い職種の数値
有効求人倍率
2.67倍
2025年平均より広い職種の数値
就業者数
532,710人
2020年より広い職種の数値

出典厚生労働省「賃金構造基本統計調査」2025年 一般労働者 職種 第1表「職種(小分類)、性別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額」 / 厚生労働省「職業安定業務統計(一般職業紹介状況)」長期時系列表 第21表「有効求人倍率(パート含む常用)」(2023〜2025年) / 総務省統計局「国勢調査」2010〜2020年 2020年 抽出詳細集計「男女,従業上の地位,職業(小分類)別就業者数(15歳以上)」(それ以前は同じ区分で集計された時系列データ)

計算年収の目安 = きまって支給する現金給与額(月額) × 12 + 年間賞与その他特別給与額。いずれも統計の平均値からrokudakaが計算。

数字で見る医療ソーシャルワーカー

出典厚生労働省「賃金構造基本統計調査」2025年 一般労働者 職種 第1表「職種(小分類)、性別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額」 / 厚生労働省「職業安定業務統計(一般職業紹介状況)」長期時系列表 第21表「有効求人倍率(パート含む常用)」(2023〜2025年) / 総務省統計局「国勢調査」2010〜2020年 2020年 抽出詳細集計「男女,従業上の地位,職業(小分類)別就業者数(15歳以上)」(それ以前は同じ区分で集計された時系列データ) / 総務省統計局「国勢調査」2020年 抽出詳細集計「男女,従業上の地位,職業(小分類)別就業者数(15歳以上)」 / 総務省統計局「国勢調査」2020年 抽出詳細集計「男女,年齢(5歳階級),職業(小分類)別就業者数(15歳以上就業者)」 / 厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)「職業情報データベース 簡易版数値系ダウンロードデータ ver.7.00」スキル(2021年度、その職業に就いている人へのWebアンケート)

計算全職種の平均は、統計に全職種の合計がないため、「不詳」を除く144職種の年収の目安(月額×12+年間賞与、2025年)を労働者数で重み付けしてrokudakaが計算(男女別も同じ方法)。差が3%未満は「ほぼ同じ」。年齢別は推計労働者数1,000人以上の年齢階級だけで比べた。職業全体の有効求人倍率は統計の「職業計」(2025年平均)。差が0.1未満は「同じくらい」。働く人全体は国勢調査の「総数」(2020年)。増減率・女性の割合の差が5ポイント未満は「同じくらい」。年齢構成は、60歳以上・30歳未満の割合が全体より10ポイント以上多いときに記載。スキルは、全職業の平均との差が大きい順。

どんな仕事か

保健医療機関等において患者や家族の相談にのり、社会福祉の立場から経済的・心理的・社会的問題の解決、調整、社会復帰を支援する。

病気やケガで治療が必要になった時、収入や治療費がない、職場復帰できない、病気に対する不安があるなど、患者やその家族だけでは解決できない問題が起こる場合がある。このような時、患者が安心して適切な治療を受け、社会復帰ができるように支援する。

患者・家族への直接的な個別援助では、面接を重視し、患者・家族との信頼関係を基盤としつつ、患者・家族の意志を適切に反映して継続的なアセスメントを行っていく。その際、他の保健医療スタッフ等からの情報を加え、整理・分析して課題を明らかにし、課題の優先順位に応じて、援助の実施方法を選定し、計画を立て、患者・家族の課題が解決するよう支援していく。相談室や病棟で面談したり、関係機関や家族と連絡をとったり、申請書の作成やソーシャルワークの記録を行う。また、患者の生活実態を調べるための家庭訪問や、患者と同行あるいは代行して関係機関を訪問することもある。

他の保健医療スタッフ及び地域の関係機関との連携も重要で、それを通じて有効な支援を行うとともに、患者会の育成やグループ活動の支援なども行っていく。介護支援専門員との連携や地域の福祉サービスの利用援助、成年後見人の選定などに関して行政担当者と連携していく仕事が増加している。社会資源の有効活用や地域との調整機能を発揮することが重要である。

よく使う道具・機材・情報技術

2019年度時点の情報job tagの解説はこの年度から更新されていません。現在とは異なる場合があります。

文書作成ソフト(Word、一太郎等)、パソコン

主なタスク

job tagの就業者調査で重要度が高いとされたもの。実施率は、そのタスクを行っていると答えた人の割合です。

タスク実施率
患者を担当する医療スタッフと連絡を取り、相互のコミュニケーションを促進する。98%
相談者の状況の変化に合わせて必要な情報を収集し、提供する。98%
地域社会における健康・医療サービスに関する情報を収集・提供する。98%
家族からの相談を受け、家族の不安軽減や経済的問題への対応を支援する。94%
患者や家族に地域の公的窓口や医療・福祉機関を紹介し、必要なサービスを受けられるよう助言する。98%
患者や家族からの相談を受け、医療や生活に関する問題点を把握する。96%
他の医療機関や福祉機関、事業所と連携する。100%
治療・介護計画に基づき、患者に生活面や医療費に関する助言をする。98%

労働条件の特徴

勤務先は、病院、保健所、社会復帰施設等であり、職場は全国に広がっている。

相談業務が中心なので、日勤となり、原則として夜勤はないことが多いが、夜間や休日に行われる患者の会などのグループワークに対応する場合もある。休日は週休2日のシフト制が多い。

厚生労働省から医療ソーシャルワーカー業務指針が通知されており、社会福祉学を基にした専門性を発揮し、社会福祉の立場から患者の抱える経済的、心理的、社会的問題の解決・調整を援助し、社会復帰の促進を図る職種であることが明確化されている。社会が大きく変化する中で、治療との両立や社会復帰等を支援する医療ソーシャルワーカーの仕事はますます重要になってきている。

働く環境の特徴

job tag の就業者調査で、この職業の人が答えた「仕事の性質」です。全職業の平均と比べて、特に高い項目と低い項目を並べています。

全職業の平均より高い

全職業の平均より低い:モノ、道具、制御装置を扱う手作業、反復作業、一般的な保護・安全装備の着用

勤務のスケジュール:規則的 44%、不規則 54%、季節的 2%

出典厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)「職業情報データベース 簡易版数値系ダウンロードデータ ver.7.00」仕事の性質(2023年度、その職業に就いている人へのWebアンケート)

計算「仕事の性質」は回答の平均(値はおおむね1〜5の範囲)で、棒の縦線はjob tagの全職業(518職業)の平均。平均との差が0.3以上の項目を、差の大きい順に高いもの最大6つ・低いもの最大3つ。勤務のスケジュールは回答者の割合。

一般的な就業形態

この職業の一般的な就業形態として、job tag の就業者調査で選ばれた割合です。複数回答のため、合計は100%を超えます。回答した人の数が少ない職業もあるため、目安として見てください。

禄高(給与)

より広い職種の数値統計に「医療ソーシャルワーカー」だけの区分がないため、「その他の社会福祉専門職業従事者」全体の数値を表示しています。

この年収は、会社などに雇われて働く人の給与です。事業主(開業している人など)の収入は含まず、会社の役員も原則として含みません。

精度の目安標準誤差率 1.16%(統計の全職種の中央値は2.04%)

標準誤差率は、調査の対象に選ばれた事業所によって平均がどのくらいぶれるかの目安です。小さいほど数字が安定しています。

出典厚生労働省「賃金構造基本統計調査」2025年 標準誤差率 誤差率表4「職種(小分類)別所定内給与額及び所定内給与額の標準誤差率(役職者を含む)」

計算誤差率は所定内給与額(残業代・賞与を除く月額、男女計)に対する統計の公表値。中央値は全職種の誤差率からrokudakaが計算。

年収の目安は442万円です (月々の給与30.4万円 × 12か月 + 賞与など77万円)。統計の全144職種の中で103番目に高い水準です。

平均年齢は46.0歳、平均勤続年数は10.4年です。年齢別では55~59歳が最も高く、481万円です。

年収の推移

2023年2024年2025年
426万円441万円442万円

年齢別の年収

白抜きの点と破線は、推計労働者数が1,000人未満の区分です。 人数が少なく平均がぶれやすいため、参考値として見てください。 薄い棒(右の目盛り)は、賃金の統計の推計労働者数です。企業規模10人以上の会社などに雇われて働く人の数で、自営業の人や小さな会社で働く人を含まないため、下の「年齢別の就業者数」(国勢調査)とは対象が違います。

男女別

男475万円
女419万円

女性の年収は男性の88%です。年齢構成や勤続年数の違いも含んだ差です。

企業規模別

1,000人以上483万円
100〜999人446万円
10〜99人427万円

企業規模による差は最大56万円です。

需要と将来性

より広い職種の数値求人倍率は「社会福祉専門職業従事者」全体の数値です。

2025年の有効求人倍率は2.67倍です。仕事を探している人1人に対して、2.7件の求人がある状態で、人手が足りない側に傾いています。2023年からの推移を見ると、下がっています。

有効求人倍率の推移

ハローワークを通じた求人・求職の数から計算した値で、民間の求人サイトの求人は含みません(パートタイムを含む常用)。

就業者数の推移

より広い職種の数値就業者数は「その他の社会福祉専門職業従事者」全体の数値です。

2020年の就業者数は532,710人です(うち女性67%)。2010年と比べると+61%増えています。

国勢調査は5年ごとの調査です。会社員だけでなく、自営業や家族で営む仕事の人も含みます。 そのため、給与の統計(企業規模10人以上の会社などで働く人)とは対象が違います。

年齢別の就業者数(2020年)

「その他の社会福祉専門職業従事者」全体の数値です。5歳ごとの年齢層では、45~49歳がいちばん多くなっています(70歳以上はまとめているため除く)。30歳未満は9%で、働く人全体(15%)より少なくなっています。60歳以上は20%で、働く人全体(24%)と同じくらいです。

国勢調査の就業者数で、雇われて働く人のほか、自営業や家族で営む仕事の人も含みます。70歳以上はまとめています。

出典総務省統計局「国勢調査」2020年 抽出詳細集計「男女,年齢(5歳階級),職業(小分類)別就業者数(15歳以上就業者)」 / 総務省統計局「国勢調査」2010〜2020年 2020年 抽出詳細集計「男女,従業上の地位,職業(小分類)別就業者数(15歳以上)」(それ以前は同じ区分で集計された時系列データ)

計算年齢(5歳階級)の就業者数を、賃金の統計の年齢階級に合わせて「〜19歳」から「70歳〜」にまとめた。割合は5歳階級の合計に対する割合でrokudakaが計算。働く人全体は国勢調査の「総数」で、差が5ポイント未満は「同じくらい」。

働き方の内訳(2020年)

雇われて働く人(正社員・派遣・パートなど)94%499,330人
会社などの役員5%26,080人
事業主(人を雇っている)1%2,800人
事業主(一人で)(開業・フリーランスなど)1%未満1,300人
家族従業者・内職など1%未満470人
不詳1%2,730人

出典総務省統計局「国勢調査」2020年 抽出詳細集計「男女,従業上の地位,職業(小分類)別就業者数(15歳以上)」

計算割合は従業上の地位別の就業者数を総数で割ってrokudakaが計算。「家族従業者・内職など」は家族従業者と家庭内職者の合計。

必要なスキル・知識

全職業の平均と比べて特に求められるスキルは、対人援助サービス、他者の反応の理解、複雑な問題解決です。 知識では医学・歯学、セラピーとカウンセリング、心理学が特徴的です。

スキル(全職業の平均との差が大きい8項目)

知識(全職業の平均との差が大きい8項目)

水準はスキルが0〜7程度、知識が0〜5程度で、数字が大きいほどその仕事で高いレベルが求められることを表します。

なり方・学び方

医療ソーシャルワーカーになるには、「社会福祉士」か「精神保健福祉士」の資格を取得することが一般的である。資格を取得するには、大学、大学院、短大、専門学校等で医療福祉や社会福祉を学び、所定の科目を修めた上で、国家試験に合格する必要がある。また、国や自治体の相談部門に勤めるには、公務員試験に合格することが必要である。

就職後も、職能団体が開催する研修会などに参加して技術や知識を高めていく努力が求められる。

医療ソーシャルワーカーの援助が必要とされるケースには、制度と制度の狭間にあったり、心理的・社会的・経済的な問題が複雑にからみ合ったりしていることも多い。このため、正しく状況をつかみ問題を適切に判断する力と、行政の通知や通達文も読みこなすなど社会保障制度の理解が必要とされる。また、困難を抱える人の立場を理解する熱意や思いやりが求められる。

関連する資格

資格の詳細ページでは、受験資格・受験料などを試験の実施団体などの公式情報をもとに、出典と確認日つきでまとめています。講座の情報は準備中です。

関連団体

スキルが近い職業

スキル・知識の傾向が似ている職業です。必要なスキルの重なりが大きいほど、転職のときに経験を活かしやすいと考えられます。

出典厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)「職業情報データベース 簡易版数値系ダウンロードデータ ver.7.00」スキル(2021年度、その職業に就いている人へのWebアンケート) / 厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)「職業情報データベース 簡易版数値系ダウンロードデータ ver.7.00」知識(2023年度、その職業に就いている人へのWebアンケート)

計算スキル39項目・知識33項目の水準を、job tagの全職業の中での位置(標準化した値)に直し、職業ごとの全体の高さの差を除いてから傾向の近さ(コサイン類似度)をrokudakaが計算。このサイトに掲載している職業の中から近い順に5件。

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出典と注意

使っている統計について

賃金構造基本統計調査(e-Stat)
厚生労働省が毎年行う基幹統計(統計法で特に重要と定められた統計)です。 事業所が、働いている人ごとの給与を記入する調査で、職種・年齢・企業規模などの区分ごとの給与がわかる国の代表的な賃金統計です。 このサイトの数値の範囲は一般労働者(短時間労働者を除く)、企業規模10人以上です。
職業安定業務統計(一般職業紹介状況)(e-Stat)
厚生労働省が、全国のハローワークで受け付けた求人と求職の数を集計した業務統計です。 民間の求人サイトや人材紹介会社の求人は含みません。
国勢調査(e-Stat)
「国勢調査は、日本に住んでいるすべての人及び世帯を対象とする国の最も重要な統計調査で、国内の人口や世帯の実態を明らかにするため、5年ごとに行われます。」 (総務省統計局「令和2年国勢調査に関するQ&A」問1-1) 職業別の就業者数は、調査票の一部を抽出して集計した推計値です(抽出詳細集計)。 範囲は15歳以上の就業者(雇用者のほか、自営業主・家族従業者などを含む)です。
厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)(ダウンロードページ)
厚生労働省の職業情報サイトです。スキル・知識・タスクの数値は、独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)がその職業に就いている人へのアンケートで集めたものです。

データの対応関係

数字の見方

数字の計算方法や読み方は「統計の読み方」にまとめています。

独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)作成『職業情報データベース 簡易版数値系ダウンロードデータ ver.7.00』職業情報提供サイト(job tag)より2026年10月30日にダウンロード(https://shigoto.mhlw.go.jp/User/download)、『職業情報データベース 解説系ダウンロードデータ ver.7.01』職業情報提供サイト(job tag)より2026年10月30日にダウンロード(https://shigoto.mhlw.go.jp/User/download)を加工して作成