産業用ロボットの保守・メンテナンス

別名:機械保全工、工場設備保全員、産業用ロボット修理工、産業用ロボット保守・メンテナンス工、産業用機械修理工

工場などの生産ラインで産業用ロボットの保守やメンテナンス、また必要に応じて修理を行う。

タグの基準(job tag の就業者調査から、全職業の上位・下位20%などでrokudakaが判定)

サマリー

年収の目安
571万円
2025年・平均より広い職種の数値
有効求人倍率
4.09倍
2025年平均より広い職種の数値
就業者数
401,150人
2020年より広い職種の数値

出典厚生労働省「賃金構造基本統計調査」2025年 一般労働者 職種 第1表「職種(小分類)、性別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額」 / 厚生労働省「職業安定業務統計(一般職業紹介状況)」長期時系列表 第21表「有効求人倍率(パート含む常用)」(2023〜2025年) / 総務省統計局「国勢調査」2010〜2020年 2020年 抽出詳細集計「男女,従業上の地位,職業(小分類)別就業者数(15歳以上)」(それ以前は同じ区分で集計された時系列データ)

計算年収の目安 = きまって支給する現金給与額(月額) × 12 + 年間賞与その他特別給与額。いずれも統計の平均値からrokudakaが計算。

数字で見る産業用ロボットの保守・メンテナンス

出典厚生労働省「賃金構造基本統計調査」2025年 一般労働者 職種 第1表「職種(小分類)、性別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額」 / 厚生労働省「職業安定業務統計(一般職業紹介状況)」長期時系列表 第21表「有効求人倍率(パート含む常用)」(2023〜2025年) / 総務省統計局「国勢調査」2010〜2020年 2020年 抽出詳細集計「男女,従業上の地位,職業(小分類)別就業者数(15歳以上)」(それ以前は同じ区分で集計された時系列データ) / 総務省統計局「国勢調査」2020年 抽出詳細集計「男女,従業上の地位,職業(小分類)別就業者数(15歳以上)」 / 総務省統計局「国勢調査」2020年 抽出詳細集計「男女,年齢(5歳階級),職業(小分類)別就業者数(15歳以上就業者)」

計算全職種の平均は、統計に全職種の合計がないため、「不詳」を除く144職種の年収の目安(月額×12+年間賞与、2025年)を労働者数で重み付けしてrokudakaが計算(男女別も同じ方法)。差が3%未満は「ほぼ同じ」。年齢別は推計労働者数1,000人以上の年齢階級だけで比べた。職業全体の有効求人倍率は統計の「職業計」(2025年平均)。差が0.1未満は「同じくらい」。働く人全体は国勢調査の「総数」(2020年)。増減率・女性の割合の差が5ポイント未満は「同じくらい」。年齢構成は、60歳以上・30歳未満の割合が全体より10ポイント以上多いときに記載。

どんな仕事か

産業用ロボットの保守やメンテナンス、また必要に応じて修理を行うのが仕事である。

ロボットには、生産工程等で使用される産業用ロボット、危険な環境の中で作業を代行するロボット、家事や介護等を支援する日常生活支援ロボットなどがある。ここでは主に産業用ロボットについて述べる。なお、産業用ロボットとは、自動制御によるマニピュレーション機能又は移動機能をもち、各種の作業をプログラムにより実行でき、産業に使用される機械のことを言う。

産業用ロボットの保守・メンテナンスの仕事は、ロボット稼働前の日常点検、製造ラインの機械全般を停止して行う定期点検、故障発生時に工場へ駆けつけ、迅速に製造ラインを復旧する故障対応がある。

日常点検では、機械稼働時に動作や音などの異常がないか、ボルトや部品のゆるみが生じていないか等について確認し、不具合があれば補修等を行う。

定期点検では、故障を未然に防ぐためにロボットの内部、バッテリーの消耗や精密部品の摩耗や破損の有無について確認し、部品レベルでの清掃や場合によっては部品の交換等を行うためにオーバーホールを実施する。また、故障対応は、故障原因を解明、素早く対応し製造ラインを再稼働させます。

近年、産業用ロボットの機能や性能は飛躍的に向上しているが、ロボットは精密機械であり、毎日長時間稼働させるものだけに、長期にわたって安全に使うためには定期的な保守・メンテナンスが欠かせない。労働安全衛生法の安全基準によれば、ロボットシステムを運用する事業者は、作業開始前点検、定期検査、そして点検・検査で異常を発見した場合は補修を行い、その記録を3年間保存することが義務づけられている。

日々の点検はユーザー企業の従業員が行う場合でも、定期検査や修理・オーバーホールはメンテナンス会社に依頼するのが一般的である。メンテナンス会社には、ロボットメーカー系と独立系があり、そのほかロボットを組み込んだ自動生産システムを構築するロボットシステムインテグレーター(ロボットSIer:エスアイヤー)にもメンテナンスまで手がけるところがある。

近年は、ロボットの稼働コストの最適化のため、設備状態に合わせた高精度で高効率なメンテナンスが求められており、IoTや特殊計測器など最新技術を駆使し、安定した生産稼働を実現している。

よく使う道具・機材・情報技術

2019年度時点の情報job tagの解説はこの年度から更新されていません。現在とは異なる場合があります。

パソコン

主なタスク

job tagの就業者調査で重要度が高いとされたもの。実施率は、そのタスクを行っていると答えた人の割合です。

タスク実施率
異常や問題があった場合、その場所に行き、状況等を確認する。94%
必要な補修部品、資材等を手配し、在庫管理する。91%
新たにロボットが導入される場合等の協議に従って、マニュアル等を変更し、日常の監視と点検等の変更を行う。80%
ロボット量産前の耐久テストを行う。71%
マニュアル等に従い日常的なメンテナンスを行う(バッテリー、潤滑油等)。91%
定期的に一時、生産ラインを止め、時間のかかるメンテナンス、ソフトウェアのアップデート等を行う。83%
ドキュメントに不明な点、疑問点等がある場合、上司、ユーザー企業、開発会社等に問合せる。89%
検討、協議に沿って、マニュアル等にない問題等に対応し、補修、調整等を行う。94%

労働条件の特徴

基本的に企業の中の職務(仕事)であり、労働時間や給与などは原則として各社の社内規定に準拠している。

定期的な点検や緊急時の対応等で、ユーザー企業を訪問するなど出先で仕事をすることが多い。大規模な点検、メンテナンスはユーザー企業の工場が稼働していない夜間、休日等に行うこともある。トラブル等の対応のために残業が発生することもある。

80W規制が緩和されて以来、生産ラインに人間と並んで作業する協業ロボットが生まれている。ロボットシステムを安心して利用するためにも、「縁の下の力持ち」的存在の保守・メンテナンスの役割は引き続き重要である。

働く環境の特徴

job tag の就業者調査で、この職業の人が答えた「仕事の性質」です。全職業の平均と比べて、特に高い項目と低い項目を並べています。

全職業の平均より高い

全職業の平均より低い:優先順位や目標の自己設定

勤務のスケジュール:規則的 27%、不規則 57%、季節的 16%

出典厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)「職業情報データベース 簡易版数値系ダウンロードデータ ver.7.00」仕事の性質(2023年度、その職業に就いている人へのWebアンケート)

計算「仕事の性質」は回答の平均(値はおおむね1〜5の範囲)で、棒の縦線はjob tagの全職業(518職業)の平均。平均との差が0.3以上の項目を、差の大きい順に高いもの最大6つ・低いもの最大3つ。勤務のスケジュールは回答者の割合。

一般的な就業形態

この職業の一般的な就業形態として、job tag の就業者調査で選ばれた割合です。複数回答のため、合計は100%を超えます。回答した人の数が少ない職業もあるため、目安として見てください。

禄高(給与)

より広い職種の数値統計に「産業用ロボットの保守・メンテナンス」だけの区分がないため、「はん用・生産用・業務用機械器具・電気機械器具整備・修理従事者」全体の数値を表示しています。

この年収は、会社などに雇われて働く人の給与です。事業主(開業している人など)の収入は含まず、会社の役員も原則として含みません。

精度の目安標準誤差率 1.35%(統計の全職種の中央値は2.04%)

標準誤差率は、調査の対象に選ばれた事業所によって平均がどのくらいぶれるかの目安です。小さいほど数字が安定しています。

出典厚生労働省「賃金構造基本統計調査」2025年 標準誤差率 誤差率表4「職種(小分類)別所定内給与額及び所定内給与額の標準誤差率(役職者を含む)」

計算誤差率は所定内給与額(残業代・賞与を除く月額、男女計)に対する統計の公表値。中央値は全職種の誤差率からrokudakaが計算。

年収の目安は571万円です (月々の給与37.2万円 × 12か月 + 賞与など125万円)。統計の全144職種の中で46番目に高い水準です。

平均年齢は42.7歳、平均勤続年数は15.0年です。年齢別では55~59歳が最も高く、695万円です。

年収の推移

2023年2024年2025年
512万円586万円571万円

年齢別の年収

白抜きの点と破線は、推計労働者数が1,000人未満の区分です。 人数が少なく平均がぶれやすいため、参考値として見てください。 薄い棒(右の目盛り)は、賃金の統計の推計労働者数です。企業規模10人以上の会社などに雇われて働く人の数で、自営業の人や小さな会社で働く人を含まないため、下の「年齢別の就業者数」(国勢調査)とは対象が違います。

男女別

男579万円
女394万円

女性の年収は男性の68%です。年齢構成や勤続年数の違いも含んだ差です。

企業規模別

1,000人以上637万円
100〜999人556万円
10〜99人500万円

企業規模による差は最大137万円です。

需要と将来性

より広い職種の数値求人倍率は「機械整備・修理従事者」全体の数値です。

2025年の有効求人倍率は4.09倍です。仕事を探している人1人に対して、4.1件の求人がある状態で、人手が足りない側に傾いています。2023年からの推移を見ると、下がっています。

有効求人倍率の推移

ハローワークを通じた求人・求職の数から計算した値で、民間の求人サイトの求人は含みません(パートタイムを含む常用)。

就業者数の推移

より広い職種の数値就業者数は「はん用・生産用・業務用機械器具整備・修理従事者」全体の数値です。

2020年の就業者数は401,150人です(うち女性3%)。2010年と比べると+2%で、ほぼ横ばいです。

国勢調査は5年ごとの調査です。会社員だけでなく、自営業や家族で営む仕事の人も含みます。 そのため、給与の統計(企業規模10人以上の会社などで働く人)とは対象が違います。

年齢別の就業者数(2020年)

「はん用・生産用・業務用機械器具整備・修理従事者」全体の数値です。5歳ごとの年齢層では、45~49歳がいちばん多くなっています(70歳以上はまとめているため除く)。30歳未満は16%で、働く人全体(15%)と同じくらいです。60歳以上は17%で、働く人全体(24%)より少なくなっています。

国勢調査の就業者数で、雇われて働く人のほか、自営業や家族で営む仕事の人も含みます。70歳以上はまとめています。

出典総務省統計局「国勢調査」2020年 抽出詳細集計「男女,年齢(5歳階級),職業(小分類)別就業者数(15歳以上就業者)」 / 総務省統計局「国勢調査」2010〜2020年 2020年 抽出詳細集計「男女,従業上の地位,職業(小分類)別就業者数(15歳以上)」(それ以前は同じ区分で集計された時系列データ)

計算年齢(5歳階級)の就業者数を、賃金の統計の年齢階級に合わせて「〜19歳」から「70歳〜」にまとめた。割合は5歳階級の合計に対する割合でrokudakaが計算。働く人全体は国勢調査の「総数」で、差が5ポイント未満は「同じくらい」。

働き方の内訳(2020年)

雇われて働く人(正社員・派遣・パートなど)90%362,510人
会社などの役員4%15,330人
事業主(人を雇っている)1%3,660人
事業主(一人で)(開業・フリーランスなど)4%15,600人
家族従業者・内職など1%未満1,590人
不詳1%2,470人

出典総務省統計局「国勢調査」2020年 抽出詳細集計「男女,従業上の地位,職業(小分類)別就業者数(15歳以上)」

計算割合は従業上の地位別の就業者数を総数で割ってrokudakaが計算。「家族従業者・内職など」は家族従業者と家庭内職者の合計。

必要なスキル・知識

全職業の平均と比べて特に求められるスキルは、です。 知識では機械、工学、コンピュータと電子工学が特徴的です。

スキル(全職業の平均との差が大きい8項目)

知識(全職業の平均との差が大きい8項目)

水準はスキルが0〜7程度、知識が0〜5程度で、数字が大きいほどその仕事で高いレベルが求められることを表します。

なり方・学び方

入職にあたって、特に学歴や資格は必要とされないが、新卒の場合は、大学や高専、専門学校の機械工学・電気・電子系の学部を卒業して、ロボットメンテナンス企業やロボットSIerに入社するか、ロボットメーカーに就職してメンテナンス部門やメンテナンス子会社に配属されるというのが一般的である。ロボット産業は急成長を続けているため、開発エンジニアやシステムエンジニアだけでなく、メンテナンス要員も人手不足状態が続いている。中途採用の募集も頻繁に行われており、経験ある技術者の入職機会は多い。

産業用ロボット(定格出力が80W未満のものを除く)に関わる仕事に就く場合は、労働安全衛生規則第39条に基づいた、産業用ロボットの教示等の業務及び検査等の業務に係る安全衛生特別教育を受けなければならない。これは、ロボットの設置やメンテナンスを行う職業だけでなく、ロボットシステムを導入する企業でも同様である。

更に、新卒者や未経験者の中途採用者は、社内研修やロボットメーカーなどが主催している研修を受けて、基本的な技能や知識を身につける。その後は先輩エンジニアとペアを組んで顧客企業を回り、OJTで経験を積んでいくことになる。変化の速い業界であり、新技術や新製品も次々と出てくるので、継続研修を受けて技術をブラッシュアップしていく努力も求められる。

ロボティクス(ロボット工学)に関する知識はもちろんであるが、ユーザー企業と直接かかわる仕事なので、顧客企業に対して的確な説明ができるコミュニケーション能力も欠かせない。

関連団体

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出典と注意

使っている統計について

賃金構造基本統計調査(e-Stat)
厚生労働省が毎年行う基幹統計(統計法で特に重要と定められた統計)です。 事業所が、働いている人ごとの給与を記入する調査で、職種・年齢・企業規模などの区分ごとの給与がわかる国の代表的な賃金統計です。 このサイトの数値の範囲は一般労働者(短時間労働者を除く)、企業規模10人以上です。
職業安定業務統計(一般職業紹介状況)(e-Stat)
厚生労働省が、全国のハローワークで受け付けた求人と求職の数を集計した業務統計です。 民間の求人サイトや人材紹介会社の求人は含みません。
国勢調査(e-Stat)
「国勢調査は、日本に住んでいるすべての人及び世帯を対象とする国の最も重要な統計調査で、国内の人口や世帯の実態を明らかにするため、5年ごとに行われます。」 (総務省統計局「令和2年国勢調査に関するQ&A」問1-1) 職業別の就業者数は、調査票の一部を抽出して集計した推計値です(抽出詳細集計)。 範囲は15歳以上の就業者(雇用者のほか、自営業主・家族従業者などを含む)です。
厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)(ダウンロードページ)
厚生労働省の職業情報サイトです。スキル・知識・タスクの数値は、独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)がその職業に就いている人へのアンケートで集めたものです。

データの対応関係

数字の見方

数字の計算方法や読み方は「統計の読み方」にまとめています。

独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)作成『職業情報データベース 簡易版数値系ダウンロードデータ ver.7.00』職業情報提供サイト(job tag)より2026年10月30日にダウンロード(https://shigoto.mhlw.go.jp/User/download)、『職業情報データベース 解説系ダウンロードデータ ver.7.01』職業情報提供サイト(job tag)より2026年10月30日にダウンロード(https://shigoto.mhlw.go.jp/User/download)を加工して作成