介護事務

別名:介護保険事務員、介護保険請求事務員

介護報酬請求事務(レセプト作成)を中心に介護施設の事務全般を担当する。

タグの基準(job tag の就業者調査から、全職業の上位・下位20%などでrokudakaが判定)

サマリー

年収の目安
529万円
2025年・平均より広い職種の数値
有効求人倍率
0.34倍
2025年平均より広い職種の数値
就業者数
3,737,860人
2020年より広い職種の数値

出典厚生労働省「賃金構造基本統計調査」2025年 一般労働者 職種 第1表「職種(小分類)、性別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額」 / 厚生労働省「職業安定業務統計(一般職業紹介状況)」長期時系列表 第21表「有効求人倍率(パート含む常用)」(2023〜2025年) / 総務省統計局「国勢調査」2010〜2020年 2020年 抽出詳細集計「男女,従業上の地位,職業(小分類)別就業者数(15歳以上)」(それ以前は同じ区分で集計された時系列データ)

計算年収の目安 = きまって支給する現金給与額(月額) × 12 + 年間賞与その他特別給与額。いずれも統計の平均値からrokudakaが計算。

数字で見る介護事務

出典厚生労働省「賃金構造基本統計調査」2025年 一般労働者 職種 第1表「職種(小分類)、性別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額」 / 厚生労働省「職業安定業務統計(一般職業紹介状況)」長期時系列表 第21表「有効求人倍率(パート含む常用)」(2023〜2025年) / 総務省統計局「国勢調査」2010〜2020年 2020年 抽出詳細集計「男女,従業上の地位,職業(小分類)別就業者数(15歳以上)」(それ以前は同じ区分で集計された時系列データ) / 総務省統計局「国勢調査」2020年 抽出詳細集計「男女,従業上の地位,職業(小分類)別就業者数(15歳以上)」 / 総務省統計局「国勢調査」2020年 抽出詳細集計「男女,年齢(5歳階級),職業(小分類)別就業者数(15歳以上就業者)」

計算全職種の平均は、統計に全職種の合計がないため、「不詳」を除く144職種の年収の目安(月額×12+年間賞与、2025年)を労働者数で重み付けしてrokudakaが計算(男女別も同じ方法)。差が3%未満は「ほぼ同じ」。年齢別は推計労働者数1,000人以上の年齢階級だけで比べた。職業全体の有効求人倍率は統計の「職業計」(2025年平均)。差が0.1未満は「同じくらい」。働く人全体は国勢調査の「総数」(2020年)。増減率・女性の割合の差が5ポイント未満は「同じくらい」。年齢構成は、60歳以上・30歳未満の割合が全体より10ポイント以上多いときに記載。近い職業は下の「スキルが近い職業」と同じ計算で、年収の目安がこの職業より高く、賃金の統計の区分が違うもの。

どんな仕事か

介護報酬請求事務(レセプト作成)を中心に介護施設の事務全般を担当する。

介護報酬請求事務は月末月初に集中するので、その期間はこの業務にウェイトが置かれるが、窓口業務や電話応対をはじめ、出退勤管理や会計処理、施設の備品類の管理・発注、連携機関への連絡、提出書類の作成など事務全般を行う。

介護事務の職場は、介護老人保健施設、特別養護老人ホーム、デイサービスセンター、グループホーム、訪問介護事業所、訪問看護ステーションなどが中心となる。介護施設では施設長以下、生活相談員やケアマネジャー、介護職員など、様々な職種のスタッフが働いており、その中で事業所の事務全般を担当するのが介護事務という位置づけになる。

具体的な業務内容を訪問介護事業所を例に、1日の流れでみると、事業所の全員で朝会をして、申し送り事項などの共有をした後、オフィスに戻って、メールやファクス、コールセンターからの連絡などをチェックする。その後は、役所や病院などの関連機関との連絡、来客や利用者の家族などからの問い合わせや、介護サービス利用希望者への応対、さらには施設職員の出勤状況をタイムレコーダーでチェックする。介護職員が不在のときに問い合わせがあった場合は、担当者に連絡をとる。ケアマネジャーの補佐として、ケアプラン作成に必要な書類を用意したり、関連機関に連絡をとるのも仕事のひとつである。定例ミーティングの準備や用意された資料のコピーと配付も行う。終業時間が近くなったら、翌日への申し送り事項などをまとめ、日報を記入して退勤という流れになる。

月末月初は、介護報酬請求事務で繁忙期となる。介護サービスを受けた利用者は利用料の1割を本人が負担し、残りの9割は保険者(市町村)が負担することになっており、その9割の介護報酬を介護事業所が受け取るための介護給付費明細書(レセプト)を作成する業務である。利用者自己負担分の1割を請求する書類を作成するのも仕事である。介護報酬請求は月末締めで、翌月10日までに事業所を管轄する都道府県の国民健康保険団体連合会に請求しなければならないが、大規模な事業所では1カ月に提出するレセプトが数百枚に及ぶところもある。利用者ごとにケアマネジャーが作成したケアプランと回収したサービス記録を突き合わせて作業するが、月末最後の2~3日と、月初の1週間ほどが繁忙期となる。かつては手書きでレセプトを作成していたが、現在はレセコンを利用して作成し、インターネット経由でオンライン提出するのが一般的になっている。

大規模な事業所では専門の介護事務を置くのが普通であるが、事業所によっては、特に規模が小さいところは事務の仕事以外に介助の手伝いなど現場の仕事を割り振られるところもある。一方小規模施設では、介護事務担当者を置かず、現場の介護職員が兼務という形で介護事務をこなしている事業所も少なくない。

よく使う道具・機材・情報技術

2019年度時点の情報job tagの解説はこの年度から更新されていません。現在とは異なる場合があります。

レセコン、レセプトソフト、パソコン、インターネット、メール、FAX

主なタスク

job tagの就業者調査で重要度が高いとされたもの。実施率は、そのタスクを行っていると答えた人の割合です。

タスク実施率
利用者に請求書を発行して、利用料を徴収する。90%
介護給付費単数表とレセプトを作成して請求をする。84%
会計処理をする。90%
各種申請書類を作成する。88%
職員の出退勤管理を行う。84%
職員の社会保険等の手続きをする。71%
サービス提供票を管理する。84%
福祉事務所、医療機関など関係機関との電話連絡をする。94%

労働条件の特徴

勤務先は、介護老人保健施設、特別養護老人ホーム、デイサービスセンター、グループホーム、訪問介護事業所、訪問看護ステーションなどが中心となり、全国に分布している。

就業者は女性が多くパートや契約社員の比率が高い。年齢的には40歳代~50歳代が多く、女性がパート従業員として働くケースが一般的にみられる。(*2)

賃金、労働時間等労働条件は勤務先の規定による。24時間運営の施設でも、介護事務は基本的に日勤である。月末月初の繁忙期には残業が生じることが多い。

*2 取材結果から

働く環境の特徴

job tag の就業者調査で、この職業の人が答えた「仕事の性質」です。全職業の平均と比べて、特に高い項目と低い項目を並べています。

全職業の平均より高い

全職業の平均より低い:モノ、道具、制御装置を扱う手作業、屋外作業、立ち作業

勤務のスケジュール:規則的 69%、不規則 25%、季節的 6%

出典厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)「職業情報データベース 簡易版数値系ダウンロードデータ ver.7.00」仕事の性質(2023年度、その職業に就いている人へのWebアンケート)

計算「仕事の性質」は回答の平均(値はおおむね1〜5の範囲)で、棒の縦線はjob tagの全職業(518職業)の平均。平均との差が0.3以上の項目を、差の大きい順に高いもの最大6つ・低いもの最大3つ。勤務のスケジュールは回答者の割合。

一般的な就業形態

この職業の一般的な就業形態として、job tag の就業者調査で選ばれた割合です。複数回答のため、合計は100%を超えます。回答した人の数が少ない職業もあるため、目安として見てください。

禄高(給与)

より広い職種の数値統計に「介護事務」だけの区分がないため、「その他の一般事務従事者」全体の数値を表示しています。

この年収は、会社などに雇われて働く人の給与です。事業主(開業している人など)の収入は含まず、会社の役員も原則として含みません。

精度の目安標準誤差率 2.09%(統計の全職種の中央値は2.04%)

標準誤差率は、調査の対象に選ばれた事業所によって平均がどのくらいぶれるかの目安です。小さいほど数字が安定しています。

出典厚生労働省「賃金構造基本統計調査」2025年 標準誤差率 誤差率表4「職種(小分類)別所定内給与額及び所定内給与額の標準誤差率(役職者を含む)」

計算誤差率は所定内給与額(残業代・賞与を除く月額、男女計)に対する統計の公表値。中央値は全職種の誤差率からrokudakaが計算。

年収の目安は529万円です (月々の給与35.7万円 × 12か月 + 賞与など100万円)。統計の全144職種の中で61番目に高い水準です。

平均年齢は44.0歳、平均勤続年数は12.6年です。年齢別では55~59歳が最も高く、606万円です。

年収の推移

2023年2024年2025年
478万円481万円529万円

年齢別の年収

白抜きの点と破線は、推計労働者数が1,000人未満の区分です。 人数が少なく平均がぶれやすいため、参考値として見てください。 薄い棒(右の目盛り)は、賃金の統計の推計労働者数です。企業規模10人以上の会社などに雇われて働く人の数で、自営業の人や小さな会社で働く人を含まないため、下の「年齢別の就業者数」(国勢調査)とは対象が違います。

男女別

男685万円
女437万円

女性の年収は男性の64%です。年齢構成や勤続年数の違いも含んだ差です。

企業規模別

1,000人以上596万円
100〜999人496万円
10〜99人404万円

企業規模による差は最大192万円です。

需要と将来性

より広い職種の数値求人倍率は「一般事務従事者」全体の数値です。

2025年の有効求人倍率は0.34倍です。求人の数が仕事を探している人の数より少なく、求職者どうしの競争がある状態です。2023年からの推移を見ると、大きくは変わっていません。

有効求人倍率の推移

ハローワークを通じた求人・求職の数から計算した値で、民間の求人サイトの求人は含みません(パートタイムを含む常用)。

就業者数の推移

より広い職種の数値就業者数は「その他の一般事務従事者」全体の数値です。

2020年の就業者数は3,737,860人です(うち女性47%)。2010年と比べると+19%増えています。

国勢調査は5年ごとの調査です。会社員だけでなく、自営業や家族で営む仕事の人も含みます。 そのため、給与の統計(企業規模10人以上の会社などで働く人)とは対象が違います。

年齢別の就業者数(2020年)

「その他の一般事務従事者」全体の数値です。5歳ごとの年齢層では、45~49歳がいちばん多くなっています(70歳以上はまとめているため除く)。30歳未満は13%で、働く人全体(15%)と同じくらいです。60歳以上は14%で、働く人全体(24%)より少なくなっています。

国勢調査の就業者数で、雇われて働く人のほか、自営業や家族で営む仕事の人も含みます。70歳以上はまとめています。

出典総務省統計局「国勢調査」2020年 抽出詳細集計「男女,年齢(5歳階級),職業(小分類)別就業者数(15歳以上就業者)」 / 総務省統計局「国勢調査」2010〜2020年 2020年 抽出詳細集計「男女,従業上の地位,職業(小分類)別就業者数(15歳以上)」(それ以前は同じ区分で集計された時系列データ)

計算年齢(5歳階級)の就業者数を、賃金の統計の年齢階級に合わせて「〜19歳」から「70歳〜」にまとめた。割合は5歳階級の合計に対する割合でrokudakaが計算。働く人全体は国勢調査の「総数」で、差が5ポイント未満は「同じくらい」。

働き方の内訳(2020年)

雇われて働く人(正社員・派遣・パートなど)96%3,603,130人
会社などの役員2%71,830人
事業主(人を雇っている)1%未満2,740人
事業主(一人で)(開業・フリーランスなど)1%18,850人
家族従業者・内職など1%28,650人
不詳1%未満12,660人

出典総務省統計局「国勢調査」2020年 抽出詳細集計「男女,従業上の地位,職業(小分類)別就業者数(15歳以上)」

計算割合は従業上の地位別の就業者数を総数で割ってrokudakaが計算。「家族従業者・内職など」は家族従業者と家庭内職者の合計。

必要なスキル・知識

全職業の平均と比べて特に求められるスキルは、資金管理、プログラミング、文章力です。 知識では事務処理、医学・歯学、セラピーとカウンセリングが特徴的です。

スキル(全職業の平均との差が大きい8項目)

知識(全職業の平均との差が大きい8項目)

水準はスキルが0〜7程度、知識が0〜5程度で、数字が大きいほどその仕事で高いレベルが求められることを表します。

なり方・学び方

入職にあたって、特に学歴や資格は必要とされない。レセコンを使用するので、パソコンの操作に慣れていると就職に有利である。

入職後は、サービス別基礎研修、マナー研修、法人理念研修などの入社時研修が行われる。(*1)レセコンに習熟すれば、半年程度で業務ができるようになる。

介護報酬請求事務に関する民間の資格がいくつかあるが、取得は義務づけられていない。

パートや契約社員から正社員になったり、規模が大きい施設では現場から本社勤務になるなどキャリアアップする例もある。

基本的には事務職なので、社会人としてのマナーや社会常識を含めた事務処理能力と来客や電話の応対などのコミュニケーション能力、そしてなによりもレセコンを使いこなせるだけのパソコンの知識、スキルが求められるが、事業所によっては介護補助まで業務に入っているところもある。

*1 取材結果から

関連団体

スキルが近い職業

スキル・知識の傾向が似ている職業です。必要なスキルの重なりが大きいほど、転職のときに経験を活かしやすいと考えられます。

出典厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)「職業情報データベース 簡易版数値系ダウンロードデータ ver.7.00」スキル(2021年度、その職業に就いている人へのWebアンケート) / 厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)「職業情報データベース 簡易版数値系ダウンロードデータ ver.7.00」知識(2023年度、その職業に就いている人へのWebアンケート)

計算スキル39項目・知識33項目の水準を、job tagの全職業の中での位置(標準化した値)に直し、職業ごとの全体の高さの差を除いてから傾向の近さ(コサイン類似度)をrokudakaが計算。このサイトに掲載している職業の中から近い順に5件。

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出典と注意

使っている統計について

賃金構造基本統計調査(e-Stat)
厚生労働省が毎年行う基幹統計(統計法で特に重要と定められた統計)です。 事業所が、働いている人ごとの給与を記入する調査で、職種・年齢・企業規模などの区分ごとの給与がわかる国の代表的な賃金統計です。 このサイトの数値の範囲は一般労働者(短時間労働者を除く)、企業規模10人以上です。
職業安定業務統計(一般職業紹介状況)(e-Stat)
厚生労働省が、全国のハローワークで受け付けた求人と求職の数を集計した業務統計です。 民間の求人サイトや人材紹介会社の求人は含みません。
国勢調査(e-Stat)
「国勢調査は、日本に住んでいるすべての人及び世帯を対象とする国の最も重要な統計調査で、国内の人口や世帯の実態を明らかにするため、5年ごとに行われます。」 (総務省統計局「令和2年国勢調査に関するQ&A」問1-1) 職業別の就業者数は、調査票の一部を抽出して集計した推計値です(抽出詳細集計)。 範囲は15歳以上の就業者(雇用者のほか、自営業主・家族従業者などを含む)です。
厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)(ダウンロードページ)
厚生労働省の職業情報サイトです。スキル・知識・タスクの数値は、独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)がその職業に就いている人へのアンケートで集めたものです。

データの対応関係

数字の見方

数字の計算方法や読み方は「統計の読み方」にまとめています。

独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)作成『職業情報データベース 簡易版数値系ダウンロードデータ ver.7.00』職業情報提供サイト(job tag)より2026年10月30日にダウンロード(https://shigoto.mhlw.go.jp/User/download)、『職業情報データベース 解説系ダウンロードデータ ver.7.01』職業情報提供サイト(job tag)より2026年10月30日にダウンロード(https://shigoto.mhlw.go.jp/User/download)を加工して作成